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webリリース記念ライブ配信vol.2「沖縄県うるま市津堅小中学校の取り組み」開催実施レポート

先日弊社の公式ホームページリリース記念といたしまして、ライブ配信を三回に分けて行いました!第二回目も、普段rokuyouが一緒に取り組ませていただいているプロジェクトのパートナーさんをお呼びして、HPだけでは伝えきれない質感を伝えていきます。

第二回目は、沖縄県マルチメディア教育研究会事務局 九州ICT教育支援協議会理事 うるま市立津堅小中学校 宮城 渉 教諭をお迎えし、プロジェクトのあれこれをお話ししていただきました!

津堅小中学校はうるま市勝連平敷屋港から船で30分、人口は400人弱の島にある全校生徒14名の学校です。今年度から津堅中学校では生徒8名に1台ずつPCが配布されインターネットを活用し国内外の学校との交流授業や生徒間で取り組む活動・プロジェクト学習などを実践しています。

ICT活用うるま市島しょ地域児童生徒交流実証事業とは

この事業は、rokuyouだけではなくうるま市教育委員会と角川ドワンゴ学園と一緒にやらせていただいている事業です。

角川ドワンゴ学園とは、沖縄県うるま市に本拠地を置くN高という日本最大の通信制高校で、うるま市にICTを活用した最先端の学びを提供しています。せっかくなのでうるま市の教育にも貢献/還元していこうというところから始まりました。

何をやっているのか

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インタネットを活用して楽しく遊びながら学ぶことを通して、将来の職業観や学びのきっかけ、機会、ロールモデルの幅など様々な学びのきっかけを広げていくといったところにゴールがあるのかなと感じています。

ZOOMを使って島の魅力についてYouTubeで生配信をしている様子がHPにも掲載してあるのですが、このように生徒たちがインターネットを通して未来を開くモノ・コトづくりをやっています。

現在、津堅小中学校、彩橋小中学校、与勝第二中学校の三高で取り組んでいるのですが、今回は津堅小中学校の宮城先生をお呼びしお話していきます。宮城先生にお呼びした理由は、rokuyouがご一緒している総合の時間の「ネット部活」をやっているだけではなく、他にもインターネットを利活用して楽しことをやっているので、津堅小中学校全体での取り組みについてお伺いしていきます。

津堅小中学校の取り組み紹介

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宮城さん:covid-19により今年の二月から学校環境の変化が起こったことがICT利活用の導入背景です。今年は総合学習のテーマで福祉に取り組む予定でしたが、体験活動や高齢者施設への訪問活動が禁止になり、それに伴い総合学習の中の計画を再提案しなければいけなくなってしまいました。その際にICT活用島しょ地域児童生徒交流実証事業を近隣三高で受けることになったため、オンラインでできることを積極的に取り組んでいこうと始めました。

取り組みとしては、今回の授業でMacbookAirが一人一台整備し、同時に一人一アカウントも付与しました。自分でパスワードを設定したり指紋認証をすることで自分の物として責任を持って扱うようになったので効果的だったなと思います。津堅島の良さを話し合っていき、このMacbookAirを使用して最終的にYouTubeでライブ配信をしていくことも行っています。

ICTを導入したことによる教育現場・生徒の変化

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一人一台の環境により端末の使用頻度が上がり生徒の経験値が増え、今では生徒が先生に教えていく状態になり、生徒たちに任せるという視点が生まれています。

下向:主体的で対話的な深い学びで先生の在り方が変わると言われていますが、スキル面では先生よりも生徒の方がとても早く習得することが顕著となります。技術に関しては生徒にサポートしてもらうという状況が現れてくるのがICTの面白いところだなと思います。

島だから部活は一個しかない、島だからみんなと同じ、島だからクラスメイトは二〜三人、島だから、、、といったビハインドを感じやすかったと思いますが、インターネットを活用することで様々な可能性を見出しているのではないかと仮説を持っています。スキル面以外での意識的な変容はありますか?

宮城さん:本校は小規模へき地校で、距離的に物理的に不利だと感じることを逆手にとってフットワークを軽くしよう、県外の人と繋がるチャンスに積極的に取り組んでいこうなどと繰り返すことにより、コミュニケーション能力を高めることができるのではないかと仮説を持っています。

交流先のつくり方

下向:わたしは県内のいろんな学校で授業をさせていただいているのですが、もっと社会に開いていきましょうというのはよく語られる文脈で先生方もそうしたいと仰られつつ、どうやって開いていったら良いか分からないです、繋がりがないですというのは良く聞くんですよね。津堅小中学校では交流先はどのようにつくったのですか?

宮城さん:基本的には私が関わっている色々な団体さんがメインです。色々なところや先生方とコネクションがあるのでできるのかなと思います。動けるところと繋いでいるというのが現状です。

下向:先生たち同士の全国レベルでの横の繋がりの必要性をすごく感じています。前回のライブ配信でもお話したのですが、rokuyouの向かっている方向に一緒に向かっていける人のことをrokuyouistと呼んでいるんですね。近い将来rokuyouistたちを繋いで、こういうことを授業でやってみたいんだけど一緒にやろう、繋がろうというようなことをやっていきたいと思っています。小学校は特にそうですが、先生や教室、クラスメイトだけが命、そこが合わなかったら一年間ハズレというシステムは自分の幼少期を振り返ってもとても苦しかったのを覚えています。色々な角度での刺激や世界、自分が見ているものが当たり前ではないと感じる機会が必要だと考えていて、そういう機会をつくるためには先生方も外と繋がっていることが必須なのでrokuyouが作れたらいいなと思っていることを思い出しました。

津堅小中学校で見えてきているもの

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紹介が遅くなってしまったのですが、rokuyouのメンバーの平良もこのプロジェクトに関わっています。他にもいろんな学校に関わらせてもらっているので、そことの比較や毎週行っているからこそ見えてきているもの、そこから生まれる疑問などあればシェアしてもらえると嬉しいです。

平良:最初にとったアンケートですが、ネット部活に入りたいか入りたくないかという質問で「入りたくない」がほとんどだったというところからスタートしていたということをさっき思い出しました(笑)最初は外から見ていても最初はぎこちなかったり緊張感が伝わっていましたが、昨日の授業で同じくらいのスピードで会話やチャットでコミュニケーションをとっていました。最初のスタート時点では一番子どもたちが抵抗あったと思うのですが、着実に力をつけてきていたり、楽しくやっているのを最近感じます。そのまま継続して大人も楽しくできたら良いのではないかと思います。

下向:どういうきっかけで、またはどういう仕掛けがあると生徒さんたちがのめり込んだり楽しい、学びを得ている実感を持つなど具体的な瞬間や仕掛けはありましたか?

宮城さん:あまり制限をかけないことですかね。ダメダメ言っていたら使わないので、その一点に尽きると思います。

下向:これ全国の自治体の方々及び先生方にお伝えしたいのですが、パソコンを先生が見えないところで一人で使わせるのが怖いから管理したいとか、ネットワークのセキュリティ厳しすぎませんか。ダメダメ攻撃するといろんな機会を奪っている気がしています。

セルフマネジメントは大人になっても必要なので、セルフマネジメントを学べる良い機会で、能力を身につけるきっかけであるということを先生や保護者が発想の転換を持って接していくことを大人が問われているなと感じます。ICTと自立性・セルフマネジメントはセットであるということが見えてきますね。

津堅小中学校の知恵

下向:小規模へき地高だからこそのメリットもあると仰られていましたが、津堅小中学校での今の取り組みをより大きい学校でやるときにどんな知恵が活かせそうですか?

宮城さん:うちは生徒数が少ないから全員目が届くんですよね。また、全てのものが管理できているからこそその枠内で自由に使っている部分があります。同じことをやれば良いのではないかと思いはするのですが、生徒数が増えると少し話が変わってきます。人数が増えてきたら増えてきたなりのグランドルール(子どもたちの中でこれはやっていこうこれはやめておこうなど)で最終的にはできたら良いなと思っています。最初は明文化する必要性があると思いますし保護者の理解も当然必要だと思いますが、次のステージに上がるときには明文化しない状態で自然に伝わると良いなと思っているのでやるならそういう仕掛け方をしたいです。

グランドルールのつくり方は、生徒たちがつくるだけの経験値があるかなんですが、最初は先生が提示しても良いかなと思います。その中で生徒のこうしたいが出てきたら加えていくのが良いと思います。

下向:ある程度のプラクティカルなグランドルールをつくるには経験も必要ではありますよね。仮に先生が提案したとしてもやっていくうちに生徒たちから提案を受けてアップデートしていく機会が必要だと思うし、そこを通して生徒たちが学校運営に参画するという経験が彼らの居場所や学びをつくっていくと思います。

最後に

今回も長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。次回はついに最終です!宜野湾高校の輿座先生をお招きし、公立高校でのプロジェクト型の学びについてオンライン配信を行ったのでそちらもお楽しみに!

#学び #学校 #先生 #ICT化 #教育 #主体的

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