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いま、民族音楽を知らなければならない理由【アイヌ音楽編】〜寅次郎の!音楽道(仮)〜

みなさん、こんにちは!寅次郎です!

民族音楽の魅力を伝えるとともに、未来の音楽を探究する連載企画!今回はアイヌ音楽特集です!アイヌは近年アニメの舞台になるなど、一部注目を集めています。

ただ、未だ謎多きアイヌ、そのアイヌで培われた音楽に今回は迫ります!かなり驚愕な事実にも遭遇しました!

という訳で、今回のテーマ!

【本日のテーマ】

新しいヒットの法則としての民族音楽的楽曲づくり(アイヌ音楽編) 〜アイヌ音楽の現在地〜

●アイヌ音楽の魅力、そして現代人とアイヌ

アイヌ音楽について、映画『ゴジラ』主題歌を手がけた伊福部昭(いふくべ あきら)はこのように表現しました。

アイヌ族にとつては音楽とは、音楽の発生当初の様に詩と踊りと音楽が混然一体となつた形、即ちバラードとして受けとられているのである。

この渾然一体とした物語性があるのが『アイヌ音楽』の魅力です。
アイヌ音楽は、単純に音楽だけ独立しているのではなく、詩や舞踊、そして自然や動物(動物の動きや鳴き声を真似るなど)といった様々な要素と繋ぎ合わさった独自の文化形態を持っています。

それであるが故に独創的であり、舞踊とも一体だからこそ一層全身で音楽を感じられるという学べる点が多くあります。自然や動物と一体の音楽などは本州では見かけることも稀有であり、ここに音楽発展の可能性を見出せるのではないかと考えられます。
※ただし、『文化に対する侵略になってはいけない』と当然共通認識を持たなくてはいけないことも敢えて書き記します。

今でも、そのアイヌ音楽はメロディーに乗せた口承文芸として若い世代にも受け継がれています

この記事ではアイヌ音楽について”お堅い座学”とは感じて欲しくないので、「アイヌ音楽とは何か?」「現代を生きる若い世代がどのようにアイヌ音楽と向き合っているのか?」、まずはアイヌの若い女性の視点から観てもらいましょう。
この動画を観た人が、アイヌと日本のこれからについて考えるきっかけになることを願っています。

アイヌとアメリカ先住民族が触れ合う貴重映像でもあります。
また、改めて考えさせられるのがアイヌには琉球同様に自然信仰や言霊文化があること、それはアメリカ先住民族とも通じることです。
アイヌと縄文人との繋がりが近年研究されており、大きな括りでの民族的価値観で私たちはつながっているのかも知れません。

それを証明するかのように、東京大学がアイヌ人と琉球人は遺伝的に最も近縁である事を発表しました。音楽的関係性以上に強い繋がりがあると言えそうです。

●阿寒ユーカラ ウタサ祭り2020 〜アイヌ音楽と現代音楽の融合〜

実際に、アイヌと現代音楽(ロックバンドなどともセッション)が融合された音楽イベント自体も開催され、アイヌ音楽の可能性が未知数であることが証明されました。

『阿寒ユーカラ ウタサ祭り2020』
結氷した阿寒湖の氷上で、2月15日、16日、2日間に渡って行われたウタサ祭りは、 アイヌ民族と和人が、互いの文化を理解し、互いの文化を通して交わり、 共鳴し、新しい文化を生みだす空間。子供から大人まで、民族間の垣根を超えた新たな交わりの生む奇跡の舞台となった。

出演アーティスト:
YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ)、GOMA、青山翔太郎、NUUAMM(青葉市子/マヒトゥ・ザ・ピーポー)、Kuniyuki Takahashi、Kapiw & Apappo、阿寒口琴の会、阿寒湖アイヌシアターイコㇿ唄い手・踊り手、GREEN Bou GRINBO ほか

本イベントではアイヌの伝統的な歌、古式舞踊、ムックリやトンコリなどの楽器、ユーカラ(叙事詩)などを主体に、国内外で活躍するアイヌ文化に共鳴するアーティストとアイヌアーティストが様々なライブでセッションを行いました。

※長尺のライブドキュメンタリーはこちら。

単純にアイヌ音楽と現代音楽を交互に演奏する訳でも、ただ単に同時演奏する訳でもなく、アイヌ音楽と現代音楽それぞれの楽器や演奏方法などの特性を理解し、それを活かしつつ高め合うようなセッション

純粋なアイヌ音楽でも単なる現代音楽でもない新境地・新たな音楽ジャンルに到達した実績は、多くのアーティストにとって音楽制作の大きな手本となるでしょう。いや、手本にしなくてはいけないかもしれません。

なぜなら、他のアーティストも連鎖的にアイヌ音楽と現代音楽の垣根を超えるような動きを見せない限り、真に音楽的交流が果たされたと言える日が来ないのですから。

▼「阿寒ユーカラ ウタサ祭り2020」再生リストはコチラ。

●ソーラン節

他にもアイヌ音楽が本州で親しまれた代表的なケースもあります。
『ソーラン節』です。
全国で認知され運動会の演目などでも親しまれている『ソーラン節』も昭和10年に札幌の民謡家・今井篁山(いまい こうざん)が三味線の伴奏に合うように整えたものであり、アイヌ音楽を現代でも親しまれる形に工夫して変えた代表例です。
舞踊と音楽が一体となったアイヌ音楽を、実は多くの本州の人が既に体験しているのです。


●アイヌ音楽と奄美民謡の邂逅 〜Amamiaynu〜

北を代表するアイヌ音楽が、南を代表する奄美民謡とコラボするという夢のような現象が近年起きました。
それが、『Amamiaynu』というコラボレーションプロジェクト。

2003年にアイヌの伝統的歌手・安東ウメ子(2004年逝去)と奄美民謡の第一人者・朝崎郁恵が奄美大島の海の見える小高い丘のステージに一緒に立ち貴重なセッションをしたこをきっかけに、13年の時を経てもこの歴史的な共演を忘れられない朝崎郁恵からの声がけでスタートしたとのことだ。
(ニュースリリースより抜粋)

日本を代表する民族音楽でありながら、距離的な理由もあるかもしれませんが交わることのなかった音楽同士の共演。
アイヌ音楽とも奄美民謡とも言えないものの懐かしく、そして全く異質な民族音楽に聴こえる『Amamiaynu』の楽曲は是非とも体験して欲しいと思います。

リンク先で無料視聴出来ます!

これは、現代音楽の地平線上に民族音楽が交わることで未だかつて無い未来の音楽が生まれる可能性を証明したかもしれません。

●まとめ そして先出し動画!アイヌ音楽と・・・

いかがでしたでしょうか!

アイヌ音楽について紐解いていくと、琉球音楽やアメリカ先住民族・縄文人と繋がることや現代音楽を進化させる可能性を秘めていること、日本発の新たな民族音楽の誕生など様々な発見があったのではないでしょうか!?

ちなみに、民族音楽の旅はまだ続きます!

ここで、次回記事にて紹介予定の動画を先出し公開します♪
今度扱う別の民族音楽とアイヌ音楽との繋がりを感じさせる貴重な映像です。
一体どういうことか、次回の記事で詳しく触れていきます。お楽しみに!
それでは次回!


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