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実写版アリエルから"世界をみる角度"をまた1つ教わった話

家族には、私のやりたいことをずっと反対されてきた。

「看護師として安定に働いて、田舎で暮らして早く結婚するのが1番幸せだぞ。」

「東京はこわいところだ。看護師を辞めてよくわからない会社に入るなんて馬鹿げたことをするな。」

と。

確かに家族の言う幸せも、この世にはあると思う。
その考え方を否定するつもりはない。

でも人はそれぞれ価値観が違う。

家族はそういう人生を送るのが幸せだと思うのはわかるけど、私が幸せかどうかは私にしかわからない。


私は"みたことのない世界を冒険したい"という思いが強かった。

だから反対を押し切って上京したし、看護師も辞めた。

色々なリスクも背負ったし、たくさん悩んで傷付きながらここまで生きてきた。

自分で自分を信じられないときもたくさんあった。

だからこそ私は、「陸の世界に憧れるアリエル」と「声を失うかもしれないリスク、元の居場所に戻れなくなるリスクを背負ってでも、人間になれるチャンスを掴みにいくアリエル」にとても共感するのだ。


"アリエルよく聞いてくれ
人間の世界は最低だよ
海の底の生活こそ
どこよりも楽しいんだから"

隣の海藻は 青く見えるさ
陸に行くのは 大きな間違い

まわりを見てごらん この海の底
なんて素敵な世界だ これ以上なにを望む

素晴しい アンダー・ザ・シー
ダーリン 私の言うこと信じて
あっちじゃ働くだけ 朝から晩まで
こっちじゃずっと遊んでラッキー
アンダー・ザ・シー

「アンダー・ザ・シー」より

実家ではこんなことをずっと言われていたので、その歌詞と家族の言葉がとてもリンクする。


陸にはいないわ あんなわからずやは
私は子どもじゃないのよ

「パート・オブ・ユア・ワールド」より

だからこそこの歌詞とそっくりそのまま同じことを思っていた。

ディズニープリンセスって、"まるで私のことを言ってるの?"と思わせる天才だよね。
同じこと思ってる女の子たくさんいると思う。

でもそれで言うと「アンダー・ザ・シー」は嫌な曲になるはずなのだが、あの明るくて誰もが楽しくなっちゃうような音楽になっているのが、今回大人になって改めて映画を観た私の心に刺さりまくった。

(アリエルのお父さんや)セバスチャンにも正義がある。
アリエルが幸せになるのは心から海の世界だと思っているからこそ、ハッピーに海の世界が幸せだよって歌ってるんだよね。

海の世界の良さもわかるし、"隣の芝生は青く見えるさ"の部分も、その通りだと思う。

私の家族もそういうことが言いたかった部分もあるだろう。


学生の頃は田舎が嫌で嫌で仕方なかったからこそ、東京にすごく憧れていた部分もあったので、田舎の良さなんてみようともしなかった。

だから家族が言っている幸せも事実存在しているのだということをわかってはいたけど、改めて大人になって理解できることもあり、私の心はなんかこう...揺さぶられた。


そう、だからこそ今でも自分の選択してきた道が正解か間違いかなんて、わからない。


ただ確実に言えることは"今、とても幸せだ"ということ。

自分の心に素直に生きて、たくさん挑戦して、たくさん失敗して、それでも明日もっと自分を好きになれる、もっと幸せになれるって思って日々を生きている。

挑戦すること、失敗すること、悩むこと、落ち込むこと...これは当たり前にできることではない。

そして頑張って、苦しんだ結果、達成した喜びを感じることも、支えてくれた人の存在の大切さに気付けることも、当たり前ではない。

全部含めてそれができているのって、私にとってはとても幸せなことなのだ。


そしてその28歳の大人が今までしてきた生き方とリンクさせながら感動で涙できる作品を創れる大人を、私はすごく尊敬する。

伝えたいことをそのまま言葉にしても伝わらないことはたくさんあるから、それを映画というエンタメに昇華させると、面白いことに新しい世界観ができ、その分この世に"世界をみる角度"がまた増える。

「リトル・マーメイド」のファンからしたら、冒頭音楽の前奏が流れてきただけで鳥肌がたったなぁ。

ストーリーがわかっていたって泣けるし、なんなら"次はこのシーンだな"って予想できた時点で涙が出てくる。

エンディングでも「アンダー・ザ・シー」が流れるのだが、個人的には最後にあの楽しい音楽が流れてきたことで、再び涙が出てきたくらい心に響いた。

先程書いたように、「アンダー・ザ・シー」は家族の存在とリンクしているように感じるので、最後に曲が流れてきたときに家族の存在を想起したのだ。

人間は矛盾を抱えている生き物だと思う。
人間は矛盾を抱えて生きれる生き物だ。

光があるから闇を知り、闇があるから光を知れる。
矛盾があるから人はより、自分のことを知れるのではないだろうか。


だからこそその矛盾さえも総じて面白がれる人間になれたら、また新しい世界がみえるかなと思った。

あとアリエルとエリックのデートコースは私も死ぬまでに経験したいです。

よろしくお願いします。

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