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【ウェルカム里帰り】静嘉堂文庫美術館「饒舌館長ベスト展」


なんと、閉館したはずの世田谷区岡本の静嘉堂文庫美術館が1週間だけ開館するという噂を聞きつけて5月21日の日曜日に行ってきた。

しかも、展示タイトルがなんだかおかしい。
饒舌館長ってどういうこと?
ちょっとおちょくってる?
と思ったら、自ら饒舌を名乗ってらっしゃる素敵館長の80歳のお祝いに、というほんわか企画展。

某画像系SNSのフォロワーさんが初日のギャラリートークの感想を上げていたのだが、
饒舌館長御本人登場で解説が始まり、閉館時間とともに打ち切りで終了、という饒舌館長の面目躍如のイベントが行われたとのこと。
面白そうだなー!

ここは最後の展覧会以来の訪問。
久々に行ってみようということで、子供と一緒に再訪。
やはり、あまり告知がなかったせいか、館内は割とのんびりと見ることができた。しかし前日のギャラリートークは人がいっぱいだった様子。
最後に来たのが移転前最後の展示だったので、それもあって混んでいたのですよね。
なんとなく、お帰りなさい、というか里帰りを見守る様なそんな気持ち。

と、のんびり見始めたのですが。
酒井抱一「波図屛風」。
おー!これは。。。。
一面、銀色に黒い波。かっこいい。文句なしにかっこいい。
波、なのだけどちょっと松にも見えそうな波しぶき。
金屏風じゃなくて銀屏風。
これを、独り占め感満載で鑑賞することができた。
なんとも贅沢なひととき。

そして、サントリー美術館で見逃していた木米。
こちらで1点みることができました。
もりもりした縦長の画面。
なんか、こう、日本昔ばなしの世界感だな。
思えば、あのアニメーションって誰が作っていたのだろうか。
水墨画や文人画の既視感や懐かしさって幼い頃に見たアニメーションの馴染みがあったのかもしれないな、など思い浮かべる。
日本の昔話を土曜日の7時に放映する時代。
今から思うとなかなかのものだ。

このような掛け軸の風景に小さくとことこ歩く人が描かれていたり。

こういうのがたまらなく好きだ。

そう言えば、安野光雅氏の「旅の絵本」シリーズも好きだったなぁ。
なんて思っていたら、子供たちも画面に描かれている人を見つけるのが好きな様子でぼそっと「あ、あそこにいるねぇ」とかぶつぶつ言っていた。

なんか、こう窓から風景を眺めている様な気分になれる。そしてその窓から人を見つけておーい!と手を振りたくなる様な。
なんだか、そんな気分で見ている気がする。


アーツ・アンド・クラフトの文字。
ウィリアムモリス柄好きな次男、大歓喜。



展示室から出てきて、フーッと一息つく。
静嘉堂文庫、岡本は国分寺稜線の崖の上なので窓の外は、水墨画の様な風光明媚、までとはいかないけれど、高さを感じる眺めの良さ。鳥の囀りも聞こえる。真下の保育園では運動会が開かれていた様子で人の気配も感じる。

一年に一度でも良いから、またここで展覧会をして欲しいなと展覧会を後にした。

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