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【水曜日はスキレター】水面と夜空の紙芝居。

powered by たかやん


ということで本日「スキレター」の水曜日ですが、まだまだ続きます楽曲「夜標 -night sign-」制作のお話。
お付き合いいただけますと幸いです^^

てか、この作品制作こそ「スキレター」の結晶みたいなものだと自分的には思ってるので、存分に溢れんばかりの「スキ」を書かせていただこうと思います*^^


【01.序章】


今回のスキは、楽曲イメージで「絵」を描いていただきました

akari'nさん。

akari'nさんご自身にも、記事で今回作品の制作について書いていただけました!
わーい、ありがとうございます*

僕もいただくのは「完成した状態の絵」だったので、それがどのように制作されたかの過程や手法とかまでは詳しく知らなかったから、そんなふうに取り組んでくださったのかって、ここで初めて知ることができました^^

ということで、akari'nさんの記事も合わせて読んでいただけると、より楽しんでいただけるかと思いますので、ここで中座して読みに行かれる方は是非どうぞ*
その間しばしお待ちしますので、…戻ってきてねw

〜中座タイム〜


…戻られましたか?
では、続きです^^


【02.フィーリングのニュアンス】


今回の制作については「インスト曲を歌モノにする」というところが発端で、言ってしまえば、まずは「楽曲」であることが第一でした。
ということで、一番最初に取り組んだのが「楽曲にのせる歌詞」で、それを「小川千紗さん」にお願いした、というのが前回内容。


千紗さんから歌詞の第一稿を読ませていただいた時点で、僕の中に「空気感」みたいなものがほわっと浮かびました。
それは「ビシッとしたビジュアルのイメージ」というよりは、イメージという存在の「空気の含有量」みたいなもの。
「赤いリンゴ」とか「紫のブドウ」とかパッキリ対象が明確なものじゃなく、「なんとなくパステルカラーでまとまってる感じ」「セピアがかってる感じ」みたいな、方向性というか、肌触り感のようなもの。

そんなフィーリングのニュアンスを感じたとき、びびっと僕のピントが合ったのが「akari'nさん」だった。

akari'nさんの絵は、最初にnoteで見たときから、スキだなぁって気持ちはあったんです。
このモチーフ、この風景がとかじゃなくて、何となくだけど特に「青の在り方」がスキだって思った。
それこそ、空気の含有量みたいなところ。
千紗さんが綴る「ことばの世界」って「輪郭のゆるやかさ」みたいのを感じて、その感じがakari'nさんの絵に重なる感じがしたんですよね。

…すごい「感じ」ばっかり連呼してますが、ほんと「フィーリング」みたいな曖昧なものなのでご容赦をw


兎にも角にも、akari'nさんの絵にびびっとピントが合った僕は、またも意を決してお願いメールをお送りいたしましたのでした。
(以下、ドキドキは前回同様なので割愛w)

akari'nさんの表現は「絵」です。「静止画」。
その絵を「それを背景にして動画アップする」なのか、「CDジャケットみたいな形にする」なのか、お声がけの時点ではまだ、着地の形は全然明確には決まってはなかったんだけど。
ただ、思いとして確かにあったのは、「どんな形であれ、視覚的なイメージはakari'nさんの表現でお願いしてみたい」というものでした。

びびっとピントが合った以上、それにトライしないで後悔する、ってのはしたくはないなと思った。

前回記事で「歌声」について書いたことにも重なるんだけど、

「イメージに合う人」になんて、そうそう出会えるもんじゃない。
そんな中で、ピンと来る方が、このnoteの中にいらっしゃったわけで。
すごいな。
奇跡なのか、引き寄せたのか、わかんないけど。


言っても「ネット上のSNS」なnoteです。
ボタンひとつでそこから簡単にいなくなって、どこの誰かもわからないで、二度とお会いできなくなってしまうような、気軽だからこそ儚いつながりの上に立っていると思うのです。
まさに一期一会。チャンスは今。
だったらダメ元で、お話だけでもさせてもらおうと思った。

そんな感じで、皆さんにお声かけさせていただいた、今回の「noteのご縁」
だからこそ、この作品が「形になった」というのが一際嬉しいのです*


【03.実在しない景色】


今回の楽曲のビジュアルとして「写真」じゃなく「絵」を選んだというのは、フィーリングの部分がまず第一であったのもそうなんだけど、決定的に一つある理由としては、僕が最初にこの曲の発端となる詩を書いたときに描いていた風景が、イメージ上だけの実在しないものだったからです。

や、「似ている」「当てはまる」景色というのは、探せばどこかにあるのかもしれないし、もしかしたら僕のイメージ自体も、何かどこかの実在する風景を無意識でモチーフとしてるのかもしれないんだけど。

でも、千紗さんの歌詞をもらったとき、その「実在しない風景」はさらにイメージの世界を先に進んでいって、決定的に「実在しない」ってものになっていった感じがしたんです。


20年前、最初に詩を書いたとき、僕がイメージしたモチーフは「海」でした。
「海」っていうか、海に向かって海岸で、そこから海の中へは進めない感じ。
20年前に、景色はそこで止まってた。


でも今回、千紗さんは海に触れることを厭わず、そしてその先に「夜」を描いた。

僕が最初に描いてたのは、「重たい雲がのしかかるような、灰色の空な午後」のような景色だったから、「夜」のイメージはなかったんだけど。

読む人、聞く人で、捉え方や思い描く景色って色々違うんだ

って気づきが今回の制作の発端で、だからこそ今の僕にとって「自分以外のイメージを重ねて、先に進む」ということが楽しかったし、それを楽しみたい気持ちでした。


千紗さんが紡いだ言葉の余白。
余白の解釈は、読む人のイメージに委ねられて。
受け取ったakari'nさんは、どんな景色を思い描くのかなって思った。
僕のイメージとは、どう違って、どう同じなんだろう。


なので、前述のakari'nさんの制作記事を読んで、ちょっと驚いたんです。

夜の海を描こうか、あるいは水と泡を抽象化しようか、と試みました。

なんか違うんですよね……

スクリーンショット 2021-05-03 18.07.18

akari'nさんが描いたこの海の景色は、20年前に僕がイメージしてたのとよく似ていたから。このアングルから見えてた。
でも、千紗さんが歌詞を書いてから、ここじゃない景色に進んだ感じがしてた。
それを感じ取っていただいたのか、これを描いたakari'nさんが「なんか違う」と感じられたのは、驚きつつも、共有できた感じがして嬉しかった。

…って、記事読むまでakari'nさんのそんな試行錯誤つゆ知らずでしたけど^^


最終的にakari'nさんが出されてきたのは、「水面」「夜空」という2つの背景でした。

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この2つは違うものなんだけど、僕には何だか繋がってるというか、重なるというか、そんな感じに思えました。

なので、その「繋がってるというか、重なるというか」を表現するような、ビジュアルのまとめ方をしてみたいと思った。
それを考えたときに、「動画」という方法に着地させるイメージが固まった感じです。


【04.「絵」の印象を】


ちょっと技術的な話になってしまうかもですが、特に「YouTube」で「音楽を発信するような動画」を作るときって、「どんな画の当て方をするか」を考えなければならないんですよね。
…僕自身それをうまくできずに「お蔵入り」させたって経験も多々ありましてf^^;

例えば、「ジャケ写真の静止画固定にして、好きな楽曲流す」みたいなパターンの動画もよく見かけますが、その形ってあまり「YouTube」って媒体の特性を活かしてないように僕は感じるんですよね。
「その形でYouTubeで出すのって、もったいなくない?」みたいに僕は感じちゃう。

人の感覚って、耳を澄ますときに目を閉じると感度研ぎ澄まされるみたいに、「トータル100」になる全感覚の、何%を視覚に使うか、聴覚に使うかで感度って変わると僕は思ってて。
だから、味わいを確かめるときには目を閉じたりする。

YouTube動画で考えた場合、「何か画像載せなきゃ」の取ってつけた画像に視覚の数%を取られることで、楽曲を聞く感度が鈍ると思うんです。
思うに、ここでの「静止画」の存在は「感度を奪うマイナスの作用」になってしまってて、だったらきっとそれをするくらいなら、視覚のない「音声配信」だけの方がいいと思ったりするわけです。
なので、そんな観点から正直、今回楽曲の「音声配信」もちょっと頭をよぎったりはした。

でも、「視覚化」して表現したい思いっていうのがやっぱりあって。
最初に思い描いた景色から、それを可視化できないまま20年経てきてましたから。
そして、ここでakari'nさんの絵につながるご縁をいただけた。
だったら、「絵」を演出して「動画」として成立させることを考えるのが、今やるべきことなんじゃないかと。
ここが「視覚化」を果たせるチャンスだと、ギアを入れたのでした。

特に僕がここで意識したのは、「絵」ということでした。

動画だからといって「アニメーション」をするってことじゃなく

僕が、静止画の「絵」を見て惹かれたあの印象を、どうやったら「動画」の中で伝えられるか。

前述したように、「静止画」を固定で出すことで、意識は視覚に奪われてしまう。
けど「動画アニメーション」じゃなく、「絵」の印象で伝えたい。
「静止画=絵」を認識しながらも、見る人に物語の「推移」が伝えられるようなやり方。

僕的には、なんとなくだけど、「紙芝居」のようなイメージがありました。
お話を耳で聞きながら、めくられていく絵を見ているような、あの感じ。


それを意識しながら、色々と試行錯誤を重ね、映像編集でPCとにらめっこすること1ヶ月ほど。
特に派手派手な演出とか、強いインパクトとかをやったわけではないので、「そんなに時間かかってるの?」って思われるかもですがf^^;

「印象」って、緻密で繊細なところが作用するものだと思うから、「視覚で意識を奪うマイナス効果」にならず、且つ「静止画の絵」って印象を伝えるものとして整えるには、時間をかけて細かいところを色々と小さく磨いていく必要があったと、僕自身は思っています。
なので、些細なところをコツコツ整えながら、1ヶ月の時間がかかった。

…ま、百聞は一見にしかずってことで。
見ていただいた皆様に「絵」の印象として残ってもらえたなら、僕のミッションは果たせたことになるかなと思います^^


【05.やってみたかったこと】


noteで、akari'nさんの絵を見させていただくようになってから、僕的に実は「見てみたい」「やってみたい」と思ってたことがありました。

それは

「線画の人物」を、「アクリル画の風景」の上に合わせてみたい

というものでした。

akari'nさんがアップされる絵は、

「アクリル画の風景」

の時もあれば、

ペンで描いた「線画の人物イラスト」

のときもあって、でも、それらが「一緒に同居してる状態」という作品は見たことがなかった。


でも、僕的には何となくだけど、「この"人物"は、この"風景"の中に存在しても、おかしくないだろうな」ってずっと思ってて。


で今回、千紗さんの歌詞の世界観からakari'nさんにピントが合ったとき、僕がイメージする景色の中には「人物」も「風景」も存在していて、そしてその2つは当然のように同居していた。


…ここでしょ!^^


僕は、akari'nさんの描く「風景」と「人」を合わせた動画にしようと思いました。

でもそれは、「実際に人がいる景色」というものではなくて、もっと抽象的なイメージだったんですね。
逆に「実際に人がいる景色」という形のものでは、不正解になるって思った。
…や、このへんはイメージなので言葉で説明するのはすごく難しいんだけど、、、
でも、akari'nさんに「同居したもの」を描いてもらう、ということではない気がした。

きっと、akari'nさんにお力をお借りした上で、「僕がイメージするその具合」を具現化することが、今回の可視化では必要だと思ったんです。

そんな感じでまとめたのが今回の動画。

なので、「まんまakari'nさん」という表現ではなく、僕のニュアンスやエッセンス入りなので、akari'nさんファンの方、そのへんはどうぞご容赦くださいませ^^;



今回、皆さんにお力をお借りして「表現」に取り組む中で、

何を大事にするべきか。

って、幾度となく、その問いと向き合いました。

僕自身、「誰かと一緒に何かをすること」について、あらためて意識を磨かせていただいた機会になったと思います。


akari'nさん、本当にありがとうございました!



…ということで、制作話の連載まだ続くw

本日も思いあふれて、長くてすいません^^;

読んでいただき、ありがとうございました*


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