第44話 会話に出てくる必要性がないんでこれからはカットします

 この子とこの子はセット。
 いつも一緒!!
 自分の中でそう決めているキャラクターたちがいる。
 特に深い意味はない…でもセットだ!!
 しかし、ちょっとした会話に出てくるときにそれが仇となる。

 挨拶を交わす程度、ほんのちょっとした立ち話をするとき。
 そんなときにセットキャラクターを出すとめんどくさい。
 会話するのは別に1人でいいのだ。
 それは即ち登場させるのは1人で十分だということ。
 なのにセットキャラクターを登場させてしまったボクは後悔する。

 登場させたら「とりあえずしゃべらせなくちゃ」精神が働いてしまうボクは、とりあえず1回はしゃべらせようとしてしまう。
 交互にしゃべらせようとしてしまう。
 そうすると、誰がしゃべっているかを明確にしなきゃいけない。
 となると、ボクはこんな風に書いてしまう。
 Aは言った。
 Bは言った。
 ボクは話の流れからスムーズに誰がしゃべっているか表現するのがものすごく苦手で、
「あ~、めんどくせぇ~」
 と、いつも口にしている。
 なんなら、会話の前に
 A「」
 B「」
 としゃべっている人物の名前を付けたいくらいだ。
 でもご存じの通り、世の中のみんなはそれをやっていない。
 なのでボクも極力それは止めるように努めている。

 セットキャラクターを前に固まるボク。
「どっちがセリフを言うようにしよう?」
「ちゃんと誰のセリフか分かるように表現しなきゃ」
「………」
「なんでちょっとした会話のシーンでボクはこんなに悩んでいるんだろう?」
 アホらしく思う自分がいる。

 そして凝り固まった考えを捨てることにした。
「セットキャラクターだけど、別にピンで出せばいいや」
 結果…すんげぇ楽になった。
 それに会話も自然になった。
「途中でしゃべる相手が変わる」というような訳のわからんことがなくなった。
 なぜ今までそうしなかったのだろう?と思ったくらいだ。

 これからはもっと柔軟に考えようと思った。
 無駄な文字数を減らし、ちょっとでも読みやすい文章にしたい。
 逆に言えば、今まで無理やりしゃべらせていたけれど、セットで登場させても、最初の挨拶だけで会話には入って来なくてもいいかなと思った。

 とにかく楽をします!!楽を!!

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