第49話 頑張って悪役を書こうとチャレンジしているのですが…

 第6話で悪役のことについて一度触れた。
 悪役を料理に例えるならスパイス的なものだと!!
 悪役の必要性を感じているのに、残念ながらボクはその悪役がなかなか書けない。
 そう、ボクはスパイスのない料理を出し続けているのだ。

 でも最近になって、ようやく少しずつチャレンジするようになってきた。
 このままじゃあかんと。

 そこで、厳正な脳内オーディションを実施し、悪役キャラを選出した。

「よし、お前は悪役だ!!」

 満を持して悪役が出てくるお話を書いたのだが、これがまた全然上手く行かなかった。
 いつものパターンである。

 下地の段階では、まぁまぁの「悪」を思い描く。

「なかなかどうして…君、悪役似合ってるよ」

 プロデューサーのボクは太鼓判を押す。
 ちょっときつめのセリフにして、主人公たちに噛みつく。

「おぉ、いいじゃないか!!」

 自画自賛する。

 しかし、どんどん雲行きが怪しくなる。
 書いていく最中に、その悪役キャラについて、構想の段階では気づかなかったことまで考えるようになる。
 新たな気づきと言えばいいだろうか?

 もちろん、メインストーリーにゴリゴリ関わるわけではないので、そこまで深く掘り下げるつもりはない。
(まだそんな悪役は書けません)
 割り切ればいいだけなのに、それができないのだ。

「こういうシーンを作りたいので、あなたはこのようなセリフを言ってください」

 というスタンスを取っているのだ……最初は!!
 しかし、

「なんでこいつはこんなことを言うのだろう?」
「こうなるまでの背景は?」

 と考えるようになり、

「このシーンは本当に必要なのだろうか?」

 という、いつの間にか樹海に足を入れてしまうパターンだ。

 これはボクの舵取りが下手くそなのが原因だ。
 話の展開のためにキャラを当てはめるのではなく、

「こういう性格のキャラたちがいます。こんな感じに持って行きたいので、後はみんなでわいわいやって完成させましょう!!」

 上手く説明できないのだけれど、この感じ…分かるだろうか?
 とにかくこんな感じなのだ(笑)

 だからカレーを作っているはずだったのに、ビーフシチューになってしまう。
 時にはクリームシチューになってしまうことだってある。

 話が進むにつれて、その悪役がどんどん修正されてしまい、最終的にはそこまで悪い奴じゃなくなってしまう。
 だから最初と最後で口調が変わってしまって、慌てて修正する。


 他にも、悪役の孤立が生じる。

「なんで君だけポツンと悪役なの?」
「普通は周りの人が戒めるよね?」
「このポジションにおめぇみてぇなキャラがいるわけねぇだろ!!」

 そうしてこうして、そこまで悪い奴じゃないキャラができあがる。

 今のボクを例えるなら、

「夢の中で速く走ろうとしているのに、ちっとも前に進むことができない」

 そんな感じだ(笑)

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