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『職業遍歴』#20-1 健康食品を販売している会社

筆者が過去に経験した「履歴書には書けない仕事(バイト含む)」を振り返るシリーズ第20弾。2012年は短期の仕事を次々渡り歩きました。今回は健康食品を販売する会社の会員誌の編集をしていたころのお話です。

20. 会員誌の編集

2012年は、短期の仕事を次々渡り歩いた年でした。「渡り歩いた」というとちょっとかっこよく聞こえるかもしれませんが、実際にはそうではなく、最初から1~2カ月の短期の仕事であったり、長期なのにやむなく短期で辞めることになってしまったりといったことを繰り返していました。

2カ月の短期の広告代理店の仕事が契約終了したあと、3カ月後に新しい仕事が決まりました。今度は紹介予定派遣です。健康食品を販売する会社で会員誌の編集をやることになりました。

正社員の方から引き継ぐ形になりました。正社員の仕事を、なぜ正社員でなく紹介予定とはいえ派遣にやらせることにしたのか、よくわかりません。経費削減?

派遣時の時給は1600円と安かったですが、紹介予定派遣は最長派遣期間6カ月で正社員になれる(もっと短い場合もある)のがウリ。この会社では、最短で入社から1~2カ月で正社員になれるといわれていました。正社員になったあとは年収400万以上という好待遇でした。しかしそれならなぜ最初から正社員として雇わないのでしょう。ほんと派遣ってややこしいです。

仕事内容は会員誌の編集。自分が編集長として企画や取材、執筆、編集、校正、入稿すべてをやります。月刊でしたがページ数にすると数ページなので、余裕に思えました。

1号先くらいまでは企画内容もだいたい決まっていたので、それに沿ってやればいいだけでした。会員さんの取材や、健康についての話や、イベントがあればそのレポートなどが中心でした。

一般には流通していない健康食品をひとからひとに販売するという、ちょっとネットワークビジネスに近い形をとっていました。でも一般の消費者からの注文も受け付けていて、社内にはコールセンターがありました。

社長から突然降りてくる仕事も多かったです。社長が突然「この会員さん面白いから記事にして」と言えば、広島とか京都とかまで出張に行き取材しました。取材は社長に同行するという形で、取材するのは社長ですが、記事にまとめるのは私でした。また写真撮影も私がやらないといけませんでした。それまで取材経験はあったけど、写真はカメラマンに任せていたので、自分で一眼レフを使って撮るのは慣れなかったです。

このように突然出張が入ったりするのはストレスでした。もちろん考え方を変えれば、出張先でおいしいものを食べたり、ちょっとした観光をしたりもできますから、出張であちこち行けるのは悪い話ではありません。でも社長の気まぐれのような形で急に決まり、それに従わないといけないというのがストレスでした。

しかし、基本的には自分が編集長で編集権は自分にあります。もちろん企画については社長とも話したりしますが、社長は編集についてはなにもわかりませんから、こちらが提案すれば受け容れてくれることが多かったです。まあ、編集の大変さがわからないから、急に出張取材を入れてきたりするのでしょう。

私はそのうち、いろいろ提案をするようになりました。カメラマンは外部に頼んだほうがいいのではないか、会員誌のデザインを変えたい、など。実際に変えた場合の見積もりを出したりもしました。そうやって会員誌をよくしていくことで、「できるひと」だと思われて、早く正社員になりたいと思っていたのかもしれません。

社長はわりとおっとりした方で、私の提案を聞き入れてくれました。それで私は外部のカメラマンやデザイナーに依頼することにしました。

けれど考えてみれば、この時点では私はまだ派遣。余計なことをせず、ただ淡々と決まったことだけをやっておればよかったのです。

出過ぎた真似をしたことで、私は自分自身の首を絞めることになります。

続く




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