第37話 語彙力

 先ほど、洗剤を買いにドラッグストへ行ってきた。
 そのドラッグストアでグッピーラムネが視界に入り、何か懐かしく思い、洗剤と一緒に買ってしまった。
 あの20円で売っていたラムネのお菓子だ。
 家に帰って早速食べてみたのだが、思いのほかおいしくてびっくりした。
 優しくて、そして懐かしい味がした。

 そんなグッピーラムネ。炭酸飲料に投入すると、炭酸がものすごい勢いで噴き出す。
 勢いよく。気持ちいいくらいに。
「あぁ~、俺もこんな風に言葉がどんどん溢れ出てこればいいのに…」

 語彙力。語彙力。語彙力。
 ボクがお話を書き始めてから欲しいものリストにランクインしたもの。
 アイデアよりも。
 ボクは今、とてつもなく語彙力が欲しい。


 さっきのグッピーラムネで、
「あの20円で売っていたラムネのお菓子だ」
 と書いたが、本当は
「あの20円のやつだ」
 と最初は書こうとした。

「やつ」
 普段、会話の中でめちゃくちゃ使用する。
「しかし、これを文章で使用するのはいかがなものか?」
「もしかしてボクだけじゃないか?」
 思い止まることにした。

 まぁ会話の流れから適切に使用するならいいが、ボクの場合は単に表現するのを面倒くさがっているだけだ。
 語彙力が欲しい欲しいと望んでいるのにも関わらず、考えるのを拒んでいる。
 控えめに言ってクソ野郎ではなかろうか?
 反省せねば。

 以前も言葉の表現を学ぶために、作品読んだりして、良い表現だなと思った時はメモするようになったと記事に書いた。
 しかし、ボクは気づいたのだ…もっと根本的な部分を。
「俺ってそもそもの話、言葉を知らねぇな」
 やっとこさ気づいた。

 具体例を挙げるなら、
 最近、異世界モノのマンガを読んだ時に「虜囚」という言葉を目にした。
 その「虜囚」を目にしてボクが思ったのは、
「虜囚って…捕まったという表現じゃいけないのかね?」
「というかこの言葉を知ってるって…君の人生に一体何があったんだい?」
 みたいなことを考えてしまった。
 単純にボクよりたくさんの言葉を知っているだけなんだけど、それを素直に思えないことがまたひねくれている。
 反省せねば。

 語彙力。語彙力。語彙力。
 語彙力があれば、もうちょっとマシな文章になると思うんだけど…なんて思ってみたり。
 ただ注意したいのは、難しい言葉を使い過ぎて、意味がよく伝わらないという本末転倒だけは避けたいなと思う。

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