第31話 サボる

「サボるな!!」
日本という国では「サボる」に否定がくっついた状態でよく使われる。

それが故に「サボる」ということに対していささか高揚感を覚える。
「俺はサボってやったぜ!!」
自由になった解放感と相まって達成感に近いようなものを感じてしまう自分すらいる。

しかし同時に、高揚感と同等かそれ以上の罪悪感も覚える。やはり心苦しいのだ。
でもその罪悪感のおかげで人は自分の行動を省みて、前を向かせ、そして成長させる。
「やっちゃサボっちゃいかんな」
という結論に至るわけだ。

しかし、これが誰にも迷惑かけることなく、自分の中で納まるとなると話は変わってくる。
自分で自分に「サボるな」と言える人間はなかなかいない。
ボクという人間は決してそのようなことを言える人間ではない…断じて!!

この年末からお正月にかけてというかお正月が終わってからの今日までサボりにサボった。
めちゃくちゃ書くのをサボった。
というか考えることさえもサボった。
考える葦から考えない葦になった。最弱もいいところだ。
ちょっとだけ休むつもりがあれよあれよと長引いてしまった。
自分のだらしなさには毎度びっくりさせられる。

まぁでも再び筆を握ろうと思えただけでも良かった。
まだ腐りきっていなかった。
「書かなきゃ!!」
と思える自分が残っていてよかった。

しかし、サボった代償はやはりでかい。
筆が重たく、全く進まない。
まるでお話の主人公が限界以上の力を酷使したがために体が思うように動かなくなってしまった状況と言えば伝わるだろうか?
力を使っていないのに今のボクはそんな状態なのだ。
とんだクソ野郎だ。
さらに言えば、お話を書いている自分に恥ずかしささえをも感じてしまうほどだ。
それほど今までの自分が他人行儀に見える。

とにかく今は「書きたい」という火種を消さぬよう少しずつでも書こうと思う。
大きな目標を掲げると一瞬で消えてしまうから、一歩一歩、小さな歩みを積み重ねるように書いていきたい。


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