5年前、ゲストハウスはブルーオーシャンだった話
ゲストハウスビジネスの良き時代が終わったので、過去に浸らず新しいことに挑戦しないと生き残れないです、という話です。
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マーケティングらしいことを何もせず、Booking.comや楽天トラベルなどのホテル予約サイトに掲載するだけで、ゲストハウスの稼働率が年間通して9割を超えた時代がありました。
2017年前半までです。
当時は、圧倒的に宿が足りてませんでした。
うちの宿は金沢にあるんですが、2015年当時に市内に外国人が宿泊するゲストハウスはたった7軒しかありませんでした。全てのゲストハウスの合計ベッド数は、1日あたり約80ベッドくらいでしょうか。
2015年に金沢市に泊まった外国人数は約20万人です。仮にゲストハウスに泊まる外国人が全体の20%と仮定すれば、年間4万人。1日あたり109人です。
そりゃ、大繁盛するのも納得です。
需要に対して供給が足りてない、完全にブルーオーシャンでした。
何も努力しなくても銀行口座に売上が貯まっていく時代。新しい宿を作れば、すぐに繁盛宿です。じぶんの宿づくりが上手いと思ったことも一瞬ありましたが、完全に勘違いでしたw。
そんな売り手市場が終わったのが、2018年です。
2015〜2016年に、メディアで「ホテルが足りない!オリンピックまでにホテルをもっと増やせ!」なんて叫ばれ始めました。
それを機に、資本のある大きな会社から僕のような個人まで、一斉にホテルやゲストハウス建設を計画します。
宿泊施設は、計画から開業まで数年を要します。
規模が大きいビジネスなので資金調達や許認可、建設工事で時間がかかるんですね。
それらの宿泊施設が誕生したのが2018年以降。
本当に、一斉に開業しました..。ここから、一気にレッドオーシャン時代です。
(一応、訪日外国人数の推移を貼っておきます。)
そんなビジネス的に素敵な時代は終わってしまい、普通に宿を経営していてはダメになりました。大変な時代です。
それでも2年前には現在の供給過剰なマーケットは予想していたので、いくつか手を打ちました。
1つ目は、1号店のゲストハウスを閉めて無人宿にリニューアルしたことです。2つ目は、寿司屋を始めたことです。
それぞれ、以下のnoteに詳しく書きました。
他にもいくつか仕込んでいます。
そのうち公表します。
「昔は良かった」とか、口が裂けても言いたくない。
経営者として一番やっちゃいけないのが、じぶんの宿が上手くいっていないのを、他の宿やマーケットのせいにすることですね。
「新しいホテルができたから、客が取られた」
「あの宿が安すぎるから、うちの宿の稼働率が下がった」
ビジネスだから新しい競争相手が生まれるのは当たり前だし、競合は少しでも売上を上げるために、既存の宿よりも安くする。
こんなことにいちいち愚痴ってても何も変わらないです。そもそも、そんな厳しい市場に参入したのは、自分なので。
傍観者にならない。
評論家にならない。
過去に浸らない。
絶えず変化するマーケットや顧客の要望に、自分たちを変化させていく。
これしかないと思うんですよ。
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