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【何も言わない美しい風景】マイケル・ケンナ写真展 JAPAN / A Love Story 100 Photographs by Michael Kenna  代官山ヒルサイドフォーラム

10代の頃から好きだったある風景写真。マイケル・ケンナ氏の作品だと知ったのは30代後半だった。
好きな写真だが子供がゆえ、それ以上調べる方法がなかった&Wikipediaもない時代の話だ。
フォトグラファーの名前の記載はあったと思うがではその名前を深く調べる手立てが、インターネットが発達する2000年以降までなかった。

大人になり、そーいえばあの写真の撮影者って…思い出して調べていくと、東京都写真美術館で展覧会があったり、柴田敏雄氏と展示をしたりしているではないか。
そして今回、展覧会を見に行ける機会が巡ってきた。

入場無料です



今回はマイケル・ケンナ氏が撮った日本の風景の展覧会である。
息を呑む、息を潜めて眺めたくなる、そんな写真。

版画のよう。
美しい



モノクロームで映し出される風景にはあまり時代性がない。
自然が被写体だからかもしれないが、それこそサイレントな写真だ。
滑らかな画面。

そんな中でも簾の写真があり、英語タイトルには「Blinds」と記載があったのでなるほど!と思った。

ブラインド、というと刑事ドラマで隙間から見るアレを…以下略



この写真は、柴田敏雄氏にも通じるものがあるな。一緒に展示をしたのもなんとなく納得である。



ちなみに好きだった写真はサンフランシスコ近代美術館に収蔵されているこちらの写真。
イギリスの風景。1983年の作品。

なんか見覚えのあるな?思う方もいるのではないだろうか。

オチとしては1992年12月発売のB'zの「FRENDS」というミニアルバム(「いつかのメリークリスマス」収録アルバム)のCDジャケット・及び歌詞カード内に使われていた写真である。

こちらである。
まだ販売元がBMGビクターだった頃の代物。

いっつもパワー!みたいなジャケットが多い中、後にも先にもこのフラットな静けさのジャケットはない。グループのロゴがなければクラッシックのCDのようだ。
歌詞カードにもどこにも本人達の写真の掲載はない。当時まだアイドル的人気があった頃だがそれを考えるとなかなかコンセプチャルな挑戦をしてたんだな。

見開き。左にスタッフクレジットが掲載
中の写真は今回の展覧会の写真に通じる様な木の写真だ。
参加ミュージシャンのクレジットにまじり、
ケンナ氏の名前が入っている。
よく見たら写真のタイトルまでしっかり載っていた。


展覧会を見に行った日、会場にケンナ氏が来日していた。
東京都写真美術館で行われた展覧会の図録が販売されていたので迷わず購入し、御本人のサインを頂いてきた。
憧れ続けた風景の撮影者に会い、カタコトの英語だが言葉を交わせて嬉しかった。

このCDジャケットを眺めていた11歳の自分に、「あなたは、この写真撮った人に会えたよ、言葉を交わせたよ」と伝えたい。

サインをもらった写真集にもこの写真は掲載されていた。
いつかこの作品も来日orどこかの美術館が収蔵してくれないかな。

因みにFRIENDSの中のベストソングは「いつかの〜」ではなく「恋じゃなくなる日」だと思っている。


追記

ご質問頂いたので。
好きだった写真の
Deckchairs, Bournemouth, Dorset, England, 1983,
というタイトル通り、真ん中に写ってるのはデッキチェア。モノクロだとかっこいい何か絵画の額縁に見えますが…
Googleマップで写真の撮られたであろうBournemouthの風景を探した時、いま現在も全く似た様なデッキチェアが置いてある風景に遭遇し、ちょっと感動した。

Googleマップのストリートビューの様子

写真の様な湾曲した柵も勿論ある。
次の夢はこの写真の撮影地か…?

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