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ファンタジー小説

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実は、ファンタジーの入り口は身近なところに潜んでいるのでは…… という視点で描いています。 夢のようでもあり、現実のようでもあるファンタジー作品です。
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記事一覧

『繚乱コスモス』(9)☆ファンタジー小説

 眠れたのか、それとも起きたままだったのか。  不快なまどろみの中で朝が来た。  徳子は…

秋田しげと
4か月前

復活の乙女 -ジャンヌ・ダルク外伝-

1436年5月 フランス ロレーヌ地方 メス 一人の男が街頭に立ち、興奮気味にわめき散ら…

秋田しげと
5か月前

『繚乱コスモス』(8)☆ファンタジー小説

※※※ 「雨の音……」  瞼を開くと曇ったレンズを覗いたように、視界がおぼろげだった。た…

秋田しげと
5か月前
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『繚乱コスモス』(7)☆ファンタジー小説

 徳子は、一刻も早くこの家から出て行こうと、目眩を耐えながら立ち上がった。すると、窓の外…

秋田しげと
5か月前

『繚乱コスモス』(6)☆ファンタジー小説

「もう遅いけど、いいのかしら?」 「わたしは大丈夫よ。それに、帰りは車で送るから心配しな…

秋田しげと
6か月前
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『繚乱コスモス』(5)☆ファンタジー小説

 女将が襖を開けると、12畳の和室があった。しかし、畳はその半分ほどしか敷いておらず、残…

秋田しげと
6か月前
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『繚乱コスモス』(4)☆ファンタジー小説

※※※ 「山代さん、昼間はごめんなさい。お茶こぼすというか、ぶちまけちゃって……」  頭を下げる徳子に、美奈子は慌てた様子で手のひらを横に振る。 「いえ、気にしないでください。それに会社では宮島さんの方が先輩ですから、丁寧な言葉遣いでなくてもいいですよ」  美奈子が6月入社であることを思い出したが、敬語を使う理由は、彼女が一つ年上というだけではなく、尊敬する気持ちがあるからだ。よって態度を変えようとは思わない。 「山代さんこそ、わたしにですます言葉は使わなくてもOKです

『繚乱コスモス』(3)☆ファンタジー小説

※※※ (美奈子さんにこのお茶を飲ませるワケには……)  徳子は震える手で茶碗を持ち上げ…

秋田しげと
6か月前
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『繚乱コスモス』(2)☆ファンタジー小説

※※※ 「おはよう」  美奈子が教室に入ると、その場は一瞬静まり返り、次いでクラスメイト…

秋田しげと
6か月前
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『繚乱コスモス』(1)☆ファンタジー小説

 宮島(みやじま)徳子(のりこ)は、所属する課のお局OL、黒田の言葉に内心呆れていたが、さも…

秋田しげと
6か月前
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伝承の山

……人が亡くなると、山にゆく。 そんな伝承のある山があります。 十六歳で病死した弥太郎は…

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隠れ里のおばあちゃん -山神姫の憑き添いなれば 外伝-(1)

「なにしにきたんだい?」  これが、祖母の第一声だった。  僕は、大学一年生の夏休みを利…

隠れ里のお医者様 -山神姫の憑き添いなれば 外伝-(2)

 祖母と暮らすようになって二ヶ月あまり。  僕は大学を中退して、郷里に帰っていた。そして…