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足の外側に乗るのがいいの?内側に乗るのがいいの?

先日、長年の友人から、
「今とあるテレビ番組で、距骨とか足のことやってるんだけど、いまいちどうしたらいいかわからなくて」
と連絡が。

見ていなかったので、後からアプリでチェックしてみると、その時はムクミについての特集だったようですが、その中で、いかに足首の動きが大切で、足首の関節を作っている距骨が大切か、という感じで紹介されていました。

…で、距骨を活かすためには、足の小指側に乗るのが大切だぞ、と。

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*ピンクの矢印が指してるのが距骨。青矢印は踵骨*

友人が混乱したのは、
・自分は普段脚が外股になるから親指側に乗りたい
・でも小指側に乗るようにテレビでは言っている
という矛盾してしまった点。

番組の情報も正しいけれど、友人のようなケースもある。ということで、どっちに乗るのが良いのか、どうしてそう言われるのか、どうしたらいいのか、なんてことを書いていこうと思います。

①足の外(小指)側に乗るのと、内(親指)側に乗るのと、いったいどちらがいいのか

正直なところ、これは個人差がとても大きい!!一概に「誰しもがこうすれば良い!」という方法はないんです。

例えば、私の友人の場合、つま先を外に広げたような、脚を外旋させて歩く癖があるので、彼女にとっては、小指側にあえて乗ろうとするのはマイナス。

が、しかし、彼女が親指側に乗ろうとすればいいかと言うとこれもまた違う。

教科書としては、もちろん、歩いている時に足が地面についたら、“いわゆる”足の外側に乗り、そこから自然に横のアーチを通って内側に乗って、最終的に親指あたりで地面を送り出す、というのが正解。

なんですが、これは、本来、“自然に起こる”現象なだけなんです。ある程度、足をはじめとした身体のバランスがとれていて、うまく動いてくれていたら、勝手にそうなる。

なので、自然にそれが起こってない場合、足であったり、他の身体の場所であったり、バランスであったり、何かしらがうまくいっていないことが考えられるので、私としては、一度プロに見てもらうのが一番安全で効果的かな、と思っています。

②外(小指)側に乗るように言われる理由と、それが必要なタイプ

足のアーチは簡単に説明すると3つ。外側、内側、横側。内側のアーチは、よく“土踏まず”と呼ばれるところです。

外側のアーチは、踵(かかと)の骨から始まっているんですが、番組で出てきた“距骨”は、この踵の骨の上に乗っかっているんです。そのため、

外側アーチに乗れてない
→踵の骨のポジションが崩れる
→上に乗ってる距骨はバランスを崩してしまう
→足首の動きの制限に
→動きが少なくなるため、むくみにつながる

というニュアンスで、番組では紹介されていたのだと思います。

そして、距骨は内側アーチの仲間なので、

踵の骨のポジションが崩れる
→距骨のポジション崩れる
→内側アーチが機能しにくくなる
→外反母趾などのリスクがアップ

という感じで、たしかに外側アーチを使えていないことでのマイナス面は多い。

外側アーチを使えていないと、結果として内側のアーチに体重が乗り過ぎるようになります(日本人には多い印象)。これは靴を見ることでも確認しやすく、靴の内側が変形しやすかったり、靴の踵の内側が減っていたりしたら、危険サイン。外反母趾などもこれが理由で起こりがちです。

そんなタイプの人には、たしかに外側に乗ることを意識してはもらいたいんだけれど、靴に影響が出たり、明らかに外反母趾の状況の場合、外側に乗るようにしたからと距骨のポジションが改善するわけではなかったりするので、ぜひ一度どんなプロでもいいので見てもらうのがおすすめです。

靴が変形したり、靴のかかとの内側が減ったりはしてないけど、ちょっと親指の付け根が痛むことがあるな、とか、どちらかと言ったら内に乗りやすいかも、という方は、外側に乗る意識をしてもいいかもしれませんが、ポイントがあるので、④を必ずチェックしてください!

③内(親指)側に乗った方がいいと思われがちな理由と、それが必要なタイプ

今回は“外側に乗るのが良いよ!”という番組でしたが、内側に乗る、もしくは親指での地面の蹴り出しをおすすめされることもメディアではあったりします。

こちらも、最初にちょっと書いたように、確かに、歩く時、足が地面から離れる瞬間は親指が地面を送り出すのは事実。ですが、「親指で地面を蹴らなきゃ!」と、その意識のしすぎで、②で紹介したような距骨のポジションが崩れる状況に陥っていくこともあるんですよ!

そして、昔からなにかと、「靴のかかとの外側が減ってはいけない」という都市伝説も!!

ここまで書いてきてると、お気付きかもしれませんが、靴のかかとの外側が減るのは普通です。逆に内側が減っていたら早急に対処が必要。ただ、外側が減るのが普通とはいえ、“減りすぎ”は問題。何をもって減りすぎかはこれまた個人差がありますが、あきらかに自分の靴の踵の外側の減りが周りよりダントツでひどい!となれば、一度プロに見てもらうのも良いかと思います。

そんな都市伝説により、「あ!外側が減ってる!内側に乗らなきゃ!」と思ってしまい、これまた②の距骨ポジション問題に陥っていくこともあります。

最終的に親指側に乗るのは事実ですが、これもまた、本来自然に起こる現象。意図的にやったからと健康的な変化には繋がりません。

内側に乗ることを意識した方がよいタイプには、例えば私の友人のように、普段足先を外に向けて歩きがちなタイプの人が当てはまります。ただし、繰り返し書いているように、内側に乗るのを意識し過ぎるとおかしくなりがちなので、意識の仕方がポイントです。

④じゃぁ、どう意識する?

内側に乗りがちな人は外側、外側に乗りがちな人は内側。そんな簡潔だったらわかりやすいんですが、そうもいかないのが身体の大変なところ(でもあり、面白いところ)。

内側に乗りがちな人が外側を意識し過ぎると、外に乗りすぎ、体重が外にかかり過ぎて脚のラインが崩れたり、今度は内側に乗れなくなったり。

外側に乗りがちな人が内側を意識し過ぎると、内に乗りすぎ、外に乗らなくなって、外反母趾に向かってしまったり。

なので、“どちらも感じられるところに乗る”というのがおすすめポイントです。

できるエクササイズとしては、
立った状態で、足の外側に乗ってみたり、内側に乗ってみたりしたら、その中間地点くらいを狙います。そのエクササイズを、気づいた時にやる、ということを1日に何回か。

大切なのは、一度チェックした時に感じた中間地点が、何時間か後にチェックした時と同じ場所ではないこともあるので、毎回必ず“その時の”中間地点を探す、ということ。

そして、そんなこと歩きながらは難しいので、まずは立ってる時だけやるのもおすすめ。歯磨きしてる時、信号待ちしてる時、エレベーターを待ってる時、電車を待ってる時…。探してみると、ただ立ってる時ってそれなりにあったりするんです。

⑤まとめ

身体はみんな違います。足の外側に乗るのを意識した方が良い人、内側を意識した方が良い人、そしてその度合い、いろんなケースがあり、正解は1つではありません。

今回、外側に乗ると良い理由、内側に乗るのが良いと言われることがある理由、そして、それぞれどんなタイプの人がそうなのかをざっくり書いてみましたが、私が伝えたかったのは

どちらかに偏って乗りすぎない!

この一言に尽きます。本来、自然に起こる現象を力任せで起こしても、健康はやってきません。外に乗りたいのに内に乗ってしまう、内に乗りたいのに外に乗ってしまう、そういう人には足の体重の乗り方以外に、必ず何かの原因があります。

膝の向き(=大腿骨の股関節の中での状態)、骨盤、背骨、肋骨、肩周り、歩き方、腕の使い方、姿勢、などなどなど、身体は全身でバランスをとっていますからね。

その中でも足は立っている時の土台。ここの状態が気になる方は、一度プロにチェックしてもらってください。

最近では足の専門医もいたり、知識のあるトレーナー、インストラクターなど運動指導者でも大丈夫です。今回紹介したエクササイズの“中間地点”のようなところを知りたかったり、足以外のどこがどう影響してるのか気になる方はロルフィング®︎もおすすめです。(NPO法人ロルフィング協会・施術者検索こちら

余談ですが、運動指導だけで変わるものもあれば、施術などでしっかり触れてもらうことで変われるものも。そしてロルフィングのように日々の身体の使い方もふまえていくことで変化がしっかり定着するものなど、いろいろあります。

合う合わないもあるし、いろいろ試しつつ、兎にも角にも、AだからBというように偏り過ぎないことが大切です。年月をかけて至った身体の現状。ここを変えていくのが瞬時にできたら楽ちんですが、本当の変化はじわりじわりとやってきます。

◆◇古い記事たちですが、関連記事◆◇◆◇◆◇◆◇

『扁平足、不安な時はここをチェック』
https://ameblo.jp/rolfer-yuki/entry-12636008526.html

『足のアーチは機能が大切』
https://ameblo.jp/rolfer-yuki/entry-10893709198.html

『かかと、ありますか?」
https://ameblo.jp/rolfer-yuki/entry-11597561411.html

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