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書斎|『マダム・ロマラン』—1—

 この度出来た「Madame ROMARIN(マダム・ロマランのお話)」という絵本は、モーヴとグリーン、そしてマダム・ロマランの長く暮らしていた海辺の街を思わせるイエローの3色で彩った30頁の小さな物語です。

絵本『マダム・ロマラン』

 こちらでは絵本の中から8点の原画を物語のシーンと共にご紹介いたします。第一回目はそのうちの4点のご紹介です。
 まず初めは表紙の絵から……..

 お話の中でマダム・ロマランは一匹の猫に出会います。彼女がずっと一緒に暮らしていた猫にそっくりの猫でした。香りに誘われてやってきたようなその猫をアロム(arome)と名付けました。そんなふたりの絵をこのお話の表紙にしました。

 マダム・ロマランはもうずい分長いこと、家族と共に海辺の街に暮らしていました。ここ数年の間でその辺りは特に湿気が多くなり、 家族の皆は調子を崩していました。体調も常に優れず、 いらいらして意地悪な言葉をぶつけ合いました。

『Madame ROMARIN』本文より

 十九歳になった息子が独立し家を出て行くその日に、 マダム・ロマランも家を出ることに決めました。『 世界は思っているより広いと思うの。』
 キッチンのテーブルに置き手紙を残し、 ひとり旅立ちました。

『Madame ROMARIN』本文より
本イベントにて同時発表する
絵本とポプリのセット『マダム・ロマラン』の
オリジナルボックスに使用するイラスト2点の内の1点
イラスト作品「旅立ち」が配された
絵本とポプリセットのボックス、モーヴ色バージョン

 繋がりのすべてを捨ててここへ来たつもりでしたが、一緒に暮らしていた猫を置いてきたことだけはどうしても心残りでした。
 案内所で貰った紅茶を淹れて一息つきながら、 猫の写真を眺めました。 「だいぶ遠いところへ来ちゃったわね。」

『Madame ROMARIN』本文より

 物語は、マダム・ロマランがモーヴ街10番地に辿り着いたところまでをお届けいたしました。
 マダム・ロマランはとりあえずゆっくりとお茶を飲んでいるようですが、これからどんなことが起こるのでしょう?
 続きはまた次回、こちらよりお届けいたします。

 À bientôt!

フランスガム|イラストレーター →HP
小林晃(aki kobayashi)という名前で雑誌や書籍、広告などの媒体で活動しています。フランスガムという名の元に、展示や様々な創作活動を行っています。
あなたのすごく近くにあるかもしれないし遠くにあるかもしれない、どこにもないかもしれないしどこかにあるかもしれない世界、を創作しています。



作家名|フランスガム
作品名|マダム・ロマランと猫アロム

アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|13.5cm×13.5cm
額込みサイズ|18cm×18cm
制作年|2022年(新作)

作家名|フランスガム
作品名|マダム・ロマラン

アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|15cm×11cm
額込みサイズ|29cm×24cm
制作年|2022年(新作)

作家名|フランスガム
作品名|旅立ち

アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|17cm×11cm
額込みサイズ|32.5cm×23.5cm
制作年|2022年(新作)

作家名|フランスガム
作品名|10番地の部屋にて

アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|14cm×9.5cm
額込みサイズ|24cm×17.5cm
*スタンド額
制作年|2022年(新作)

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