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ゲームは「着て」なんぼ【ゲームTシャツの変遷を探る】

※今回、実験的に有料記事にしています。とはいえ、本編そのものはすべて無料で読むことができます。記事をご購入いただくと、「お礼」と、どーでもいい「こぼれ話」を追加で読むことができます。もし、本編がおもしろかったならば、ご購入いただければ嬉しいです! 

Tシャツといえば、ラーメン屋の店員は、なぜ黒いTシャツを着て、頭にタオルを巻き、腕組みをしているのか?

その謎は、宇宙が誕生してからすべての事象や感情が記録されているというアカシックレコードにも記されておらず、真相はフリーメーソン幹部であっても、家庭教師のふくろう博士であっても、ましてやレイトン教授であっても、知る余地がない。

なので、今回は"ゲームTシャツ"の話をしたい!

\ゲームTシャツは、単なる"ぬののふく"ではない!/

ここ近年、街なかでゲームTシャツを着ている人をよく見るようになった。

説明するまでもないが、ゲームTシャツとは、ゲームキャラクターのイラスト、ゲームメーカーのロゴなど、ゲームに関連したなにかしらがプリントされている"ぬののふく"のことだ。

それこそ、ひとむかしまえは、"マニアやオタクが着るもの"というイメージもあったと思うが、最近、任天堂バンダイナムコエンターテインメントカプコンKONAMIなどは、自社IP(自社が作ったタイトルやキャラクターなど)のTシャツを公式販売している。

また、ソニーインタラクティブエンタテインメントもプレイステーションロゴをデザインしたTシャツやグッズを公式サイトで展開中だ。

そして、ユニクロ(UT)や、しまむら、ZARA、H&Mといったファストファッションとコラボレーション(ライセンス許諾)したゲームTシャツが話題になることも多々ありつつ、さらに、ちょっと毛色は異なるがルイ・ヴィトンやプラダ、グッチ、コーチなどのハイブランドが、こぞってゲーム系アイテム(ウェア以外にもバッグや財布など)をリリースしたことも大きなニュースになった。

2018年春夏コレクションに登場し、オンライン限定で販売されたGUCCYのスウェットシャツ。
ロゴのモチーフはもちろんSEGAフォント。
© Guccio Gucci S.p.A. - All rights reserved.

ゲームTシャツの歴史を遡ってみると、先駆けとなるのは、'80年代初頭にアメリカで大ブームを起こした『パックマン』(のTシャツ)だろう。

当時、その知名度と人気の高さから<'80年代のミッキーマウス>とまで称された『パックマン』だが、ゲームキャラクターのマーチャンダイズとして、数多くのTシャツがリリースされた。

その商品の数々は、盟友のライター・ポルノ鈴木が以前、下記のサイトで紹介しているので、ぜひそのコレクションを堪能してほしい(ちなみにこれらの記事は筆者が編集を担当)。

'80年代当時、もちろん日本国内でも『スーパーマリオブラザーズ』などのキャラクターがプリントされたゲームTシャツは存在していたが、どちらかと言えば、それは子ども・幼児向けであって、大のオトナがきちんと着られるようなものはほぼなかったと思う。

そういう意味でも、いま紹介したアメリカの『パックマン』Tシャツの数々は、単なる"ぬののふく"と思うなかれ、オトナのゲーマーの嗜好品(&ヴィンテージ品)として本当に貴重なものなのである。

\ゲームはカルチャーとして「かっこいいモノ」である!/

それから、"ゲームTシャツ"が日本国内で少しずつ浸透し始めたのは、'90年代に入ってから。

1990年にスーパーファミコンが発売され、その後1994年にはセガサターン、プレイステーションと立て続けに登場した時代である(なお、1994年は、3DO REALの発売も忘れちゃいけない)。

そんな'90年代の初頭、ゲームTシャツの先駆者(?)であったアメリカのストリートカルチャーにおいて、"かっこいいモノ・クールなモノのアイコン"として、ゲームを題材(ネタ)にすることが増えてきたのである。

たとえば、音楽シーンではゲームミュージックをサンプリングした作品が増え、ファッションシーンにおいても、ゲームをネタにしたTシャツやバッグ、腕時計などが多くリリースされた。

(なお同時期、日本国内においてもnendo graphixxがゲームネタのTシャツやウィンドブレーカーなどを展開してたが、その話はまた別の機会に)。

海外でのムーブメントのその要因には、1991年に発売されたメガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(以下、『ソニック』)の人気が、ひと役買っている。

『ソニック』は、北米版のメガドライブである<ジェネシス>の売上に多大な貢献をした作品だ。当時、どんなキャラクターがアメリカで支持されるのかをリサーチしたうえで、(本作のターゲットの)ティーンエイジが好む「かっこよさ」に焦点を合わせてキャラクターデザインが施されたとも言われている。

1993年発売の『i-D JAPAN』の表紙になった『ソニック』。
当時、一般紙でゲームキャラが表紙を飾ることは珍しく
ゲームカルチャーが世間に認められた瞬間である、といっても過言ではない。
© VICE MEDIA GROUP

ちなみに'90年代初頭、アメリカのストリートブランドのHAZE(ヘイズ)がSEGAロゴフォント風のTシャツをリリースしている。ゲームを"かっこいいモノ・クールなモノのアイコン"として使用された一例である。

筆者が'90年代に輸入アパレルを扱うセレクトショップで購入したHAZEのTシャツ。
いまもたまに着てます。

さらに、たぶんアンオフィシャルだと思うのだが、こんな『ソニック』のTシャツもリリースされた(下の写真)。

筆者近影。この『ソニック』のTシャツも'90年代に購入したもの。
一張羅(いっちょうら)として、「ここぞ!」というときに着ます。
こちらはストリートブランド、dub factory(ダブファクトリー)のTシャツ。
「ROCK」ではなく「FxxK」! これも’90年代に購入したもの。

\ゲームTシャツの魅力を広めるための普及活動!/

’90年代初頭、"ゲームTシャツ"が日本国内でも少しずつ浸透し始めたとはいえ、まだまだ海外製のものが多かった。

そんなおり、’90年代中盤ごろ、国内主導でゲームキャラクター等のグッズを専門に取り扱うショップ、"GAME SOUL(ゲイムソウル)"がオープンしたのである。

ライセンス事業を得意とするソニー・クリエイティブプロダクツが運営し、『ソニック』をはじめ、『パックマン』や『スペースインベーダー』、『バーチャファイター』、『ヴァンパイア ハンター』といった、ゲームTシャツやグッズなどが(ライセンス)展開されていたのは、筆者の記憶には新しい。

当時はまだ、ゲームTシャツはさほど一般的ではなく、それこそ文頭でも書いたとおり、"マニアやオタクが着るもの"というイメージも少なからずあったのも事実だ。

それでも、自分のなかではストリートアイテムとして「かっこいいモノ」と思っていたこともあり、当時の編集長に直談判し、『ファミ通』誌上でゲームTシャツやグッズの紹介記事を何回か作らせてもらったのである。

ファッション誌のようにモデルにTシャツを着させ、写真メインのレイアウトで構成しつつ、"マニアやオタクっぽさ"を払拭するような記事作りをしたのを覚えている。

いま見ると、時代(古臭さ)を感じる部分もあるが、そこは大きな目で見てもらいたい。

『ファミコン通信』(現・『ファミ通』)1995年7月14日号に掲載された、ゲームTシャツの記事。
筆者が企画・編集・執筆を務めた。一応、モデルさんの顔はモザイクいれてます。
© KADOKAWA Game Linkage Inc.
© KADOKAWA Game Linkage Inc.
© KADOKAWA Game Linkage Inc.

ちなみに当時の編集長から、「先日、『SPA!』の編集長と会う機会があったのだが、そのときに"ゲームTシャツの記事は先取りしていてヤられました!"と言われ、自分も嬉しかった」と、褒められたのはいまでも覚えている。

そういう意味では、(一般層に対する)ゲームTシャツの普及活動に少しでも貢献できたのかな、とも思いつつ、またそれが現在のゲームTシャツ人気(ブームとまではいかないけど、あって当たりまえの世のなか)に繋がったのなら、なおさら嬉しい!

なお、当時モノのゲームTシャツはいまでも大事にとってあるので、いつかそのコレクションをnoteで披露したいと思う(今回の記事の人気があるならば、近々にでも!)。

ちなみにフォローさせていただいているミキさんのゲームTシャツコレクションはなかなか圧巻なので、"ゲームT好き"な人はチェックですゾ👇。


<まとめページ>【ローリング内沢の】エッセイ・コラムいろいろ

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