Big Bang Theory S2Ep5 アメリカのニュータイプ=Homo Novus は車が運転できない謎

本投稿タイトルは記事用です。ドラマの正式なタイトルはこちら。

The Euclid Alternative:オタク青年と運転免許の法則
アメリカでの放送日:2008年10月20日

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

日本語タイトルは毎度のことながら、エピソードの内容をそのまま伝える感じですが、英語版は「The Euclid Alternative」。「ユークリッドの代替案」。たしかにエピソードにはユークリッドの名前はでてきますが、幾何学や数学や物理とは何の関係もありません。普段は遠回りだけれども速度制限のためのバンプ(こんな感じのやつ)がない「Los Robles Avenue」を使っているのに、シェルドンに頼まれて大学まで乗せていこうとしたペニーは「Euclid Avenue」の別ルートを取ったことに由来します。

Title Reference: When in the car with Penny, Sheldon says to Penny "You're going up Euclid Avenue? Leonard takes Los Robles Avenue."

https://bigbangtheory.fandom.com/wiki/The_Euclid_Alternative#Notes

日本語のタイトルには、ユークリッドの「ユ」の字も出てきませんが、毎度毎度の中身をほぼネタバレしてしまうタイトルとなっています。

あらすじ

レナードが大学のレーザー設備を使った実験が夜間しかできないため、夜勤のように夜間に大学で実験して朝自宅に戻るため、それまでのようにシェルドンを乗せていけなくなった。レナードはシェルドンに、大学への通勤は誰かに頼めと言ってあったにも関わらず、シェルドンは全く意に介さない。
それでも実験で疲れたレナードは自分は寝るといって寝室にこもってしまう。
仕方なくペニーにお願いして大学まで乗せて行ってもらうことになったのですが、シェルドンとレナードがいつも通勤で使う遠回りでも速度制限をするバンプがないロス・ロブルス・アベニューではなく、バンプがあっても距離が近いユークリッド・アベニューに進路を取る。案の定、バンプにぶつかるたびにはね上げられるシェルドンはペニーに対して…

冒頭のシーン

レナードとシェルドンの部屋。レナードがドアを開けて鍵を置くなりソファーにばったりと倒れこむ。
そこに鞄に何かを詰め込みながらシェルドンが現れて、スターウォーズシーツを買っては見たもののダースベーダーの視線が気になって良く眠れないから返品するので出勤前にポッタリー・バーンに寄ろうとレナードに話しかける。

Sheldon: Yeah, we’re going to have to stop by Pottery Barn on the way to work, I bought these Star Wars sheets but they turned out to be much too stimulating to be compatible with a good night’s sleep. I don’t like the way Darth Vader stares at me.
(そうだ、出勤の途中でポッタリー・バーンに寄らなきゃ。スターウォーズのシーツを買ったんだけど、快眠のお供にするには刺激が強すぎるんだ。ダースベーダーが凝視しているからね。)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-5-the-euclid-alternative/

シェルドンがシーツを買った雑貨屋:Pottery Barn

英語のセリフでPottery Barnの部分、Amazonプライムビデオの字幕では「雑貨屋」となっていましたが、このサイトの作りは雑貨屋には見えませんね。

IKEAとは違うのでしょうが、日本で言ったら大塚家具とか低めに見積もったとしてもニトリとかそんな感じじゃないでしょうか?少なくとも雑貨屋という感じではないと思います。また、カリフォルニア工科大学のあるパサデナで調べると、確かに大学の近くにPottery Barnがありました。一つぐらいなので、たぶんこの店舗なのでしょう。

パサデナのPottery BarnからCalTechまでの道のり

パサデナのポッタリー・バーンのビルもこんな感じですし。雑貨屋にはちと大きすぎますね。

Darth Vaderのシーツ

シェルドンが持っていたダースベーダーのシーツは、ざっと調べた限りでは日本のAmazonでは、そもそもダースベーダー&シーツでは何も出てきませんし、アメリカのAmazonでもシェルドンが持っているデザインのものは見つかりませんでした。

しいて言うならこの商品の枕みたいな感じでしょうが、たしかにこの枕で快適に入眠できるかは別問題ですね。ダースベーダーが凝視する方向とは逆にしても興奮して寝付けなさそうです(笑

このあとレナードが事前に大学には乗せていけないから別な人を探せと言ってあったにも関わらず、シェルドンは何もせず相変わらずレナードに乗せて行ってもらうつもり満々。夜勤明けのレナードにさあ行こう!と言いますがレナードは無視。

シェルドンとバスとバンジーコード

困ったシェルドン、レナードにどうやって大学へ?と聞くも、子供じゃないんだから自分で考えれば?と思っていたら、まさにそんなニュアンスの会話になってて笑うしかありませんでした。

Sheldon: But how am I going to get to work?(じゃあ、どうやって大学に行くの?)
Leonard: Take the bus.(バスに乗れば)
Sheldon: I can’t take the bus any more. They don’t have seatbelts. And they won’t let you lash yourself to the seat with bungee cords.(もうバスには乗れないんだ。シートベルトはついてないし、バンジーコードで席に固定することもやらせてくれないし)
Leonard: You tried to lash yourself to the seat with bungee cords?(バンジーコードで席に固定しようとしたって?)
Sheldon: I didn’t try, I succeeded. For some reason it alarmed the other passengers and I was asked to de-bus.(しようとしたんじゃない。ちゃんと成功したよ。でもなんでかそれで他の乗客を驚かせてしまって、バスを降りるように言われちゃったんだ。)
Leonard: Oh, you’re a big boy, you’ll figure it out.(もういい大人なんだから、自分でなんとかして)
Sheldon: Don’t talk to me like I’m a child. Now, take me to return my star wars sheets!(そんな、子供相手みたいに言うなよ。ほら、スターウォーズのシーツ返すのに乗せてってよ)

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最後のセリフはもう「これぞお子さま発言!」って感じのオチでした。

ところでバンジーコードなんていうから「バンジージャンプで使うような長いゴム紐でも持ち込んだんか?そりゃ驚くな」と思ったのですが、自転車の荷台に括り付けるようなゴム紐も「バンジーコード」と呼ぶようです。

レナードに断られたシェルドン。一番近い隣人、ペニーのところに向います。 

ペニーはシェルドンのバス・バンジーコード事件を知ってた?

そしてまだベッドでゴロゴロしてたっぽいペニーを呼び出して「私を大学へ連れてって」を、割と命令形にちかい「You have to drive me to work.」とか言ってしまう。
当惑するペニーはもちろんそんな必要ないと答え、バンジーコードでやらかさなきゃバスにも乗れるわと返事してるんですが、レナードも知らなかったシェルドンのバス・バンジーコード事件、どうしてペニーは知ってるんでしょうね?

どこかでやってほしかったですね。記憶ではそんなシーンはなかったんで。

Sheldon: (Knock, knock, knock) Penny, (knock, knock, knock) Penny, (knock, knock, knock) Penny…(ペニー、ペニー、ペニー)
Penny (opening door): Sheldon, what is it?(シェルドン、何なの一体?)
Sheldon: Leonard’s asleep.(レナードが寝てるんだ)
Penny: Thanks for the update (begins to close door.)(そりゃどうも)
Sheldon: No, wait. You have to drive me to work.(いや、ちょっと待って。僕を大学に乗せて行く必要がある)
Penny: Yeah, uh, I really don’t think I do.(はい?えっと、そんなこととないと思うけど。)
Sheldon: But I don’t drive, and I can’t take the bus.(僕は運転できないし、バスにも乗れないんだ。)
Penny: Yeah, honey, you’ll be fine as long as you don’t do that bungee cord thing, okay?(あのね、バンジーコードでなんかやらかさなきゃ大丈夫よ)

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ペニーはお友達?

バンジーコードを持たずにバスに乗れば大丈夫と突き放されたシェルドン。今度は友達攻撃を始めました。
このセリフがすごい。

Sheldon: Penny. Didn’t you recently state that you and I are friends?(ペニー。最近、僕らは友達だって言ったよね?)
Penny: Yes, Sheldon, we are friends.(そうね。シェルドン。友達よ)
Sheldon: Then I hereby invoke what I’m given to understand is an integral part of the implied covenant of friendship. The favor.(それでは、これにより友情の暗黙の了解と不可分と当方が理解しているものを行使します。お願い。)
Penny: Oh, dear God.(ああ、神様!)
Sheldon: I’m sorry, I didn’t realize I was interrupting your morning prayers. When you’re done, we’ll go. (すまない。朝のお祈りの時間を邪魔したことに気が付かなかった。終わったら行こう)

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休みの日に運転手にさせられたペニー

「友人関係に含まれる暗黙の了解である権利=お願い」を行使されてしまったペニー。
仕方なくシェルドンを乗せて大学に行きますが明らかに不機嫌。ペニーはシフトが入っていなかったようで「休みの日だったのよ=邪魔されたくなかったのよ」と言ってるにも関わらず、シェルドンは「じゃあ自分を連れて行くのにふさわしい」と理解誤解しているのはツッコミどころ。
ふとインパネにエンジンの点検ランプがついているのを発見したシェルドン。バスにシートベルトがないことすら揉める彼がそれを放っておくはずがありません。

Sheldon: Thank you for driving me to work.(乗せてくれてありがとう)
Penny: You know this is my day off, Sheldon.(今日は休みだったのよ。シェルドン)
Sheldon: Oh, good. I’m not keeping you from anything. Your check engine light is on.(そりゃよかった。邪魔にならなかったね。エンジンのランプがついてるよ。)
Penny: Mm-hmm.(うん)
Sheldon: Typically that’s an indicator. To, you know, check your engine.(それって何かの印で、エンジンを点検しろってことだよ。)
Penny: It’s fine, it’s been on for, like, a month.(大丈夫だって。もう1か月もこんなんだから)
Sheldon: Well, actually, that would be all the more reason to, you know, check your engine.(あの、それってますますエンジンを点検しなきゃ)

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ここからさらにエンジン・インジケーターについてメーカーが取り付けている意味やら、コーヒーを飲むとアルコール摂取と同じくらい注意力が散漫になるといったシェルドンの「小さな親切=大きなお世話」が焼かれます。

ユークリッド通りかその代替案(Alternative)か?

そうこうするうちにペニーが道を左に曲がると、シェルドンが「ユークリッド・アベニューを通るの?」ということで、通常レナードと通る「ロス・ロブルス・アベニュー」まで出てきて英文タイトルを回収します。

Sheldon: You’re going up Euclid Avenue?(ユークリッド・アベニューを通るの?)
Penny: Mm-hmm.(うん)
Sheldon: Leonard takes Los Robles Avenue.(レナードはロス・ロブルス・アベニューを行くんだけど)
Penny: Well, good for Leonard.(それは良かったわね)

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このユークリッド・アベニューもロス・ロブルス・アベニューも確かにカリフォルニア工科大学の近くにあります。

下図の右上にカリフォルニア工科大学があり、左側の赤い道路がユークリッド・アベニュー。その右隣にあるのがロス・ロブルス・アベニューです。
グーグルマップで見るとどちらも「サウス」がついていて、カリフォルニア工科大学の北側に走るのコロラド・ブリバールの上下で南北が分かれており、それぞれノース・ユークリッド・アベニューとノース・ロス・ロブルス・アベニューがあるようです。(下図にはコロラド・ブリバールは表示されていません。)

CalTechとユークリッド・アベニューおよびロス・ロブルス・アベニュー

ユークリッド・アベニューのバンプ

本投稿の最初に「エピソードタイトルについて」でも簡単に触れましたが、普段レナードが利用しているロス・ロブルス・アベニューには速度制限用のバンプがなく、ペニーが左折して侵入したユークリッド・アベニューにはそれがあるとのことです。
バンプとは道路の途中が盛り上がったようになっていて、スピードを出したまま通り抜けようとすると車両が跳ね上がるので、運転者が自然に速度を落とすようになります。

Sheldon: Euclid Avenue is shorter as the crow flies, but it has speed bumps, which appreciably increase point-to-point drive time, making it the less efficient choice.(ユークリッド・アベニューはカラスが飛ぶように短いんだけど、速度制限用のバンプがあって、目的地までの運転時間が明らかに伸びるんで、非効率な選択なんだけど)
But you have the conn. (でも君が運転しているんだし。) 
Of course, if you’re not going to slow down for the speed bumps, I withdraw my previous objection.(もちろん、キミがバンプでも速度を落とさないなら、先ほどの異議は取り下げるよ)
Here’s a fun question. Do you know what the most common street name is?(面白い問題があるんだよ。一番、多い道の名前がなんだか知ってる?)

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ここで本題のユークリッド・アベニューに入る前に一つだけ、補足で調べたことをメモしておきましょう。

”You have the conn.”とは?

シェルドンのセリフに”But you have the conn."とあります。
最初、聞いたとき「Conn」という単語は知らなかったので「Pro & Con」の方かな?と思いましたが、それだとペニーがユークリッド・アベニューに侵入したことに反対しているという意味になってしまいます。
もちろんそんな訳はなく、スクリプトを見ると「n」が二つある「Conn」となっています。これは海事用語で、操艦のことを意味するのだそうです。海軍(海上自衛隊)の映画なんかで、「航海長、操艦」といって操艦権を委任するときの言葉に該当すると思います。

"You have the Conn."で調べると、スタートレックのダウンロードゲームのCMでも使われています。

なるほど、これなら納得できますね。ペニーが運転している車なので、ペニーがユークリッド・アベニューに進むならという意味です。

閑話休題。

本題に戻ります。ユークリッド・アベニューには、実際に速度制限用のバンプがある、とFandomページにも記載があります。

Euclid Avenue that gives the episode its title we learn is an alternative to Los Robles Avenue, which are two parallel streets in Pasadena, CA. Also the real Euclid Avenue actually does have speed bumps just like it is depicted in the show.(また、実際のユークリッド・アベニューには本エピソードで描かれているようなスピードバンプがある。)

https://bigbangtheory.fandom.com/wiki/The_Euclid_Alternative#Trivia

ですが、Googleのストリートビューでユークリッド・アベニューを走らせてみても、それらしきものは見当たらないように思われます。

パサデナ ユークリッド・アベニューのストリートビュー

対象エリアをパサデナから、ロスアンゼルスまで拡大するとそちらにもユークリッド・アベニューはあるのですが、以下の地図で見るとおり若干遠いのと、こちらにはロス・ロブルス・アベニューが見当たらなくなるという欠点があります。

ユークリッド・アヴェニューからカリフォルニア工科大までの経路

ユークリッド・アベニューはショートカットか?

もう一つ、ユークリッド・アベニューについてシェルドンはカラスが飛ぶように直線距離は短いと言っていますが、最初に貼った地図で見ても、ロス・ロブルス・アベニューと並行に走っていて、カリフォルニア工科大学にはどちらがショートカットになるとは思えないのですが、この辺はまあ演出ということで。

再掲:ユークリッド・アベニューとロス・ロブルス・アベニュー

レナードがユークリッド・アベニューを使わない理由

ここから、世の中で一番多い通りの名前はセカンド・ストリートで、ファースト・ストリートはメイン・ストリートやブロード・ストリート、ミシガン・アベニューに改名されるといった蘊蓄に始まり、元素名のしりとりをもちかけるシェルドンですが、ペニーが乗ってこないので自分で初めて一人二役で答えてペニーが勝ったことにして、もう一回やらない?と持ち掛けたところ。

Penny: How about we just have a little quiet time now?(ちょっと静かにしない?)
Sheldon: All right. Hmm, huh, I’m sorry, I’m finding your reckless nonchalance regarding the check-engine light to be very troubling.(いいよ。おおっと!悪いけど、エンジン点検ランプの無謀な無関心はとても危険だと思うよ)
Penny (Pulling over): Get out.(降りて)
Sheldon: Well, I have to tell you that while I do have a theoretical understanding of the workings of an internal combustion engine, I’m not sure I’m capable of performing diagnostics.(あのね、内燃機関の働きについての理論的な理解はしているけど、その診断ができるかどうかは怪しいよ?)
Penny: I said, get out.(降りてって言ったの)
Sheldon: Okay. I’ll give it a shot. (Gets out. Penny drives away.)(OK。やってみるよ)

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またまたバンプにぶつかって跳ね上げられたシェルドン。エンジン点検ランプが気になり、ついまた言ってしまった結果、その場で降ろされてしまいました。朝っぱらから「友達」っていうことで無理やり運転させられて、(ペニーからすれば)つまらないやりとりを聞かされて、挙句の果てにこれですから、ペニーにとってはこれでも我慢してやったのよということでしょう。
シェルドンの自業自得ではあります。

ここから察するに、ユークリッド・アベニューを通って速度を落とさずに走れば、その度にシェルドンから面倒なツッコミがあり、バンプに跳ね上げられないように速度を落とせば時間が掛かると文句を言われるので、レナードがバンプのない道を選択するのは自然な成り行きですね。

シェルドンが大学「から」帰る方法

場面変わって大学のカフェテリア。ペニーに途中で降ろされたシェルドンが、どうやって大学にたどり着いたかは謎です。歩いたのかな? 

Sheldon: Oh, Leonard, there you are, I’m ready to go home.(おや、レナード、いたんだね。家に帰れるよ)
Leonard: I just got here.(今来たところだよ)
Sheldon: Good, perfect timing.(すごい。完璧なタイミングだ)
Leonard: Sheldon, I told you, I only have access to the free-electron laser at night. I can’t drive you for the next few weeks.(シェルドン、言っただろ。エレクトロン・レーザーをつかえるのは夜だけだって。これから数週間は車に乗せていってあげられないよ)
Sheldon: No, you said you couldn’t drive me to work, this is from work.(いや、キミは大学には乗せていけないと言ったんだ。これは大学からだ)
Leonard: Howard, help me out here.(ハワード、助けてよ)
Howard: No, just for the fun of it, I’m gonna take his side.(いや、楽しいからシェルドン側につく)
Sheldon: Now, how do you propose I get home?(さ、どうやって僕は家に帰る?)
Leonard: How did you get here in the first place?(そもそもどうやって大学に来たのさ?)
Sheldon: Penny. But I sense that’s no longer an option.(ペニー。でもそれはもうだめみたい)
Leonard: Look, I need to get to the laser lab, you’re just going to have to find someone else to take you home.(いい?僕はレーザー研に行くから、家に乗せて行ってくれる他の誰かを探して)
Howard: Oh damn, I picked the wrong side.(くそ。間違った方についた)

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ということでハワードの原付でニケツで帰ろうとするハワードとシェルドン。ちゃんとヘルメットをかぶっていましたが、どこにあったんだろう?あのヘルメット。

ユークリッド・アベニューの曲がった道

シェルドンの叫び声では、ハワードはできるだけ早く帰るためにユークリッド・アベニューを通った模様。そのせいでバンプもあったせいで、原付の後ろのシートで跳ね上げられて大騒ぎするシェルドンでした。

ここで不思議なのが、果たしてシェルドンが叫んだのはユークリッド・アベニューのどこなのか?ということでして。エピソードではハワードは左にカーブするコーナーを回ってきてました。

ところで、カリフォルニア工科大学から帰るとすると、ほとんどがまっすぐなユークリッド・アベニューの最後の方で、緩やかなカーブの場所はありますが、下図の通り工科大学から行くと右にカーブしています。

カリフォルニア工科大学とユークリッド・アベニュー

ハワードにも放置されたシェルドンはラージの車に

ユークリッド・アベニューはダメー!と叫んでハワードにしがみついて振り回したせいで、シェルドンはハワードからも乗車拒否を食らいます。
そして、どうやってか呼び出したラージの車で帰宅するのは既に夜。 

Raj: Why did Howard leave you in the middle of the road anyway?(道の途中でハワードが置き去りにしたのはなんでなの?)
Sheldon: We had a difference of opinion.(意見の相違があったのさ)
Raj: Over what?(なんの?)
Sheldon: Whether or not he was trying to kill me. For the record, I maintain he was. Where are you going?(僕を殺そうとしていたかそうでないか。念のため、僕は今でもそうだと思ってる。どこに行くの?)
Raj: I’m taking you home.(家だよ)
Sheldon: Oh, but I’m not going home. It’s Wednesday, Wednesday is new comic book day, we have to go to the comic book store.(いや、家には帰らないよ。水曜日だから、新しいコミックの発売日だ。コミックストアに行かなきゃ)
And then we have to stop at Soup Plantation, it’s creamy tomato soup day, and Radio Shack, there’s a sale on triple-a batteries.(それからスープランテーションに寄らなきゃ。今日はクリーミー・トマト・スープ・デーなんだ。そしてラジオ・シャック。あそこで単4電池がセールスなんだよ)
Plus, we have to go to Pottery Barn and return my Star Wars sheets.(それにプラスして、ポッタリー・バーンにもいかなきゃ。僕のスターウォーズのシーツを返すんだ)
Raj: I have a better idea.(もっといいアイデアがある)
Sheldon: You want to go to pottery barn first?(最初にポッタリー・バーンに行くの?)

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ペニーに置いてきぼりにされ、ハワードにも同じことをされ、なんとかラージに来てもらったのに、相変わらず自分の好きなようにドライバーとして使い倒そうとするシェルドン。
ラージの「良いアイデア」って、きっとペニーやハワードと同じだと思いますね。要は自分で好きに帰れ、っていうことだと。

ちなみにスープランテーションはスクリプトでは「Soup Plantation」となっていますが、きっと「Souplantation」のことだと思います。ラジオシャックはアメリカの家電量販店。
ただ、このシェルドンのセリフだと移動経路が謎過ぎて頭が若干混乱します。

シェルドンのセリフの通りなら
1) まずカリフォルニア工科大学から原付でハワードと出発し、
2) ユークリッド・アベニューのどこかで放り出され、
3) ラージにピックアップしてもらった後で
4) 「コミックストア」に行き、
5) 「スープランテーション」でスープを買い、
6) 「ラジオシャック」でセールスの単4電池を買い、
7) 「ポッタリー・バーン」でダースベーダーのシーツを返品してから
8) 自宅に戻ることになります。

ここでコミックストアは固有名詞がないので特定できませんでした。
それ以外のスープランテーション、ラジオシャック、ポッタリー・バーンはGoogle Mapで位置が特定できます。それを画像に反映させたのがこちら。小さなずれはあるかもしれませんが、このサイズの地図での位置関係の把握では問題ないはず。
スープランテーションは大学のすぐそばにあり、ユークリッド・アベニューに一度行ったなら、スープランテーションには戻ることになります。
そしてラジオシャックは地図の上下の端にあり(南側は、たぶん地図のもう少し下側)、そこからポッタリー・バーンだと、パサデナの街中を何度も行き来するような行程になりそうな感じです。

ハワードとラージの連携を無視したとしても、地図を見る限り
5) 「スープランテーション」でスープを買い、
4) 「コミックストア」に行き
7) 「ポッタリー・バーン」でダースベーダーのシーツを返品してから
6) 「ラジオシャック」でセールスの単4電池を買い、
8) 自宅に戻る方が効率が良さそうです。

また生活の事を考えると、スープランテーションでスープを買うのは帰宅前の方が「スープの冷めないうちに」家に帰れそうな気もしますし。

シェルドンが寄りたかった店舗とカリフォルニア工科大学の位置関係

この地図で、ポッタリー・バーンは赤いマーク、ラジオシャックとスープランテーションは青色のマークにしていますが、赤は現在でも営業しているところです。
このエピソード放映当時はスープランテーション、ラジオシャックともにあったのですが、どちらの店舗も閉鎖されています。
ラジオシャックは、店舗は閉めてオンライン通販だけはやっているようなのですが。

特にスープランテーションは、コロナの影響で一時閉店となったが再開は難しいだろうとの記事がありました。

この辺、カリフォルニア工科大に通ってる人だったら、情景が目に浮かぶでしょうね。

ダースベーダーのシーツだけは返却したいシェルドンは…?

多分、ラージにも放置されたシェルドン、なんとか家にたどり着いて尋ねたのはなんとペニー。
そして、例のダースベーダーのシーツを手に「ポッタリー・バーンに連れてって」という、超絶的な「お願い」をしますが、ペニーには無言でドアを閉められてしまいました。 

Sheldon: Can you drive me to Pottery Barn? (She closes the door) Maybe if I turn off the night-light, I can keep the sheets.(ポッタリー・バーンまで乗せて行ってくれない?まあ夜間灯を消せば、シーツは大丈夫かな)

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意を決した皆の総意:シェルドンに運転免許を

翌朝。シェルドンが凝りもせずにダースベーダーのシーツを鞄にいれながら部屋からでてくると、レナード、ペニー、ハワード、ラージが勢ぞろいして自分を見つめていました。
一体、朝早くにどうやったんでしょうね?ともかく、シェルドンにひどい目にあった皆でいつの間にか話し合いをしたようで、シェルドンに免許を取らせることにします。 

Penny: You’re hurting the people around you, sweetie.(周りの皆に迷惑をかけているのよ)
Leonard: So we made you an appointment, and we want you to keep it.(それで予約を入れておいたから、その時間に行くように)
Sheldon: Department of motor vehicles new driver handbook? But I don’t have a problem.(免許登録局 新規ドライバーハンドブック?でも僕は困ってないよ)
Leonard: Sheldon, you need to learn how to drive.(シェルドン、運転の仕方を覚えなきゃ)
Howard: This madness has to stop.(この狂気は終わらなきゃ)
Leonard: Penny’s taking you to the DMV, I’m going to bed.(ペニーが免許登録局にのせていくから。僕は寝るね)
Sheldon: Why Penny?(なんでペニー?)
Leonard: Because rock breaks scissors, goodnight.(グーがチョキに勝ったから。お休み)
Penny: All right, come on Sheldon.(そういうこと。行くわよ。シェルドン)
Sheldon: Hold on, I have one condition.(待って。一つだけ条件がある)
Penny: What?(なに?)
Sheldon: We have to stop at Pottery Barn.(ポッタリー・バーンに寄って)
Penny: Okay.(分かった)
Sheldon: And Radio Shack.(それからラジオシャックも)
Penny: Fine.(いいわ)
Sheldon: And the comic book store.(それにコミックストアにも)
Penny: All right! (They leave.)(はいはい!)

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免許登録局にて

免許登録局と書いてますが、「Department of Motor Vehicle」で文字通りに訳すと「自動車部」という感じでしょうか。車両や運転免許の登録局です。日本語でなんと呼ぶのがふさわしいのか分かりませんが、とりあえずここでは免許登録局で良いとして前に進みましょう。

ここでも相変わらずシェルドン節が大全開。 

Sheldon: I just don’t see why I need a driver’s license, Albert Einstein never had a driver’s license.(なんで僕が運転免許を取らなきゃいけないんだ。アインシュタインだって一度も免許は取らなかったのに)
Howard: Yeah, but Albert Einstein didn’t make me wet myself at 40 miles an hour.(ああ、でもアインシュタインは時速60キロで僕を汗だらけにはしてないからね)
Penny: Yeah, and I never wanted to kick Albert Einstein in the nuts. You know, I gotta ask, why didn’t you just get a license at 16 like everybody else?(そうそう。私はアインシュタインのケツを蹴り飛ばそうと思ったことないし。ところで、どうして他の皆と同じく16歳の時に免許取らなかったの?)
Sheldon: I was otherwise engaged.(他のことで忙しかったから)
Penny: Doing what?(何やってたの?)
Sheldon: Examining perturbative amplitudes in n=4 supersymmetric theories leading to a re-examination of the ultraviolet properties of multi-loop n=8 supergravity using modern twistor theory.(現代のツイスター理論を用いたn=8マルチループ超重力の紫外線特性の再検討につながるn=4超対称理論における摂動的振幅を調べていた。)
Penny: Well, how ’bout when you were 17?(えー…じゃあ17の時は?)

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このセリフは物理学者が考えたものと思いますが、物理学専攻ではない私には呪文と同じレベルです。書いてある単語の一つ一つは分かっても、それがどういう物理現象のどのような問題についての検討なのかは全く理解できません。

運転免許の申請窓口にて

さて、いよいよシェルドンの順番。このやり取りがまたすごい。

DMV Lady (to the person ahead of Sheldon in the queue): Take this to the testing area, put your name at the top, sign the bottom, answer the questions, bring it back, next! (Sheldon moves forward) Application?(これを持って試験場に行き、一番上に名前を書いて、一番下にサインして、質問に答えて、持って帰って、次!申請書/応用をどうぞ
Sheldon: I’m actually more of a theorist.(僕はどちらかというと理論派なんだ。)
Howard: The application in your hand, give it to her.(手に持ってる申請書だよ、それを担当者に渡して)
Sheldon: Oh.(ああ)
DMV Lady: Take this to the testing area, put your name at the top, sign the bottom, answer the questions, bring it back, next!(これを持って試験場に行き、一番上に名前を書いて、一番下にサインして、質問に答えて、持って帰って、次!)
Sheldon: Excuse me, but I have some concerns about these questions.(すみませんが、これらの問題に気になることがあるんですが?)
DMV Lady: Look at that sign up there.(上の看板見て)
Sheldon: Yes?(はい?)
DMV Lady: Does it say I give a damn?(苦情受け付けますって書いてる?)
Sheldon: No.(いいえ)
DMV Lady: That’s because I don’t.(それは私の仕事じゃないの)
Sheldon: Just, look, see, this first question makes no sense, how many car lengths should you leave in front of you when driving? There’s no possible way to answer that, a car length is not a standardized unit of measure.(これですが、最初の質問はおかしいです。車間距離は標準化された単位ではないので、答えられませんよ。)
DMV Lady: Look at the sign.(看板見て)
Penny: Sheldon, it’s C, just put down C.(シェルドン、それCよ。Cって書いといて)
Sheldon: I don’t need your help, Penny.(君の助けは要らないよ、ペニー)
DMV Lady: Listen to that little girl, honey, put C. Next!(その子の言うことを聞いて。Cって書いて。次!)
Sheldon: No, no, wait, no, hang on, look at this next question.(いえいえ、ちょっと待ってください。次の質問ですが)
Howard: Sheldon, why are you arguing with the DMV?(シェルドン、なんでDMVと争うんだ?)
Sheldon: How else are they going to learn?(そうじゃないと学習しないだろ)
Look, question 2, when are roadways most slippery? Now, okay, there are three answers, none of which are correct. The correct answer is, when covered by a film of liquid sufficient to reduce the coefficient of static friction between the tire and the road to essentially zero, but not so deep as to introduce a new source of friction.(質問2、車道が最も滑りやすいのはいつか?3つの答えのどれも正しくない。正解はタイヤと道路の間の静止摩擦係数を実質的にゼロにするのに十分な液体の膜で覆われていながら、新しい摩擦源が入り込むほど厚くないとき、ですよ。)
DMV Lady: Here’s your learner’s permit. Go away.(これ仮免許。さっさと行って!)
Sheldon: But I’m not done. I have many additional concerns about these questions.(いや、まだ終わってないんですけど。他にもこれらの試験問題には気になることがたくさんあります)
DMV Lady: Don’t make me climb over this counter.(カウンター乗り越えてそっちに行かせたいの?)
Penny: Come on, let’s go.(さあ、行きましょう)
DMV Lady: Next!(次!)
Sheldon: Aced it.(満点だって)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-5-the-euclid-alternative/

この受付窓口の女性、オクタビア・スペンサーは、キャスティングの仕事で雇われていた時に、オーディションを受けて映画界にデビュー、いろんな映画やドラマに出ながら2011年にはアカデミー助演女優賞を受賞した実力者です。
本エピソード登場時にはまだアカデミー賞の受賞前ですが、ほんの短い登場時間の間にとても強いインパクトを残してくれていますね。

応用か理論か?

オクタビア・スペンサー扮するDMVの窓口担当者が「Application」と言った時、それは「An Application(申請書)」なのですが、シェルドンにとっては「Application Physics」と理解したのか「僕はどちらかというと理論派で」という頓珍漢な回答をしています。

このやり取りは一過性ではなく、DMVでのシーンを通じてシェルドンとオクタビアの演技の通奏低音になっています。芸が細かいですね。女性は「運転免許を与えてよいかどうか?」という法律上の「応用」事務をしており、試験問題もそれにそったもの。
一方、シェルドンにとって運転にともなう道路交通法など関心の対象ではなく、滑るなどと聞いた瞬間に「物理学的に正しい解釈」があたまに浮かんでしまって、それ以上前に進まないという場面ですね。

そしてどこでも上から目線のシェルドン、「彼らが学ばないと」とか言っちゃって、もうしっちゃかめっちゃか。

面倒になって仮免許を出しちゃいますが、普通、こんな人間に車を運転させたらダメですよね?
そして、エピソードも自然とそういう流れに。

ハワード開発のドライブ・シミュレーター

仮免をもらって帰ってきたシェルドン。3面モニターの前に座っています。 ハワードも優秀なエンジニアなので、友人がデザインした軍隊向けのシミュレーターを改変したものを持ち込んだようです。

Howard: This is a state-of-the-art simulator. I adapted it from something a friend of mine designed for the army.(これは最新鋭のシミュレーター。友達が軍隊用に開発したものを修正した)
Sheldon: Is that why I appear to be in downtown Fallujah, behind the wheel of an up-armored Humvee?(それでファルージャ市街で、強化装甲のハンヴィーの後ろにいるのか?)
Howard: I haven’t configured it yet. Let’s see… Bradley tank… transport truck…  Batmobile…(まだ調整できてないんだ。えーっと。ブラッドレー戦車、運送用トラック、バットモビール…)
Sheldon: Ooh!(おー!)
Leonard: No.(ダメ!)
Howard: Here we go, red 2006 Ford Taurus on the streets of Pasadena.(よし、これだ。赤い2006年型のFordトーラス、パサデナ市街っと)
Sheldon (sucking in breath): Hmmmm?(ムムムムム)
Howard: What?(何?)
Sheldon: Statistically, red cars are stopped by police far more often than any other color. I don’t want any hassles with the fuzz.(統計では赤い車は他の色よりはるかに警察に止められやすいんだ。サツとはあまりもめたくないよ)
Howard: Fine, what color do you want?(分かった。何色にしたいんだ?)
Sheldon: You know the pale blue of Luke Skywalker’s lightsaber, before it was digitally remastered?(ルーク・スカイウォーカーのライトセーバーの薄い青色が良い。デジタルリマスター前の色だよ?)
Howard: Black it is.(黒ね)
Leonard: Okay, now, what you want to do first is turn on the ignition and shift into drive.(それじゃあ、最初にするのはイグニッションを回して、シフトレバーをドライブに入れるんだ)
Sheldon: I haven’t fastened my seat belt yet.(まだシートベルトしてない)
Leonard: Okay, fasten your seat belt.(じゃあ、シートベルトして)
Sheldon: Click. Now, are there air bags?(カチッ。さて、エアバッグついてる?)
Leonard: You don’t need air bags.(エアバッグいらない)
Sheldon: What if a simulated van rear-ends me?(シミュレーターのバンが追突してきたらどうするの?)
Penny: I’ll hit you in the face with a pillow.(枕で顔をひっぱたいてあげる)

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軍隊用のシミュレーターをもらってきてパサデナ用に改造するとか、ハワード、エンジニアとしてもすごい友人もいれば実力もありますね。

また軍隊用ということでファルージャって…イラク中部の都市ですが、激しくアメリカと戦闘が繰り広げられたところです。

そこで強化装甲を施したハンヴィーの後ろとか、他の車両選択でブラッドレー・タンクとか、ミリタリー系の人が見てたら笑えないんじゃないだろうか。これ放送されてたの2008年ですし。

ブラッドレー戦車の次が多少おとなしくて運搬用トラックと言ってますが、たぶん日本でむかし見たようなトラック野郎すら「そこのけ」なこんな感じのものだと思います。

そしてその次の選択肢がバットモビール。
ダークナイトが劇場公開されたのが2008年7月18日。バットマン・ビギンズでもバットモビールは描かれていましたから、本エピソードの放送日は2008年10月20日なので、ここで言うバットモビールはこのモデルだったと思います。

たしかにシェルドンもこれには興奮するでしょうが、シミュレーターとは言え街中を走らせる車じゃないですね、これ(笑

2006年型のFord Taurus

バットモビールがダメということでオプションにあがったのが、2006年型のFordトーラスで赤い色でした。
こんな感じの車ですね。

赤い色が警察に止められるからいやだと言い出すシェルドン。ここで警察のことを「Fuzz」と俗語で読んでますね。日本語だと「サツ」みたいな感じなんでしょうか。ちなみにイギリス映画で「Hot Fuzz」という映画がでてます。こちらは日本の映画オマージュがちりばめられていると言われてますね。ティモシー・ダールトンのような大御所、サイモン・ペッグ、マーティン・フリーマンとか著名な俳優がぞろぞろ出てきます。

「Fuzz」はイギリス英語と思っていましたが、アメリカでも使いますね。ビッグバンセオリーでも、シーズン4ぐらいの別エピソードで使っていましたし。

ルークの薄青いライトセイバー

こちらの写真がデジタル・リマスターの前か後かよくわかりませんが、スターウォーズが1977年に公開された時、ライトセイバーは青い色でした。それが後には緑色になります。

話をビッグバンセオリーに戻して、結局シミュレーターで練習を開始したものの、案の定暴走しまくって最後は追突してしまうシェルドン。

お望みのエアバッグをペニーに食らって、不満げながらも「サンキュー」というのはもう笑うしかありません。

シェルドンが運転できない理由は?

場面は同じくシミュレーターに座って練習するシェルドンですが、いるのはレナードのみ。ラージやハワード、ペニーはいなくなっています。
あれから、ずっと練習を続けているのでしょうか?

しかし一向にうまくなる様子がなく、相変わらずパニックに陥り、タイヤがきしむ音が聞こえるシミュレーター。 

パサデナ・フリーウェイを降りそこなってグレンデール・ガレリアに?

この時のやり取りが、何気なく聞いているとそれほどおかしくないのですが、これまた地図で確認してみるとすごいことになっていました。

Sheldon: Sorry… excuse me… my bad… student driver…(ごめんなさい、すみません。失礼しました。仮免中なんです)
Leonard: How did you manage to get on the second floor of the Glendale galleria?(一体どうやってグレンデール・ガレリアの2階に入ったの?)
Sheldon: I don’t know. I was on the Pasadena freeway, I missed my exit, flew off the overpass, and one thing led to another.(分からない。パサデナ・フリーウェイにいたんだけど、出口を間違って交差点を飛び出して、そうこうするうちに)

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レナードの言うパサデナ・フリーウェイは以下の地図の青い部分のようです。そしてシェルドンが走っていたグレンデール・ガレリアとは、左上の赤丸の部分にあるLA観光でお勧めされているほどの巨大なショッピングモールのようですね。

「パサデナ・フリーウェイ」が青色で示した高速道路であったとして、どこの出口をどう間違って飛び出したらグレンデール・ガレリアの2階に飛び込むのか?理解の遥か彼方ですね。

また仮に「パサデナ・フリーウェイ」がこの青色の道路でなかったとしても、グレンデール・ガレリアの周囲には、車が飛んで行って突っ込める距離にはフリーウェイは走っていないといません。
一番近そうなグレンデール・ガレリア北側の黄色いフリーウェイ134号からでも500メートルはあるようです。

これコメディだからというべきか、荒唐無稽さに笑うべきか。現地の人は笑いがこらえられないでしょうね。

運転するには進化しすぎているシェルドン=Homo Novus

とうとうシミュレーターでもまともな運転ができずに、車も停車させずに放置したまま練習をやめてしまいます。
その結果、自動車はペットショップに突っ込んで酷いことになったようです。
そして出した結論が、シェルドンは運転するには進化しすぎており、新人類=Homo Novusと呼ぶべきだろう、最もそれは人類学者が決めることだが、とか意味不明なことを言い出しており。

ちなみにグランデール・ガレリアにはペットショップはなさそうでした。

シェルドン、いつのまにグランデール・ガレリアの2階を抜け出してだんでしょうか?(笑

レナードが運転できず、シェルドンはシミュレーターですらまともに車が運転できないということで、レナードが元の生活に戻るまでとうとう大学に住むことしたようです。

でも実はレナードの実験はとっくに終わってたというオチ。

シェルドンと『オペラ座の怪人』のパロディ

大学に住んでいるシェルドン。食事も大学でパンをトースターで焼いて、耳だけ残して食べ、飲み物は自販機で解決していた模様。
そして後片付けをしていなかったせいでスペイン人の掃除のおばさま方を怖がらせた結果、こんなことに。

今回はアメコミネタもありましたが、何度も出てくる固有名詞が気になって、店舗の位置やら地図、道路との関係なんかを調べた結果としていつもの倍以上の分量になってしまいました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
気づいたこと、間違い等ありましたらコメント欄でご指摘いただけると幸いです。

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