Big Bang Theory S2Ep10 レナードの恋人と「アメリカ版 いたいのいたいの飛んでいけ~」

本投稿タイトルは記事用です。ドラマの正式なタイトルはこちら。

The Vartabedian Conundrum:同棲解消の法則
アメリカでの放送日:2008年12月8日

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

英語版タイトルは「The Vartabedian Conundrum」。「ヴァータベディアンの謎」。大変に難しい謎のように感じますが、レナード・シェルドンの住むアパートの一階下の住人の苗字。
エピソードではレナードが言い訳に挙げただけで本人は登場しません。
日本語のタイトルはこれまた内容をそのまま表したような表現になっています。シェルドンが仲良くなっているステファニーとの同棲に関する話題なのは最初からバレバレ、という感じですね。

あらすじ

ステファニーはレナードの部屋に寝泊まりするようになったため、シェルドンはルームメイト契約に定める同棲についての規定をステファニーにも守ることを約束させようとする。しぶしぶルームメイト契約をステファニーのところへ持って行ったレナード。(契約書にサインさせる場面はなし)
翌朝、ペニーのことは何も聞かされていなかったステファニーの前に、下着姿のままのペニーがコーヒー頂戴、とやってきて…

ちなみに、エピソード8で初登場、エピソード9から恋愛関係になったステファニーとはうまく行っているようだったにも関わらず、本エピソード以後、登場しなくなります。

サラ・ルー演じるステファニー・バーネット。シェルドンならずとも、世渡りの上手な藪医者役がうまくはまっていて、割と好きなキャラクターだったので、もうあと1・2話ぐらいは登場してほしかったところです。
今回はアメコミ要素が一つくらいしかありませんでしたが、ステファニー・バーネットが気に入ったので、気合入れて記事を書きます(笑

冒頭のシーン

いつもの二人のアパート。レナードの部屋に「棲むようになった」ステファニーに耳を検査をしてもらっているシェルドン。
高音の口笛の音のようなものがずっと聞こえるので、炎症異常はないか心配になってステファニーに診てもらっているところ。

レナードも変な音なら聞こえている、という。

Steph: I don’t see anything at all, Sheldon.(何もないわよ。シェルドン)
Sheldon
: Well, you’re the doctor, but I am constantly hearing this annoying sound.(うん。医者がそう言うなら。でもずっと気に障る音が聞こえるんだ)
Leonard: Me, too.(僕もだよ)
Sheldon: Is it a high-frequency whistle?(高い口笛みたいな音?)
Leonard: No, it’s more of a relentless, narcissistic drone.(いや。しつこい、ナルシスチックなつぶやきっていうもの)
Steph: Yup, there’s no inflammation at all, Sheldon.(はいっ。炎症は全くないわ。シェルドン)
Sheldon: Then it must be a tumor.(それなら腫瘍に違いない)
Steph: I Seriously doubt it.(それはマジでないと思うわ)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-11-the-vartabedian-conundrum/

炎症(中耳炎?)でないなら腫瘍に違いないと思うシェルドン。
心配すぎにもほどがありますね。

この心配性が嵩じて、あとでステファニーにさらに迷惑をかけるんですが。
さて、ここで面白いシーンがありました。

アメリカ版 いたいのいたいの飛んでいけ~

高い音が聞こえるのは炎症ではないか?炎症でないなら腫瘍だ、というシェルドンに対して、シェルドンが子供のように心配しすぎとばかりにステファニーが「いい方法があるわ」といって施した治療の場面がこちら。

Leonard: Maybe it’s a lingering bacterial infection from all those childhood toilet swirlies.(たぶん、子供の頃のトイレの水から来たバクテリアの感染症が長引いてるんじゃない)
Sheldon: Is that possible? I used to get those all the time. Even in church.(それ、ありうる?小さいときはずっとされてた。教会でも)
Steph: Well, you know, if it is from a swirly, there’s something I can do. Okay, circle, circle, dot, dot, now you have a cootie shot! I’m going to bed.(もしトイレの水からなら、いい治療法があるわ。さあ、丸書いてチョンチョン、はいお注射うったわよ~。じゃあ、私寝るわね)
Leonard: Okay, I’ll be right in.(ああ、すぐ行くよ)
Sheldon: It’s not enough that she mocks me, but that isn’t even the correct procedure for a cootie shot.(あれが治療だなんて、僕をからかって。じゃなくて、あれじゃあお注射の正しいやり方ですらない)

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これ日本でいったら「いたいのいたいのとんでいけ~」ですよね?

こんな動画もありました。

動画の公開年月日が正確には分からないのですが、投稿者のサイトでみると13年も前に投稿されたもののようです。

ところでシェルドンが言う「お注射の正しいやり方ではない」とは何のことかわからなかったんですが、以下のリンク先を見るとなんとなく納得できそうです。

ステファニーがやったのは前半だけで「お注射」するところまで。その後半には「丸書いて四角、四角、ばい菌さんはもういない」と続いています。
上でリンクを貼った動画でも前半のみでしたね。前半部がお医者さん=お注射を打つ方、後半部が患者でお注射を打たれた方の発言となっています。(前半の主語はYou、後半はIに変わっています)

"Circle circle, dot dot, Now you've got a cootie shot!"
"Circle circle, square square, I don't have them anywhere!"

https://www.mamalisa.com/?t=es&p=2675

シェルドンが言いたいのは、「ばい菌さんはもういない」まで言ってほしかった、ということでしょう。
エピソード5でダースベーダーのシーツを返すときに、子供のようにこだわっていたことを思い出しましょう。

ちなみに、この子供用の歌をジェイミー・ケネディとスチュ・ストーンがラップにして2006年に歌ったものがあるようで、最初に検索したらこちらが出てきました。

ところで「Cootie shot」ってなんだろ?と思ったらCootie自体は「虱」のことで、ばい菌とか俗語で「いやなもの」みたいなニュアンスがある、と辞書にはありました。

「ばい菌をやっつけるお注射」といったイメージなんでしょうか。そういえば日本でも似たようなのありますよね。日本とアメリカどころか、世界共通で探せばどこの国にもあるような気がする。(ボカロで歌があるとは、なんかすごいものを見た)

ビビディ・バビディ・ブウは最近ではドラゴンボールなのかもしれませんが、これディズニーのオリジナルを作った人が聞いたらどう感じるんでしょうね?

フニクリフニクラを「鬼のパンツ」にしてしまった日本なので、これくらいは朝飯前なのかもしれませんが…

慢性的な病気:ailments

ステファニーがレナードの部屋に行ってしまった後、レナードのセリフがこう続きます。

Leonard: Do you understand that Stephanie’s not here to treat your imaginary ailments?(ステファニーは君の想像上の病気を治療するためにここにいるんじゃないことは分かってる?)
Sheldon: How is it imaginary that I keep hearing an octave above Middle C? Is that imaginary? I don’t think so.(中央ハより1オクターブ高い音がずっと聞こえるのに、どうしてこれが想像なんだ?想像?そうは思えない。
Leonard: Good night.(おやすみ)

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Ailmentとは重度ではないけれども慢性的な病気だそうです。なるほど。diseaseは伝染病などの重度の病気。ailmentは重度ではなく、また伝染して広がるようなものではなくて慢性的にかかっているもので、確かにシェルドンの変なのは伝染性はなく、またずっとこうなので「Sheldon Disease」ではなくて「Ailment」なわけですね。

これは非常にわかりやすいシーンとなりました。

ルームメイト契約

そんな「慢性的な病気」であるシェルドンは、部屋に戻ろうとするレナードに追い打ちをかけます。このあたりのやり取りは議会運営の表現かと思いますね。勉強になるな(笑

Sheldon: Leonard, there’s one more thing. Under Article One, Section Three of our Roommate Agreement, I’m calling an emergency meeting.(レナード、もう一つ。ルームメイト契約の第1条第3項により、緊急会議を招集する)
Leonard: No, you’re not.(いや、しなくていいよ)
Sheldon: Leonard moves the meeting not occur. Is there a second? None heard, the motion fails. I’d like to begin the meeting by congratulating you on the progress in your relationship with Dr. Stephanie.(レナードは、会議は非招集との動議を提案しました。彼の意見に賛成する方は?いらっしゃらないようですのでその動議は否決されました。それでは会議の開催にあたり、まずはステファニー先生との関係が進展したことをお祝いしておきたい)
Leonard: Thank you.(そりゃどうも)
Sheldon: That being said, we have to discuss the implementation of the agreed upon “cohabitation” rider which has been activated now that the two of you are living together.(とは言え、現在、キミたち二人が同居していることで発動した、合意済みである「同居」特約の履行について協議する必要がある)

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すごい表現の羅列ですね。議会とか生徒会ではこんな感じで話すんでしょうか?少なくとも日常会話では使わないのが、ビッグバンセオリーのビッグバンセオリーたる由縁かと思います。

それから日本だと「動議」は名詞で、これに動詞がつくわけです。しかし「move」が動詞で「動議を提出する」という意味になり、その名詞系「motion」で「動議」になるのは、理屈から言うとその通り。
言語体系が違うというのはこういうことか、と感じる場面でもありますね。

ところでレナードの「会議非開催」の動議に賛成する人がいないから否決ということを受け入れると、シェルドンが出した会議開催の動議についても同様に賛成する人がいないので開催は否決されるはずです。ま、それを言ったらビッグバンセオリーは始まらない、っていうことで。

ここからレナードがステファニーが同居しているかどうか、事前に決めてあった契約の条文を読み上げていくのですが、これまた普段の生活ではお目にかかれないものの、知っておくと重要な表現のように思います。

Leonard: We’re not living together.(一緒に住んでいないよ)
Sheldon: I beg to disagree.(同意しかねるね)
“A girlfriend shall be deemed quote living with un-quote Leonard when she has stayed over for A, ten consecutive nights or B, more than nine nights in three week period or C: all the weekends of a given month plus three weeknights.(「A:10日間連続、B:3週間に9日間以上、C:1ヶ月の週末すべてと平日の夜3日間、レナードと泊まった場合、ガールフレンドはレナードと、かっこ開く 同棲している かっこ閉じる とみなされる。)
Leonard: That’s absurd.(そんなバカな)
Sheldon: You initialed it. See? L.H., L.H., L.H.(自分でサインしたろ。ほら。L.H., L.H., L.H.)
Leonard: Wait, I only initialed it because I never thought it would happen! I initialed another clause naming you my sidekick in case I get superpowers.(待てよ、僕がサインしたのは、こんなことになるとは思わなかったからだ!。超能力を得たら君を相棒とするっていう別の条項にもサインしたじゃないか)
Sheldon: Hmm, yes, you did. Now, to review the following provisions are hereby activated. (ああ、そうだね。さて、ここで以下の条項の見直しが発生します)
In the refrigerator, as opposed to us having two separate shelves and one communal shelf, the three of us now get individual shelves and the door becomes communal. Next, apartment vacuuming shall be increased from two to three times a week to accommodate the increased accumulation of dead skin cells. Third, the bathroom schedule. Now, I’m given to understand women have different needs, so, we’ll have to discuss that.(冷蔵庫は、僕らだけなら2つの別々の棚と1つの共有の棚があったのに対し、3人ならそれぞれが個別の棚を持ち冷蔵庫の扉は共有になる。次にアパートの掃除は、古い角質がたまるのが増えることに合わせて週2回から3回に増やすものとする。3つ目、バスルームのスケジュール。僕の理解では女性には異なるニーズがあると思うので、そこは要相談で)
Leonard: I’m going to bed.(もう寝る)
Sheldon: At least take this with you. Look, and have Stephanie initial here, here, here, here and here. This states that she does not now nor does she intend to play a percussive or brass instrument.(せめてこれは持ってって。ほら、ステファニーにここと、ここと、ここと、ここと、ここにイニシャルをサインしてもらって。ここは彼女が打楽器や金管楽器を現在、演奏していないし、する意図もないと規定している)
Sure it sounds like a tumor pressing on the auditory nerve.(やっぱり腫瘍が聴覚神経を圧迫しているように聞こえーるー)

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アメコミ要素は皆無ですが、とてもお勉強になるシーンでした。

ステファニー meets ペニー

翌朝、2人の…じゃなく3人のアパートにていきなりレナードが叫びだす。どうやらシェルドンがステファニーに前立腺の検査をしてもらいたいと言い出したらしいのですが、昨晩の「腫瘍が聴覚神経を圧迫している」からどうして前立腺の検査になったのかは説明もなく、よくわかりません。
昨晩の話について、なんの気がねも配慮もないシェルドンの会話も、まあシェルドンらしいとは言えます。

この辺はアメコミ的もなく、うちでは割愛します。

ペニーはコーヒーをもらいにレナードのところへ

さて、3人の頓珍漢なやり取りの間に、ペニーがやってきます。

Penny (entering): Out of coffee. Need coffee.(コーヒーないわー、コーヒー欲しいわー)
Steph: Uh, hello.(えーっと。おはよう)
Penny: Hi! Stephanie, right?(ハーイ!ステファニー、よね?)
Steph: Uh-huh. And, and, and you are?(ええ、まあ。そして、それで、どちらさまでしたっけ?)
Penny: I’m Penny, I live across the hall. I’ve heard a lot about you.(ペニーよ。廊下の向こうの部屋に住んでるの。あなたのこと、聞いたわよー)
Steph: Really?(ほんとに)
Penny: Mm-hmm.(ええ)
Steph: I haven’t heard a thing about you. Leonard? Why haven’t I heard a thing about this woman who lives across the hall and comes into your apartment in the morning in her underwear?(私、あなたのこと何も聞いてないけど。レナード?どうして私はお向かいに住む女性のことを聞いていないのかしら?朝、こちらの部屋にやって来て、それも下着のままで…)
Leonard: She’s heard about you because we’re, you know, involved and you haven’t heard about her because… I never slept with her, I swear!(彼女が君のことを知ってるのは僕たちは付き合ってるからで、君が彼女のことを聞いてないのはなんでかって言うと…僕は彼女とは寝てないよ。ほんとに!)
Sheldon: In Leonard’s defense, it wasn’t for lack of trying.(レナードの弁護のために言うと、それは努力の欠如によるものじゃない)
Leonard: Thank you, Sheldon.(わざわざありがとう!)

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レナードもシェルドンがペニーに話したんだよとか言っとけばよかったのに。エピソード9でシェルドンはステファニーが気に入ってるので、どうしたらレナードがステファニーから嫌われないか?とか相談に行ってますし。

仮にシェルドンがレナードのいない場所でペニーに相談に行ったことは知らなかったとしても、この後のシーンにも出てきますが、地下にある洗濯室やらチーズケーキファクトリーでの4人組の食事やらで、ご近所さんとは会話する機会はいくらでもあったはず。
そうやって適当に躱しておけば良かったのにと思いますが、ま、それを言ったらビッグバンセオリーは始まらない、っていうことで。

このシーン見直してて、サラ・ルーの演技が気に入ったんだなと思いました。セリフの切り方やレナードの追い込み方、ステキ(笑

3階のミセス・ヴァータベディアン

さて、追い込まれたレナードは「このアパートではいろんな人が自由に出入りする」と言い訳してステファニーの強い視線と、「無能な見方」シェルドンを躱そうとします。
この部分も割愛しても良かったのですが、英語のエピソード・タイトル回収シーンなので取り上げておきます。

Leonard: Look, I’m just saying, um, Penny is one of our many neighbors, you know, and in our building, neighbors come and go, it’s very casual, no dress code. In fact, some mornings I’ll just mosey down to the third floor in my pajamas and have cereal with Mrs. Vartabedian.(僕が言いたいのはさ、ええっと、ペニーはたくさんのご近所さんのうちの一人ってことで、このアパートではご近所さんが行き来してて、とっても打ち解けててドレスコードもないんだ。それで実際に僕もたまにふらっと3階にパジャマを着たまま降りてってはミセス・ヴァータベディアンと軽い朝食取ったりしてるんだ)
Sheldon: Really? I have never once been invited to have cereal with Mrs. Vartabedian.(ほんとに?ミセス・ヴァータベディアンからは一回も朝食になんか誘われてないけど)
Leonard: She doesn’t like you. Um, well, uh, you have a gall bladder to remove and I have to get in the shower and Penny has clothes to put on, so…(あの人、キミが嫌いだから。えー、あの、ほら、キミは胆嚢切除手術があるし、僕はシャワーを浴びないといけないし、ペニーは服を着ないといけないし、ということで…)
Steph: Well, it was very nice meeting you.(ええ、お会いできてとっても良かったわ)
Penny: Nice to finally meet you, too.(ようやくお会いできて良かったわ)
Steph: And I’ll see you tonight?(それじゃ、今晩ね)
Leonard: Okay, bye-bye.(うん。バイバイ)
Steph: Bye.(バイ)
Sheldon: What could I possibly have done to offend Mrs. Vartabedian?(ミセス・ヴァータベディアンを怒らせるようなこと、なにかしたっけな?)
Penny: So, that’s Stephanie, huh?(彼女がステファニーなのねぇ?)
Leonard: Why do I feel like I’m the one that just got the prostate exam?(なんで僕が前立腺検査を受けたみたいな感じなんだろう?)

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ということで、「The Vartabedian Conundrum」のタイトル回収。シェルドンにとっては確かに謎でしたね。

ちなみにVartabedianという姓は実際にあるようで、検索すると実在の人物がいろいろ出てきます。ビッグバンセオリーでも、シェルドンが3階とか2階の住人と一緒に食事をするシーンもあったはずですが、そこにはミセス・ヴァータベディアンはいなかったようです。(もし、後日、確認できたらこちらに追記することにいたしましょう)

レナードはステファニーと同棲しているか?

朝起きてコーヒーもらいに来た時にそこにいて出勤していったなら、同棲以外の可能性はほとんどないと思うのですが、それはさておき。
シェルドンの話しぶりからすると、無事、ステファニーはルームメイト契約にサインしたように思われます。

そしてここはうちのメイン・コンテンツ(笑)、アメコミテーマが入ってくるので、取り上げるのは必須となります。

シェルドンは二人は同棲しているというけれども、レナードはそれを否定。それじゃ部屋を見に行きましょと言われ、同棲してたら気が付くだろと言いつつペニーには信じてもらえず部屋のチェックに行くレナードとペニー。

Penny: You know, she seems very nice.(ねえ、とっても良いひとそうね)
Sheldon: Oh, she is. She’s terrific, and she’s proving to be a valuable roommate.(その通り。彼女は素晴らしいよ。そして貴重なルームメイトなんだ)
Penny: Roommate? You guys are living together?(ルームメイト?同棲してるの?)
Sheldon: Like hippies.(ヒッピーみたいにね)
Leonard: We’re not living together.(同棲してないよ)
Sheldon: Do I have to pull out the paperwork again?(書類、持ってこないといけない?)
Leonard: We’re not living together.(同棲してない)
Penny: Are you sure?(ほんとに?)
Leonard: How could I not be sure?(本当に決まってるじゃない)
Penny: Well, let’s find out.(そう。じゃあ、見てみましょ)
Leonard: Don’t you think if a woman was living with me, I’d be the first one to know about it?(もし女性と同棲してたら、僕が最初に気付くよね?)
Penny: Oh, sweetie, you’d be the last one to know about it. (Looking through his wardrobe) Hmm, cute dresses. I bet this looks great on you!(かわいいこと言うわね。最後まで気が付かないと思うわ。キュートなドレス!これ、きっとあなたに似合うと思うわ)
Leonard: We’re not living together.(同棲してないって)
Penny: Okay, hmm, scented candles, fuzzy slippers, ooh, floral bed sheets?(OK。えーっと、アロマキャンドル、もこもこのスリッパに、ああら、花柄のベッドシーツ?)
Leonard: We’re not living together.(同棲してないって)
Penny: Okay, moving on. Now, who are these guys at Disney World?(いいわ。続けましょ。さあ、ディスニーワールドで撮られたこの人達はどなたかしら?)
Leonard: Uh, the big dog is Goofy, and the older couple with the mouse ears, I have no idea. We’re not living together!(えー、大きな犬はグーフィー、そしてネズミの耳をつけている高齢の二人は良く知らない)
Penny: You’re going to go down swinging, huh? All right, well, we got your body lotion, your InStyle Magazine, your jewelry box.(こうやってずっと通すわけね?いいわ。ほら、あなたのボディローションに、あなたのInStyleマガジン、あなたのジュエリー・ボックス)
Leonard: We’re not… Where’s my Bat Signal?(同棲して…僕のバットシグナルどこいった?)
Penny: You have a Bat Signal?(バットシグナルもってるの?)
Leonard: I did. It was right here. She must’ve… Oh, my God, we’re living together.(持ってた。ここにあったんだけど、彼女がもしかして…これは大変だ。同棲してるんだ)
Penny: Really? What was your first clue?(ほんと?どこで気づいたの?)

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ディズニーのグーフィー

レナードの部屋のワードローブにはキュートなドレスがつるされ、アロマキャンドル(scented candles)にもこもこスリッパに花柄のシーツ。それでも同棲してないと言い張るレナードに、さらに追い打ちをかけるペニー。

ディズニーワールドで高齢のカップルが写っているのは、ステファニーの両親でしょう。グーフィーと一緒に写真を撮ったんですね。(当然ですが、写真は写りません。)

InStyle Magazine

さらにレナードの部屋にはInStyleマガジンが置いてあるそうですが、こちらは実際に発売されている雑誌。

ジュエリーボックスのために犠牲になったバットシグナル

そして極めつけはジュエリーボックスと言われて、ようやく自分のもの、ここではバットシグナルがなくなっていることに気が付いたレナード。

バットシグナルって、ゴッサム市警のゴードン本部長がバットマンを呼び出すときに使うものですね。
これが捨てられてジュエリー・ボックスに置き換わっていたことで、ようやくレナードはステファニーと同棲したことに気が付いた様子。

バットシグナルがなくなるまで同棲に気が付いてなかったとは、これぞオタクの鑑という感じでしょうか。

外堀を埋めようとするステファニーと逃げ出したいレナードと

ところ変わって大学のカフェテリア。ラージとハワードが座っているところにレナードがランチトレイをもってやってきますが、やたらとズボンの上からかきむしっている。ステファニーがレナードのために買ってくれたもののようです。

部屋に服装は持ち込み、キャンドルにスリッパにシーツ、ファッション雑誌はもちろん、レナードのバットシグナルすててジュエリー・ボックス置くばかりか、着るものまで自分色に染めていくとは。外堀から埋められて行っていますよね。レナードは同棲していたかどうかも知らない間に。

あまり痒そうにしているので材質を聞かれ、コットンではなくてウールに「Fire ant」を織り込んだと言ってまして。Fire antってどんなありかな?と思って辞書を引くと「カミアリ=噛み蟻」らしいので、どんなでかい顎かなと思ってさらに調べてみると、なんとヒアリの一種だそうです。

言われてみれば「Fire ant」は「ヒアリ」ですよね。

そして、そんなズボンはヤバいですよね?

蟻は冗談でしょうが、ラージとハワードに20ドルやるからズボンを交換して、とお願いする羽目になりました。

心配性のシェルドンはステファニーの病院に押しかけ

さて。上述の通り学食には3人しかいませんでしたが、いつも大学にいるはずのシェルドンは一体どこに?と思ったら、なんと病院に押しかけていました。ステファニーの伝手で自分のやりたい検査を押し込もうとした模様。どこまでも面倒な人間ですね(笑
しかも、どこで調達したのか聴診器を使いながら血圧を測っているところ。このシーンは、病院で役立つ表現が満載。

Steph: Where did you get the stethoscope and the blood pressure cuff?(どこで聴診器と血圧計カフを手に入れたの?)
Sheldon: My aunt Marion gave them to me for my 12th birthday. She thought if I failed at theoretical physics that I should have a trade to fall back on. And by the way, the blood pressure cuff is called a sphygmomanometer.(マリオンおばさんが12歳の誕生日の時にくれたんだ。理論物理に失敗したら滑り止めが必要だと思ったんだよ。ところで、血圧計カフは脈拍圧力計と言うんだよ)
Steph: Thank you.(どうも)
Sheldon: Didn’t they teach you that in medical school?(医学部では教えてもらわなかったの?)
Steph: I’m kinda busy here, Sheldon.(今ちょっと忙しいの、シェルドン)
Sheldon: I understand. All I need is for you to authorize these tests.(分かってる。これらの検査が受けられるように承認してほしいんだけなんだ。)
Steph: A cardiac stress test, a full body MRI, an electromyogram, a CBC, baseline glucose, upper GI?(心臓ストレス試験、全身のMRI、筋電図、全血球検査、経口ブドウ糖負荷試験、上部消化管?)
Sheldon: Oh, and an exploratory laparoscopy. Last time I had hiccups, it felt like my diaphragm was just going through the motions.(それから腹腔鏡検査も。前にしゃっくりしたとき、横隔膜が動き続けてたんだ)
Steph: Go home, Sheldon.(家に帰って、シェルドン)
Sheldon: Can I at least have the upper GI? I already drank the barium!(上部消化管検査だけでもできない?もうバリウムのんじゃったんだ)

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シェルドン、12歳の時におばさんから聴診器と血圧計もらって、物理学に失敗した時にあてにできるものが必要=医者になるのは滑り止めみたいな言い方するわ、血圧計の正確な名称を医学部で習ってないの?とか超絶上から目線だわで、ステファニーに逃げられそうになってました。
(それでも、シェルドンが受けたいテストの一覧を見て、とうとう切れて家に帰って!とか言われるレベル)

ここで出てくる単語は、知っておいて損はない感じですね。(役立つかと言われると限定的ですが)

Stethoscope: Stetho(胸部の)Scope(検査機・調査機)
Sphygmomanometer: Sphygmo(脈拍の)Manometer(圧力計)

この次に出てくる単語は、かなりハードル高いです。医学部じゃないとついていけないんじゃないだろうか。あるいは医学系の通訳・翻訳をやってる人とか。

Cardiac stress test:Cardiac(心臓の)
Electromyogram:Electro(電子の) Myogram(筋電図)
CBC: Complete Blood Cell Count(完全血球算定)
Baseline Glucose:この単語だけではピッタリの語には行き当たらなかったのですが、Glucose tolerance testだと思います。この日本語訳が経口ブドウ糖負荷試験で、糖尿病を検査する試験のようです。
Upper GI= Upper Gastro(胃) Intestinal(腸)で上部消化器
Exploratory laparoscopy: Exploratory(診査の) Laparoscopy(腹腔鏡)。Laparo(腹壁)

一回で覚えられる単語ではないですが、アメリカのコメディでさらっと使われているということは、あちらで一般の人が聞いたときには、少なくともなんとなくは把握できる単語の可能性もあると思います。

こんな単語が出てきてありがとう、ぐらいのつもりで地道に調べていくことにしましょう。

さて、シェルドンが飲んだバリウムがどうなったかは分かりませんが、場面は再度、レナード達のアパートへ。

カミアリズボンとレナードとステファニーの行方

レナード達のアパートの地下にあるコインランドリー室。
大学でズボンを交換できたのかは不明ですが、持って帰ってきて洗おうとしているところ。そこに運よくペニーがやってきたので、レナードはペニーに柔軟剤持ってないか尋ねます。

ペニーはたまたま持ってたのですが、キャップいっぱいどころか柔軟剤のボトルに残っていた三分の一程度の柔軟剤をすべてぶっこんでしまう。

全部使うほど借りても良いんかいな?なんですが、ま、それを言っちゃあ…

ペニーもびっくりしてクロコダイル革でも洗うのか?と聞きますが、ステファニーからもらったズボンだと。しかも洗濯機利用不可と聞いたのに、強引に洗濯機を回し始めるレナード。

こりゃ何かあったなと思うのが普通。彼女とのペースが合わないなら、自分に正直になったら?とペニーに言われてその気になります。
でもステファニーに直接言うのは憚られるのでペニーに代わりに言ってくれない?とかダメ男ぶりを発揮しますが、最終的にペニーに「自分でおやり」とばかり「Go!」とけしかけられ、勇者レナード、ステファニーと対決しに向います。

ステファニー、強し

場面は再びレナード達のアパート。
あくまで身体の異常を訴えるシェルドンの口内を覗き込んでいます。シェルドンの喉頭が見たことがないくらい晴れていると。処置するには「直ちに話すのをやめること」(笑
一言も話させないようにして寝室に追い返してしまいます。

ステファニー、強え!

Sheldonectomy, Polypectomy

ここで、ステファニーの次のセリフですが、字幕では「シェルドンの命を切り取った」といった感じで訳してありました。

Steph: I just performed a Sheldonectomy.

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最初は分からなかったのですが、たまたまポリープの切除手術のことをポリペクトミーということが分かりまして。日本語の辞書では見つけにくかったのですが、「-ectomy」で調べると、Longman Dictionary of Contemporary Englishで次のように定義されていました。

the removing of a particular part of someone's body by an operation(手術で誰かの身体の特定の部位を切除すること)


Longman Dictionary of Contemporary English  から引用

他にも調べたらでてくると思いますが、英語のネイティブが「Sheldonectomy」という単語を聞いた瞬間、「シェルドン切除手術」と聞こえるのだと思います。

今回のエピソードの冒頭でレナードが「ナルシストがぶつぶつ言う」と言ってたのを受けて、「シェルドンに話をさせなくしたこと」を「シェルドン切除手術」で受けるとは、脚本が素晴らしすぎてほれぼれします。

という事でお膳立ても揃ったところで、いきなり同棲は早いんじゃないかなと言おうとしたものの、シェルドンすら手球にとるステファニーに丸め込まれて結局ステファニーと「仲良く」する羽目に(笑

ステファニーはキャラが強すぎて、これあと2、3話に出続けたらペニーを押しのけちゃいそうな気もしますね。
あるいはシェルドンの鬱陶しさに嫌気がさしてステファニーが勝手に出ていくか。

いずれにしてもビッグバンセオリーの可笑しさをダメにしてしまう展開になってしまいます。特にこの次がクリスマスの話題ですから、ステファニーを絡めてしまうとペニーからシェルドンへのプレゼントのインパクトが薄まってしまう。

見ている側は結果としての作品をこんなふうに考えたり出来ますが、作る側の冷静な判断も光りますね。ステファニーの演技が素晴らしかったので、もっと見ていたかったところではあるんですが、仕方ないと割り切るところでしょうか。

そしてペニー、恐るべし

ステファニーとの「仲良い一戦」を終えたレナード、ズボンを洗濯機に入れたままだったのを乾燥しにランドリールームにやってきます。
ペニーもまだそこにいて、先ほどのズボンは乾燥機に入れておいてくれた模様です。

そしてペニーの関心事はレナードとステファニーの行方。ほんの僅かな会話からレナードがステファニーに丸め込まれて関係持った事を見抜き、先ほどの会話からの時間を計算しているのは笑いますね。
洗濯物を入れた直後から乾燥機に移すまでの間として、約30分ぐらい?

この会話はこの辺でやめときましょう。

ペニー、なんか変なことになっているレナードを再度励まします。
この時のペニーはレナードに気があるとかではなく、単純に情けないレナードの友達として正論を述べてるだけなんでしょう。

しかし、それはレナードにとってはペニーとのツライ過去が刺激される訳でもあるのです。

Penny: So, you told her you wanted to slow things down?(じゃあ、彼女には少しペースを落としたいと言ったのね?)
Leonard: Not specifically, but, uh, I did tell her that I had feelings.(明確に、というわけじゃないけど、でもまあ、僕にも感情があると伝えた)
Penny: Good, good. And then what?(それは良かったじゃない。で、どうなったの?)
Leonard: And then the, the subject got changed somehow.(それから、その、話題がちょっと変わっちゃって)
Penny: You had sex, didn’t you?(彼女とやったわけね?)
Leonard: Um, little bit. (She looks at her watch) What?(まあ、ちょっとね)

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このやり取りで悟るとは、ペニー恐るべし。でも親友として、レナードの情けない態度にカツを入れたいペニーはさらに気合を注入。

Penny: Come on, Leonard, you are entitled to try and make things go the way you want them to.(しっかりしなよ、レナード。自分が相手にやってほしいことを言ったりしてもらう資格があるんだから)
Leonard: Really?(ほんと?)
Penny: Yes, you don’t always have to go along with what the woman wants.(ええ。いつも女性の言うことに合わせる必要なんかないのよ)
Leonard: Huh.(うーん)
Penny: What?(どうかした?)
Leonard: Nothing, just rethinking my whole life. Okay, here’s the thing, I’m afraid that if I ask her to move out, she’ll just dump me.(別に。自分の人生を思い返していた。あのね、僕が彼女に同棲をやめるように頼んだら、振られるのが怖くて)
Penny: Well, it’s a chance you have to take. I mean, look, if it’s meant to be, it’ll be.(それはやってみなきゃわからないわ。つまり、そうなるべきならそうなるのよ)
Leonard: Very comforting. Okay, so what do I say to her?(とっても励みになるよ。それで、彼女になんて言ったらいいんだろう?)
Penny: I don’t know. I mean, what have women said to you when they wanted to slow a relationship down?(分からないわ。そうね。昔、ちょっと関係をゆっくり進めたい、という時に女性に何て言われたの?)
Leonard: I really like you, but I want to see how things go with Mark?(あなたのことはとっても好きよ。でもマークとどうなるか見てみたいの)
Penny: Yeah, that’ll slow it down.(それは確かに距離置くわね)

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シーズン2の冒頭でペニーとのデートがあまり上手くいかずに別れてしまった後、ペニーが早速付き合ったのはエリックでした。また、ビッグバンセオリーでマークの名前で出てきた人物を検索してみたところ、シーズン11のマーク・ハミルとかがでてきて、これは絶対違いますね。

レナードが言われたマークの名前を出した女性は誰なんでしょうね?

意を決したレナード、ついにステファニーに言おうとするが…

まずはレナードの部屋。コトを致した後でステファニーに「少しゆっくりしよう」と言おうとするも、レナードが言おうとしていたことをそのまんま事前に「そういうことを言いたいのよね」と言われて、言えなくなります。
いや、ステファニー、強いんだって。

レナードのベッドルームにて

Steph: I’m sorry, I totally interrupted you. What were you saying?(ごめんね、途中で遮っちゃったわね。何を言おうとしてたんだっけ?)
Leonard: Oh, right, yeah, um, so, Stephanie, here’s the thing. I really like you.(ああ、そうだ。えーっとね。その。ステファニー、つまりさ君のことは本当に好きだよ)
Steph: Oh, God, here comes the speech.(ああ、とうとうその話なのね?)
Leonard: What speech?(どんな話?)
Steph: I really like you, but maybe we should spend a little less time together ‘cause I need my space but I’ll call you on Tuesday, and then you never call me so I call you, but you don’t call me back and then when I run into you at the coffee shop you pretend like you’ve been having problems with your voice mail and I know that you’re lying, but I pretend like I don’t care even though I’m dying inside!(君のことは本当に好きだよ。でも少し一緒にいる時間を減らすべきじゃないかな?っていうのは、僕にもスペースが必要だし。それで私が火曜日に電話するでしょ、でも返事はくれないのよ。それで電話をかけても折り返してくれなくて、コーヒーショップで偶然出会ったらボイスメールが故障してて、っていう振りをするのね。それで嘘をつかれているのを知りながら私も大丈夫な振りをするの。本当は心は死にそうなのに!)
Leonard: No! No, no! I wasn’t going to say any of that. I was just going to say, I really like you.(いやいやいや、そういうことを言うつもりは全くないんだ。僕が言いたかったのは、本当に君が好きっていうことさ)
Steph: Oh. Oh, good! ‘Cause I really like you, too.(ああ、良かった!私もあなたが好きよ!)
Leonard: Terrific.(素晴らしい!)

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2人が1対1で対決したら、ステファニーの圧勝ですね。

ズボンの次は鳥のセーターに、そしてベッドにも諸々と

大学の学食にて。今度もなぜかラージとハワードしかいません。らしくない(つまり理系のオタクでは着るはずのない)鳥デザインのセーターを着てきたレナードにハワードが「ナイスなセーターだな」と言いますが、これ、あれですよね。「ナイスなセーターだな(ナイスではない)」ってやつですよね?
しかも、鳥のセーターだけでは足りず、色々ステファニー色に染められて行ってます。

Howard: Hey. Nice sweater.(ヘイ。良いセーターだな)
Leonard: Yeah, Stephanie got it for me. It’s kind of fun.(ああ、ステファニーが買ってくれたんだ。楽しいよ)
Raj: It’s got a big bird on it, dude.(でもお前、それデカい鳥ガラだぞ)
Leonard: Yeah, yeah, that’s the fun part. We’re also getting new curtains for my bedroom, and a dust ruffle, and a duvet, and I don’t even know what a duvet is but I’m pretty sure if I did I wouldn’t want one, but every time I talk to her about moving out she cries and we have sex.(ああ、それが良いところなのさ。ベッドルームには新しいカーテンと、それからベッドスカートにデュベも買うんだけど、デュベが何か良く知らないけど、そんなの要らないのは間違いなくて、でも毎回、同棲をやめることを話そうとすると泣き出して、そして関係持つんだ)
Raj: You’re lucky. With me, it’s usually the other way around.(ラッキーな奴め。僕にはそうじゃない方しかない)
Howard: You know, if you can’t talk to her, why don’t you just text her?(話ができないなら、メッセージで送ったらどうなんだ?)
Leonard: Isn’t that kind of cowardly?(それって卑怯じゃないか?)
Howard: Oh, yeah. It’s beyond contemptible.(ああ、卑劣の上を行くよ)
Raj: It’s true, but on the other hand you are wearing a bird sweater.(その通りだけど、でも鳥のセーター着てるんだぞ)

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ラージのこの一言で、なぜかレナードは納得してステファニーにテキスト・メッセージを送り、もうやれないなといいつつ、返事が来るなり間違ったといってステファニーに会いに行きますけど、結局鳥のセーターが嫌いだったのかな?

Dust Ruffleとは?

ところで上記のベッドスカートと訳したところ、原文では「Dust ruffle」となっています。
こんなページがありまして、要は同じもので呼びたいようにどうぞ、とのことでした。

またレナードが知らないといったデュベですが、これはイギリス英語的な表現らしく、アメリカでは「Comforter」とか「Quilt」と呼ばれていて、要は掛布団のことだそうです。

アメリカ人がベッドに掛けるのは毛布だけなんでしょうか?デュベでもコムフォーターでも、呼び方が何であれあった方があったかいと思うのですが。

こういうところからも、ステファニーはイギリスの良家の家系なんじゃないかなと思いますね。多少、あけっぴろげすぎるのはどうなのか、というのはありますが、そこは私の専門分野ではないので…

オチ:喋れなくなったシェルドンは

学食では、シェルドン以外の3名のみでしたが、果たしてシェルドンはと思うと、なんとペニーのところにハーブティー(の茶葉?)がなくなったのでもらいに行っていました。

これもペニーがコーヒーがなくなったからもらいに来たのを受けての結着の付け方で、脚本には文句はありません。ただ、一つだけ言わせてもらうと、シェルドンらしくないですね(笑

そして、話すなと言われたステファニーの言いつけを守って、入力した文字を発話させるアプリを使ってペニーに話しかけていますが、この声がホーキング博士の人工音声のように聞こえました。
ホーキング博士が好きなのは良いですが、ほんとにネタとしての扱いが、我々の常識を軽々と超えていきますよね。アメリカのコメディ。

Honeyのタイプミス

最後のオチにはステファニーは登場しないのですが、文字入力をさせた時のタイプミスがオリジナルの英語、日本語の字幕翻訳ともに驚きの出来栄え。

Penny (opening door): Sheldon?(シェルドン?)
Computer voice: I have an inflamed larynx.(喉頭が炎症を起こしてるんだ)
Penny: Okay?(それで?)
Computer voice: We’re out of herbal tea. Do you have any?(ハーブティーを切らしちゃって。少し分けてくれない?)
Penny: Okay, let me check.(いいわ。見てみるわね)
Computer voice: Some hiney would be nice, too.(少しケツも分けてくれたらうれしい)
Penny: Hiney?(ケツ?)
Computer voice: Honey.(ハニー)

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ハーブティーを分けてもらうついでにハニー(Honey)も分けてほしいと打ちたかったのですが、キーボードの「o」のとなりにある「i」と打ち間違ったおかげで、変な単語になりました。
Hineyは俗語でお尻のことだそうです。

上記は言語の通りに直訳したものですが、お読みいただいて分かる通り、これでは何のことかさっぱりわかりません。

字幕翻訳では、シェルドンが「おっぱいもらえると助かる」と入力したことになってて、当然ペニーも「おっぱい?」と驚くわけですが、打ち直した単語は「いっぱい」になっていました。

これはすごい翻訳で、日本語でもアルファベット入力をするなら「o」と「i」のタイプミスは十分あり得ますし、「ハーブティーをいっぱい欲しい」ということで意味も破綻していません。

ステファニーとはどうなったか明確には表現されていませんが、上述した通り今後のつながりを考えると知らないところで終わったことにしてあるのが良かったと思います。
記事の公開順がずれてしまっていますが、この次はクリスマスにかかわるエピソードですし、これも傑作のひとつでした。
あそこにステファニーが入ると強すぎる、というのはご覧いただければ良く分かるかと思います。

本日も、長い記事を最後までお読みいただきありがとうございます。

ご意見、ご指摘など、コメントいただけると非常にうれしく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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