世界が平和であるように

先日CSの衛星劇場で音楽劇『精霊の守り人』が放送された。
8月に東京の日生劇場で上演されたもので、原作は日本ファンタジー界の旗手・上橋菜穂子氏の『精霊の守り人』だ。
原作とWキャストの主演俳優の人気により、チケットは発売後即完売、今夏注目の舞台の一つだった。
夏休みの子どもたちに観てもらえるようにファミリー版と、それを大人向けにした特別版があったのだが、放送されたのは特別版の方。
この最後の歌の場面を繰り返し観ている。
主人公・バルサ役の明日海りお氏とその幼なじみ・タンダ役の村井良大氏のデュエットで始まるこの歌は、曲も歌詞も美しく、そのまま某公共放送の合唱コンクールの課題曲にしてはいかがかと思うぐらいだ。
実はまさにこの放送された公演を私は劇場で拝見したのだが、そのときにはぼんやりとウクライナのことを思いながら聴いていたのだが、数カ月たって、この歌にもっと強く心を揺さぶられている。

❝私は祈る世界が平和であるように 私は願う誰もが幸せであるように❞

私は第二次世界大戦を知らない。
朝鮮戦争もベトナム戦争も知らない。
その後も世界のあちこちで戦争や紛争が起きたけれど、霞の向こうの出来事のように感じていた。
ウクライナ戦争が起きたときには非常に衝撃を受けたけれど、いつの間にか慣れてしまった。
しかし、ガザで起きていることは、そのすべてを凌駕した。
毎日のように幼い子供やその母親の死のニュースが流れてくる。
ウクライナと異なっていたのは、ガザの人々には逃げる場所がない、ということだった。
ウクライナでは多くの幼い子供たちが母親と一緒に国外に疎開した。
しかし、ガザの人々は国境を封鎖され、狭い土地に200万人が閉じ込められ、逃げる場所がない。
これはジェノサイドだ。
ナチスによるホロコーストを生き延びたイスラエル人が、白昼堂々と虐殺を行っている。
しかも、それを欧米諸国が支持している。
腹立たしいことに、この日本も。

パレスチナやイスラエルの若者たちのコメントを聞いていると、絶望したくなる。
いつまで経っても復讐の連鎖が止まらない。
祈ったり願ったりすることしかできなくて無力感に苛まれるが、だからと言って諦めるわけにはいかない。
この地球に共に暮らす人びとの命が懸かっているのだから。
小さな声でも上げていくしかない。
この戦争が止まるまで。

❝信じよう 諍いなき日がくることを❞

I pray peace of the world.
I hope happiness for all of the world.
Believe coming peaceful days. 

いかなる戦争にも反対する。
全ての人がその生きる権利を尊重されるべきだ。
パレスチナ人もイスラエル人も、ウクライナ人もロシア人も。


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