イヤホンを付けて歩けなくなった話
ヘッドホンやワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら歩いている人を外に出れば必ずと言っていいほど見かける。
私自身、ワイヤレスイヤホンを持っているが音楽を聴きながら外を歩くことが今は出来なくなってしまった。
以前は街中で見かける人々と同じく、イヤホンで音楽を聴きながら歩いていたのだが、とある事件がきっかけに怖くて付けることができなくなってしまったのだ。
理由を説明するには、とある事件を説明することになるのだが、トラウマに関わるような話のため人によっては不快に感じる人もいると思う…。
読んでいて気持ち悪く感じたらその先は無理せず読まないことをオススメします。
トラウマ
携帯を買い替えたばかりで浮き足だっていた高校3年生のとある朝の出来事だった。
携帯を片手に持ち、音楽を聴きながら学校へ通学している途中、正門まで残り30メートルに差し掛かったところ、突然背後から強く引っ張られ、尻もちつくようにして倒れた。
突然の出来事で何が起こったのか分からなかったが、男が馬乗りになりキスしようとしてきたり、下着を剥ごうとしてきたり、朝なのにも関わらず襲われたのであった。
どれぐらいの間、男と揉み合っていたのか分からなかったが揉み合っている最中、他クラスの男友達が通りかかったが、襲われてる姿を見て怖かったのだろう。
目が合ったのに助けてもくれず、その場を無言で通り過ぎたので、あぁ…私はここでレイプされるんだ…と力尽きて絶望しかけたところ、朝練中の部活生の声が近づいてきて犯人はその場から逃げていった。
なんとか未遂で終わったものの、着ている制服、カバン、携帯はボロボロになっていた。
不思議とその場で涙は出ず、制服をちゃんと履き直し、その足でそのまま職員室に向かい、襲われたことを報告して警察を呼んでもらった。
あっという間に学校に沢山のパトカーが到着し、保健室に私は隔離されることになった。
ストーカー
犯人が触れた衣類は下着含め、その場で警察に全て没収されることに。
犯人はすぐ見つからず、色々捜査してもらった結果分かった事は、事件が起こる一週間以上前から犯人に私はストーカーされていたらしい。
朝何時に家を出て、何時に襲う予定の道を通るか。計算しての犯行だったようだ。
私の通っていた高校の近くにも別の高校があり、
犯人はその別の高校にも何度も下見をしていたらしく、事前に襲う女子高生を選んでいたのだろう。
音楽を聴きながら通学、帰宅していたため、
犯人がバイクで私をつけていたことは全くも気付かなかった。
それからというもの、私はイヤホンで音楽を聴きながら歩く事が出来なくなった。
イヤホンを付けていなくとも、背後に人が近づいてくるのも怖くなってしまったため、背後に人がいたら一度止まって後ろの通行人に追い越させ、また歩き始める。
かれこれあの事件から十数年経ったが、今でもずっと怖い。
さいごに
未遂で済んだものの、この出来事は私にとって大きなトラウマとなった。
犯人はその後どうなったかというと、見つけることは出来たが『記憶にございません』の一点張りで刑務所に入ることもなく、数十万円の示談金を提示してきた。
賛否両論あると思うが、私は示談金を受け取らなかったので、それっきりでこの事件は終わったのだった。
犯人は刑務所に入ることなく、今も識名辺りでのうのうと過ごしているだろう。
性犯罪というものは夜だけとは限らないし、どんな格好をしているかも関係ない。
一方的な興奮と性癖を女性というだけで押し付けられる。
なんて不条理なんだろうか。
女性という性別であることに悔しいと感じたことも。
私が性犯罪に遭ったことを知ってる人が以前、
『許すことが一番難しいこと』と諭してくれ、許すことをススメられたが、私は絶対にこの先も許さないし、許すつもりもない。
自分にされたことだけではなく、この世の中の性犯罪全てを絶対に許すことないし、ニュースで性犯罪を目にしたり、耳にするたびにまた心を痛めるのだろう。
おわり
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