歴史ドラマ制作者に言いたい!
NHKの大河ドラマ、若い時には観たいなんて思ったことなかったんですけどね、年齢のせいかけっこう観ちゃいました。
日本の歴史に興味を持つ者としては、けっこう楽しく鑑賞しています。
しかし、しかし、しかし、、、
歴史上の事実とかけ離れたことをドラマに盛り込むのはやめて欲しいなと思うのです。
ドラマですからね、ドラマを面白くするための演出や話の展開を ”盛る” なんていうのはあっても良いと思いますが、史実としてあり得ないことを、
さも事実であるかのように物語が描かれていると、これを歴史上の事実だと思ってしまうことだってあるのです。
なので、小さな ”盛り” はあっても良いと思うんですけど、
あんまり大き過ぎる ”盛り” だったりすると、それは ”盛り” ではなく単に
”創作の物語” になってしまいます。
歴史上の人物や大きな出来事と ”創作の物語” の混在はほどほどにして欲しいというのが僕のお願いなんです。
坂本龍馬の生涯を描いた ”龍馬伝” というドラマがありました。
これ、僕は大河ドラマの中でも一番好きなので、もう何度観たかわかりません。
ところがです、どうしても納得のいかないところも沢山ありまして、、、
坂本龍馬と岩崎弥太郎が竹馬の友?
ドラマの中には何度も岩崎弥太郎が登場します。
三菱という日本を代表する大企業の創始者である、あの岩崎弥太郎です。
この岩崎弥太郎は何かにつけ坂本家に金を借りにきたり、龍馬に会いにきたり、子供の頃からの友達という設定になっています。
龍馬も龍馬で、脱藩する前に弥太郎に会いに行ったりしています。
それも散歩の途中で立ち寄った感じで弥太郎の家に行きます。
龍馬伝を始めて観た時に僕は、このドラマの設定は史実にのっとって作られていると思って観ていたので、素直に、、、
「岩崎弥太郎は坂本龍馬と子供の頃から知り合いだった」
それが歴史上の事実なんだろうと思って観ていたわけです。
岩崎弥太郎の生家(現在の高知県安芸市)と龍馬の生家(現在の高知県高知市)を地図で調べてみると直線距離でも30km以上離れています。
※後で道路に沿って測ったらほぼ40kmでした。
時代的には1840年代から1850年代にかけてのことなので、
当然、この時代には電車もバスも、自転車さえありません。
交通手段が ”徒歩” しかないこの時代に、散歩でもするような感覚で
互いの家に行ったり来たりするなんてあり得ないと思います。
調べてみるとやっぱり、どうやら龍馬と弥太郎が出合ったのは、
龍馬が海援隊を結成した頃の長崎でのことのようです。
もし調べていなかったら僕は、もしかしたら
『坂本龍馬と岩崎弥太郎は子供の頃から友達で仲良かったんだぜぃ』
なんて、自慢げに話していたかもしれません。
ドラマを鵜呑みにしていたら、そんな恥をかいていたかもしれません。
ドラマの中の出来事など、事実と違うことは数々あると思います。
ドラマですから、楽しく面白くするための演出も筋書きもあって良いと思います。
でも、程度というのはある程度考えて欲しいかな・・・
余談ですけど、岩崎弥太郎はドラマの中では異常者とも思えるくらいに
自己中心で自分勝手で我儘、まるで思いやりのない人であるかのように描かれています。
これ、三菱の創業に関わった人や三菱で働く人が見たら随分失礼な話なんじゃないかと思います。
実際の岩崎弥太郎がこの通りの人だったのなら納得もできるでしょうが、
もしも事実と違っていたら、演出や物語としては過度に盛り過ぎなじゃないでしょうか。
歴史ドラマ、歴史映画の制作者の皆さん、どうかご検討をお願いします。
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