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【高崎駅前2美術館ハシゴ】渡辺おさむ スイーツプラネット&日本美術×グラフィックデザイン

群馬県高崎市

群馬県は公立美術館が豊富な印象だ。
群馬県立近代、県立館林、太田市美、高崎市美術館、高崎タワー美術館、前橋アーツ…などなど。

ここ最近群馬を巡る機会が多くあり、どこの美術館も結構賑わいを見せている。
身近な人が見に行く→企画が魅力→さらに人を呼ぶ と言う循環ができているのではないか?と。

とはいえ、今回は初めて高崎駅に降り立ったので、高崎の街の東西にある美術館へ行ってみた。

高崎市美術館 

渡辺おさむ お菓子の王国II(会期終了)

2ということは1があった様子だ。

概要

柔らかなホイップクリームやカラフルなマカロンで埋め尽くされた動物や魚たち、建物、シャンデリア。「お菓子には誰もが幸せな記憶を持つ」と語る渡辺おさむは、食品サンプルの技術を用いて、あらゆるものにスイートでハッピーなデコレーションを施します。
2014年に高崎市美術館で開催し大きな反響を呼んだ「渡辺おさむ お菓子の王国」から10年を経た今回のパートIIでは、「お菓子の水族館」、「お菓子の晩餐会」など展示室いっぱいに広がる新シリーズや、高崎の街中で光を放ってきたアートプロジェクト高崎の出品作品など、渡辺の多彩な制作を紹介します。渡辺おさむが生み出す多幸感あふれる別世界に、あなたも足を踏み入れてみませんか。

高崎市美術館



これはもう、工芸の域というか、パティシエ的だから「職人技」という表現も間違ってないかも。
なんか、可愛い文脈の方かな、と思って見始める。
でも青山悟さんの刺繍も一見手芸的方向から入ってすげえパンクなところに落とし所があったから多少警戒はする。ただ可愛いで終わらないはずだぞ…美術館だし…

あ、はい、こういう世界観ね
フォトスポットは順番待ち。
幼少期から全く通らなかった道だが見るのは楽しい。

ところが、段々目がゲシュタルト崩壊して、単なる、「お菓子かわい〜!」だけに留まらない、ある意味狂気を感じてくる。やはりなんか、ヤベぇの観てるのかも。

ギャッ…
高崎と言えばダルマだけど…これは…



私は高崎市美術館所蔵作品とのコラボの展示と旧井上房一郎邸に展示された作品がツボだった。

所蔵作品コラボの作品は残念ながら撮影禁止だったが、その部屋にあった日本画をデコレーションした作品がサイケデリックだった。

伊藤若冲のあれ 右
拡大。ホイップとモナカ
ロールケーキ。もうここまでくると、クリームというよりしぼりの着物地に見える。


目が、やられる。


リキテンスタインの「ヘアリボンの少女」のドットがすべてホイップクリームの点で表現されていた絵画がありウワッっとなりながらも面白かった。
いつか現代美術館の本物と並べて欲しい。


あまり、東京では見てこなかった作品ジャンルなのでこの高崎との地域密着作家というか高崎が推してる感じ、面白い。
やはり青山悟さんの刺繍の世界に通じるものがあるかも。手芸的方向から見ると。

風神雷神
風神の袋、大福じゃないか


美術館の内装

高崎市美術館は縦に長い。1階から3階までの展示室で構成する。

吹き抜けです



展示室一つ一つは広い空間ではないものの、廊下に展示したり工夫しながら展示している様子だ。

上から


ちゃんといい椅子を置いてる


企画展が大々的に行われているから所蔵品は見れないかな、とあまり期待しないで行ったら、企画展とのコラボで見たかった作品が全部見れて嬉しかった。
リキテンシュタイン、ロバート・インディアナ!アメリカンポップ!


旧井上房一郎邸



概要

旧井上房一郎邸は、本市の文化振興に大きく貢献した井上房一郎の自邸として建てられました。音楽センター設計者の建築家アントニン・レーモンドの建築スタイルを取り入れたもので、戦前・戦後を通じて交流した井上とレーモンドの友情の証でもあります。 2010(平成22)年2月、高崎市景観重要建造物第1号に指定され、同年4月1日から高崎市が一般公開しております(高崎市美術館の開館日に公開しています)。

旧井上房一郎邸について


この井上房一郎氏のお父さんはあの高崎観音を建立した方だそうだ。
高崎の美術、芸術の振興に貢献したという。
高崎市美術館に隣接していて企画展の入場券で入れる。

庭もよい。
あぁ、良い雰囲気ですね。


書がありますね…
あ、作品だった!
こちらにも。
あのダルマは…
床の間にデコダルマ



その空間に現れるデコレーション達磨。
このシュールさは好きだ。


高崎タワー美術館


日本美術×グラフィックデザイン/高崎市タワー美術館


さて続いて。
高崎タワー美術館は高崎駅の東口にある。
街の賑わいは西口側なのでやや静か。
しかしアクセス抜群、駅出口を出て3分も歩けば到着である。三鷹市民ギャラリーみたい。

ビルの3、4階フロアにあり、こちらは広々とした空間だった。
所蔵作品を企画で見せる展覧会を行っており素晴らしい!
ここでしか見れない物を観れるのは至福のひと時だ。

今回の展示の方向性は日本画中心。そこへ、高崎市出身のグラフィックデザイナーの佐藤晃一氏の作品を織り交ぜながら「日本的な表現とは?」を見せていく。

何よりこの展覧会の収穫は勅使河原監督の映画「利休」のポスターが見れたこと。
これ、実は脚本が赤瀬川原平さんなんですよね。バッチリデザインとして構成されている「脚本・赤瀬川原平」の文字が見れて良かった!

このポスターの展示がある事は全く知らなかったので展示室で「おお〜!」と1人テンションが上がってしまった。

展示室内は一部のみ撮影可。

富士山テーマ
シンプルな壁

さてこの高崎タワー美術館、山崎誠三の日本画コレクションの収蔵・展示を目的とした山種グループの私設美術館だったが運営難のため、収蔵作品を高崎市に寄贈し「高崎タワー美術館」としてリニューアルオープンしている。
こんな事例もあるのか。

高崎といえば焼きまんじゅう


大好物である。餡の入ってない、パフっとしたやつが好きだ。
高崎市だし、駅周りに店あるかな〜と探したらあった。
煤けた良い匂い。
これをお昼ごはんにしちゃおう、という訳です。

イートイン席。
実は焼きそばもこの店の名物だそう。


あまじょっぱくて最高だった。1串200円。もっと郊外に行くと1串160円の店もあるけれど、まあ充分破格。上里サービスエリアで1串3〜400円なことに比べたら。

さぁ、腹ごしらえも済んだので、ここから先日投稿した伊香保の原美術館の話へ繋がる訳です。


この日は高崎祭りが開催されていて、夕方から大通りは大賑わい。皆、楽しそうだったな。

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