見出し画像

一人旅

最近、趣味で遠征をするついでに一人旅をすることが増えた。

全く知らない人達の路上ライブに足を止めてみたり、
見た目が怪しい喫茶店に勇気を出して入店して珈琲を片手に本を読んでみたり、
あえて観光地を避けて老舗のお店でご飯を食べてみたり、(何度経験しても1人ですって言うのは謎に毎回緊張しちゃう)
ベンチに座って街を眺めながらぼーとしてみたり、
目的地まで徒歩20分の道のりを電車を使わずによし、歩こう!って思ったり、
気分で目的地を変えてみたり。

きっと誰かと一緒だったら、次の目的地へ急ぐために路上ライブに足を止めたりベンチでぼーとする時間はないだろうし、喫茶店では話が弾んで店を出る頃には珈琲の味なんて覚えていない。どこでご飯を食べたとしても美味しかったー!で終わるだろうし、この距離なら歩けるなと思っても周りに合わせて電車乗ろー!ってなるたぶん。(個人的な予想)

「みんなで食べるご飯は美味しい」
ってよく耳にするけど、誰かと話したり一緒に同じことを共有する"記憶"が美味しいのだと思う。
誰かと一緒に過ごすことはその行為自体が目的と言うよりも、その行為を口実に楽しい"時間"を共有することを無意識に目的にしているのかも。
美味しいご飯は一人で食べてももちろん美味しいから。むしろ、本気で食と向き合うなら"食事"を目的にしている一人のほうが自分的にはおすすめ。

こんなこと書いてるけど、別に誰かと一緒に過ごす時間が無駄なんて微塵も思ってはいないしむしろとっても好き。
でも、一人で過ごす時間も同じくらいに好き。
ふと孤独を感じる瞬間に、いつも一緒にいてくれる人の愛おしさを再確認できる。誰かと過ごすことの尊さと儚さを感じさせてくれる。

一人でいると誰かと一緒にいる時よりも五感が研ぎ澄まされた感じがする。
知らない場所の知らない景色で視界が満たされたり、いつもは気にもとめないような音、匂い、風が肌に触れる感覚、人の温かさと冷たさなど、誰かと過ごした時よりも気がつくことが多い。

世の中には目で見て耳で聞くよりも大切なことがたくさんあると思っている。
それ等を知らないままこの世に終わりを告げることなんて絶対にいやだ。
一人で過ごした時、それ等と出会う機会が多い気がする。同時に、自分自身と向き合い今まで知らなかった部分を知ることもできる。

だから、一人でいることは寂しいことじゃない。
寂しいと思うならそれはいつも一緒にいてくれる誰かがいるっていうことなんじゃ?と思う。
誰かと一緒に過ごす楽しさや温もりを知っているから。

10代の時は一人で過ごすことは寂しいことだと感じていた。(学校という所は集団行動を半ば強制してくるから、一人に慣れていない若造には当たり前のことなのかもだけど)

最近、一人で過ごす時間を大切にできるようになってから少し大人になれた気がする。(なれてなかったら悲しいから勝手にそう思うことにする)
次はどこに行こうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?