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【楽曲制作「夜標」】ボーカルとマスタリング。


前回記事では勝手に一人企画「水曜日はスキレター」に乗じる形で、制作しました楽曲映像作品「夜標 -night sign-」について、作詞していただいた「小川千紗さん」ピックアップで書かせていただきましたが、


千紗さんの方でも、歌詞制作について記事に書いてくださいました!
わーい、ありがとうございます*^^

どういうことを思われて、どういうふうに歌詞を書かれたのかとか、「千紗さん目線」も知ることができて、嬉しかったです^^

作詞頼んだ僕と、突然お願いされた千紗さんの両側合わせて読むと、より楽しんでいただけると思いますので、是非是非*


ということで本日も引き続き、熱い思いの制作裏話を書いていこうと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ(-人-)


楽曲映像作品「夜標 -night sign-」、本日は「音編」です*



[ vocal : ama ]


前回記事でもちょこっと触れたんですが、この楽曲自体を20年越しで再びいじり始めたのは、昨年の今頃で。
その際には、ステイホームな期間であったのもあり、PCでの楽曲制作は勿論、歌詞も歌も「全部自分でやろう」と決めて取りかかったのでした。

が。


…それが全然よくなくて、結局一回お蔵入りするハメとなってしまいました。。。


や、自分で言うのもなんだけど、僕は決して「歌自体は下手じゃない」とは思うわけです。現に、バンドではコーラスも任されたりしてたし、カラオケも不得手ではない。音域も、高いところまで出る方ではある。

でも、「伝わらない」んですよね。歌が。


メロディの旋律を、それなりに「正しくなぞる」ことはできる。
けど、それができたからといって、「響く」「伝わる」歌を歌えるのとはイコールにならない。
ざっくり言っちゃえば、歌に「表現力」がないのです。

「歌い手」と呼ばれる人とは、明確にそこが違うと自分自身でわかります。
「歌い手」であれば正しい旋律を歌えるのはむしろ当たり前の前提であったりして、その上に「表現」ってのが乗っかる。

そこを持ってない僕が歌うんだもの、そりゃ「伝わる」ものになるわけもなくw

でも作り手目線としては、「歌声のイメージ」というのはありました。
「楽曲の世界観に沿うもの」として存在してもらいたい「歌声」のイメージ。
この曲に関しては、「透明感」とか「儚さ」とか、具体的には「空気成分を多めに」とか「抑揚やビブラートをつけずに」とか。

イメージは、ある。
じゃあ、さて、そのイメージに合う人が、どこにいるのか。
日本の人口1億3千万。
それを探すのは、なかなか果てしない旅だ…w

それこそ僕自身も、「イメージする歌声」を意識して歌ってはみましたよ。
今回の歌声イメージって、「技術」的にはむしろ「難しいことは何もしない」くらいプレーンなものだし、調子に乗って「自分でもできるかも」とか思ったんだけど、、、そうはならなかったですね。。。
やっぱ、僕に「歌」はムリですゎT-T

…ぶっちゃけますと、歌詞同様「noteの中で、イメージに合う歌声の方を探す」というのも、考えたりはしました。
でも、「歌声」は言葉や絵、書のような「視覚的」なものとは違う「聴覚的」なものであって、且つそこに「表現」を求めるなら、より立体的な関わりが必要になるんじゃないかと思いました。時間をかけて、その人の「歌唱力」「表現力」を理解し、技術的なところや機材環境とかまでも考えないといけない。
それを「ネット上のやり取り」で成立させるのはなかなか難しいんじゃないかと思って、、、今回は見送りました。。
ま、けど、いつかはそういうこともやってはみたいかなとは思っています^^
「音楽」の制作もnoteで共有できたら、素敵よね*


ま、ともかく今回楽曲は、とりあえずは「女声でいきたい」というイメージがあって、そんでもって「歌詞の歌い回し」とかの確認もしなきゃならずだったので、まずはそのやりとりがしやすい距離感であるバンドのボーカルの女の子に、「一旦」「デモの仮歌」ということで、お願いすることにしてみました。

…ま、高校の同級生なので、もはや「女の子」ではないんだけどね(失礼!w)


その子は、以前にこちらを歌ってもらった子。

以前の楽曲の時は、イメージがその子の声だったので、そのままストレートにお願いできたんだけど、今回のは歌声のイメージが全然違うので、ほんとに「仮歌」としてのお願いでした。

ちなみに、この子と長きにわたりやってるバンドは、僕がツーバスドコドコとドラムを叩くような、ジャンルでいうといわゆる「メタル」バンド。
えぇ、まぁ、年甲斐もなく笑
なので、前回の曲ともバンドとも真逆くらいに違うイメージの今回でしたから、僕もその子自身も「ま、仮だし」と思ってた。


…んだけど。

上がってきた仮歌が、思いのほか、イメージに当てはまってたんですよね。
もちろん、歌のイメージをその子にも伝えた上で、それを意識して歌ってくれたものではあったんですが、…なんか逆に、その子の個性みたいのも浮き出た感じがして、それが想定外に新しい感じがして、よかったんです。

そして僕はここで、今回楽曲の原曲にいただいた感想コメントを思い出しました。

…そういや「絶望」で書いたはずの曲が、「前向き」に感じられたんだよな。
これって、自分の主観にはない、新しい気づきを形にする取り組みだよな。
先入観外して客観的に聞いたら、これで全然成り立ってるよな。
…じゃあ、コレでいっていいんじゃね?

そんなわけで、本人にとってもチャレンジなボーカルではあったと思いますが、仮歌のつもりがそのまま本チャンのボーカルとして採用となったのでした。


…まさに制作の裏話^^



[ sound mastering : Ryusuke Sasaki ]


さて、続きましては、よりディープな音楽部分。
だいぶ、マニアックかもしれませんw
ま、でも、せっかくなのでこの機会に「ガイアの夜明け」とか見る感覚で、ウンチクがてらにお勉強していっていただけたら幸いです^^

もしかしたら皆さんも「名前を聞いたこと」はあるかも知れない、音楽制作での「マスタリング」って作業について、ちょっと書きたいと思います。

さて。

皆さんは、音楽は何でどうやって聞きますか?

スマホから直で音出したり、イヤホンさして聞いたり、パソコンで音出したり、スピーカーにつないで出力したり、カーステレオって人もいると思います。
カーステレオだったら、ウーファーで低音ドンドンって人もいるかも知れない。
イヤホンだったら「左右」の耳で聞くけど、スピーカーだったら「左右」とか関係なかったりするね。

特に昨今「音楽」が、CDみたいな「物質」の媒体じゃなくなって、「データ」として配信されるものになってから、聞く環境もラジカセやステレオだけじゃなくなって、形態はさらに千差万別になりました。
つまり、音楽が、何でどうやって聞かれるか、わからないわけです。

例えば、音楽作る側が「低音ドンドンを売りにしたいぜ」と思って曲を作った場合、それがスマホの人にはちょうどよくても、もともとウーファーで低音ドンドン聞く方にとっては倍増されちゃうので「低音がうるさすぎる」「音がビリビリ割れる」ってことになったりもする。

あと、「色んなアーティストの曲をランダムに自動再生する」ような設定だと、どのアーティストの曲も同じくらいの音量じゃないと、突然爆音になってビビることになったり、逆に小さくて聞こえなかったり。


今回の楽曲は、映像として「YouTube」にあげることにしたわけですが、同じようにYouTubeも視聴者がどのように見るかはわからないし、前述同様「自動再生」の場合は、他の動画ともある程度「音量」をつり合うようにしとかなければならない。


簡単に言えば、そういうのをどういう状況でも快適に聴けるようにまとめたりするのが、「マスタリング」という作業。
実は、「届ける」上で、すごく大事な役割を担ってるんです。

や、細かく挙げれば、音質とかバランスとか考える項目は多岐にわたって色々あるんだけど、あまりに専門的になるのでここでは割愛w
ま、ざっくり言えば「楽曲のよさを出しつつ、いい状態で快適に聞いてもらう」を整える役割、だとくらいな感じで思ってください。
皆さんが今回楽曲を聞いて持った音の「印象」は、実はマスタリングの「彼」によって作られたものだったりするんですね。
玄関先に届けにきてくれるお兄さんの接客がよければ、ヤマト便の印象自体がよくなるよね、みたいな感じです。(違うか?w)


今回作品は、僕が楽曲を制作してまとめあげ、それの最終仕上げ「マスタリング」を彼にお願いしたわけですが、彼からのメモによると、

全体に少しあっさりしていたので、少しだけサーチュレーションで歪ませました。
ボーカルがやや埋れていたので少し印象を強くしてみました。
全体の明瞭感、分離感を上げ、リズムをはっきりさせるイメージにしてみました。
センターの密度が薄く感じたので、ステレオイメージを狭めました。

…かなり専門的ではありますが、要は色々調整してくれて、今の「印象」になったってわけです。例えば「なんか音が耳に刺さって聞きづらいな。。」って思われたら、その印象が残っちゃうもんで。
聞いて「心地いい」と思ってもらえたのなら、彼の仕事のおかげ。

なので、このひと手間がなかったら、印象はもっとくすんで、届きにくいものだったと思います。特に今回は「透明感」とか「肌触り」みたいなところの「印象」が大事なものだったので。


そして、僕が彼に「最終仕上げ」をお願いしたのは、もちろん専門的な技術ゆえというところもあるんですが、一番は「客観的な目線」がほしかったというのが大きいです。

僕が表現したいと思ったものが、どう感じられ、
何を大事にして、どんな印象を与えるか

そういうのを、第三者の目線でジャッジしてもらう。
そして、その上で、必要なところがあれば整えてもらう。

色々な方々に関わっていただき、でも、それを取りまとめるのは結局「僕の主観」に他ならないわけだから、はたしてそれが「届くもの」になっているのかは、僕自身だけではなかなかわからない
「僕の思い込み」だけで進めてしまうことにもなりかねないし、そうしないために。

なので、最終的に信頼できる客観的なジャッジができて、且つ、整えをしてもらえる存在が必要だと思い、彼にお願いをしたわけです。


そんな感じで完成した作品「夜標 - night sign -」

…えぇ、何度でも貼り付けますよw
制作話を聞いた後だと、聞き方も変わるかなと*


ということで今回は、ちょっとマニアックな「音編」の制作話、でした。
次回は「イメージビジュアル」編、「スキレター」にて再びnoteのクリエイターさんピックアップで書きたいと思います*

…って、実はボーカルの子も密かにnoteやってたりするんだけどね^^

ま、「ひっそり記録庫として使ってる」らしいのですが、以前の曲について記事書いてくれましたので、ここで引っ張り出してみますw

皆さま、よろしければ、友達になってあげてください(優しさw)


読んでいただき、ありがとうございました*

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!頑張って書き重ねていきますので、是非またお越しください。