第45話 貴族名?貴族の位?貴族の呼び方?もう勘弁してください!!

 ただ読んでいるときは何とも思わなかったのに…
 何も害はなかったのに…
 書く側になってみるとこんなに煩わしいとは!!

 まだ構想の段階。
 というか、頭の中の妄想の段階。
 そんな段階なのだが、
「ちょっとこれは貴族が必要だな」
 と思う場面が出てきた。

 自分の中だけで楽しむなら、妄想だけで済ますならその貴族に名前は不要だ。
 適当に登場させて、しゃべらせておけばいい。
 しかし、実際に紙に起こすとなると話は変わって来る。
 ちゃんと人物設定をしなきゃいけない。
 ということは…ある程度ちゃんとしなければならない。
「適当」が別の意味で「適当」でなければならない。

 仕方ないので、ちょっと調べてみたのだが…
「分からん!!」
 ちっとも分からん。
 地頭の悪さと面倒くさいという思いが会い合わさり、全然理解ができないのだ。
 調べるにあたって便利なネットを利用したが、取り扱う者の知識が乏しいために得られる情報も断片的だ。
 目で追う文字が全然頭の中に入って来なかった。

 かつて、登場人物の名前を決めるのが大変だと嘆いた。
 考えど考えど、ちっともカッコいい名前が思い浮かばない。
 仕方がないので、花の名前を参考にすることにした。
 花には花言葉も添えられていて、意味も込められるからだ。

 貴族の名もこの花の名前を参考にすればいいのだが、それだけじゃ足らない。
 名前の後にちょびちょび付いてくるのだ。
 このちょびちょびが非常にうっとうしい。

 かつてこの世界に「レオナルドダヴィンチ」という天才が存在した。
 ボクは彼の名前を見て、
「いや~、やっぱすげぇ奴は名前もカッコいいんだなぁ~」
 と浅はかに思っていた。
 ボクは、彼のことを「レオナルド・ダヴィンチ」と思っていたのだが、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」であって、「ヴィンチ」とは彼の出身である村の名前という事実。
 これを知って、
「あっ…そうなんだ」
 とちょっとガッカリした自分がいた。

 貴族の名にはそんな地名が入ったりするとかしないとか。
 そして時代と共に複雑になっているとか。
 どうやって名前を付けるか二の足を踏んでしまう。

 しかし、それだけじゃ終わらない。
 貴族は呼び方も注意しなければいけない。
 だって貴族には位があるのだから。
 会社に「社長」「部長」「課長」の役職があるように、貴族にも「公爵」「侯爵」「伯爵」などの位に分けられている。
 それを踏まえた上で、「公爵」と読んだり、「閣下」とよんだり…勘弁してほしいでござる!!

「様呼びでダメなのかい?様呼びで!!十分じゃん!!」
 と言いたいところだが、様呼びは親しい間柄で呼ぶものらしい。
 貴族の権力社会を表現するためには、ちゃんとふさわしい呼び方をしなければいけない。
 曖昧ではいけないのだ。

 そう考えると、「神」という存在はありがたい。
 ボクらはしばしばお話の中で「神」を実体化させて登場させる。
 呼び方も非情に簡単。
 親しくなくとも「名前+様」で許される。
「貴族様とは大違いだ!!」
 と悪口を言ってしまいたくなるほどだ。

 今のボクは貴族を登場させるより、貴族を登場させないように工夫する方が簡単そうだ。
 お風呂に入りながらじっくり考えてみる。

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