「自己アピールの資料について。」

自己アピールとして戯曲数本を送らせていただきます。

 どなたがお読みになるかはわかりませんが、おそらく何名もの受験者の資料が届いていると思うので、なかなか読むのもしんどいよな、と、何本くらい送ればよいか迷いましたが、なるべくあるものは送って、そちらに選別していただこうと思いました。
 この文面も迷いましたが、ただ戯曲だけ送るより、簡単な紹介を書いた方が色々良いと思ったので書きました。選別の助けになるような紹介になっていればよいのですが。

それぞれの作品の簡単な紹介をしておくので、好きな本数、部分だけ読んでいただければ幸いです。(長編を1本、長編を半分ずつ、短編1本と長編1本ずつ、etc.etc.)

①長編その1「良くてフロリダ、あるいはテキサス。」
最新長編。池袋のシアターグリーンでやった作品です。
難産で、2ヶ月程、毎日書き直し、演出と相談したりしつつ、も、
あんまりよくないところが顕著にあります。
苦労すれば報われる、ということが嘘だといういい体験になりました。あと、集団劇作、やるならもっとやり方があるな。と。
明確なドラマが薄く、だらだらしていて、読んでいて、たるい、というのが最大のネック。
しかし後半のシーン群、は割とテンポが良くて、前半だらだらしている分、得をしています。一つでも記憶に残るシーンがあれば、残りの99分は糞でも良いだろう、みたいなことを考えて開き直ったりもしましたが、できれば100分サイコーで記憶に残る芝居がよいに間違いありません。でも、この芝居にもサイコーな部分はあります。まず役者がサイコーでした。そして演出もサイコー! 衣装がサイコー! 集団創作サイコー!

②長編その2「魔王、勇者僧侶盗賊魔法使い、現実。」
一つ前の長編。大山のサブテレニアンという劇場でやりました。
当時は心が荒れていて、演劇でファンタジーとか戦いとかやっているやつバカじゃね? アニメでしろよ、つーか、アニメもおれ興味ないんだよな、どーでもいいよ、むかつくんだよ、と思って、正直全然興味ないからこそ、そういう芝居をやってみようと思いました。まず戦わない。
ところがところが書くうちに、自分の中の認識がどんどん改革されて、ゲームとか、ファンタジーとかの無意味な感じ、ダメさ、現実に対する無力な感じに、愛着が湧いて止まりませんでした。ごめん、俺が間違ってた、俺がやっていることも全く同じだ、なにが演劇だ馬鹿野郎、冷徹な目で見ればみるほど冷徹な世界だ、もっと愛を持っていこうぜ、と思いました、ゲーム、サイコー!

③短編その1「外へ」
最新作です。劇作コースのリーディング公演のために書きました。
まとまりが無く、後半は特に迷走していますが、うじうじと、どーでもいい自分語りを、これきりでもう辞めようと思い、出来るだけ自分語りしました。もう内向きの芝居はうんざりです。外を向きたい。でもとってつけた社会性「かくめーい」みたいなんは殺意が湧くし、勉強だよね。戯曲なんて書かないで1年、2年みっちり本を読んだり、就職した方がいいなぁと思いました。留年しましたが。

④短編その2「虎の洞窟」
3年のときに書きました。同じく、リーディング公演。観客に受けた。
テレビゲームの再評価が著しく、友だちから機械を借りて、25時間くらい連続でやったときの体験を元にしました。逃避の果てには何も無いけど、逃避が守ってくれるものもあるんだ。でも、いつかは向き合わなきゃ行けない。おすすめ。読み易い方だと思います。

⑤短編その3「カノン的人生設定、愛について、一部抜粋。」
桜美林のGALAという演劇祭で、知り合いが4校のオムニバス公演をやるので、日大枠やってと言われて書きました。この中で一番若いときに、一番無責任に、一番テキトーに書きました。イベントに対する責任感の欠如が良い感じで作用したのだと、再評価したいです。「桜美林を出禁になろうぜ」と思って、生魚とかいっぱい使いました。平田オリザって書いた長靴を吊るしたり、観客を罵倒し、からみ、(今思うと本来かなり賭けなハズの行為ですが、無知故に? なんと賭けに勝ちました。拒絶とともに、心底褒めてくれた桜美林の子も居ました)
本番中、多摩美の先生だかなんだかが、「演劇なめんな!」というやたら通る声でヤジを飛ばし、「こんなことまじであるんだ」と思いつつ、足はブルブル震えているけど、精一杯そいつを笑いました。あまりに最高のタイミングだったので、見ていた知り合いはみんな仕込みだと思っていました。なぜかその人は最後まで見てました。ありがとう。

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