【清泉女子大学学生インタビュー③】マイプロジェクトでの挑戦! 大好きなラジオパーソナリティの一員になるまで
今回の記事では、インタビューを通して見えてきたマイプロジェクトに取り組む大学生の変容をお伝えします。
一人ひとりの興味関心から生まれた多様なプロジェクト。実際にマイプロジェクトに取り組んだ大学生は何を感じ、どんな壁を乗り越え、どのような学びを得たのでしょうか。ラーニングクリエイター古屋が、学生の言葉をお届けします!
インタビュー三人目は、「自分のラジオ番組をつくる」プロジェクトに取り組んだ、福永爽乃さんです。
【interview】マイプロジェクトでの挑戦!大好きなラジオパーソナリティの一員になるまで
古屋 福永さんが取り組んだプロジェクトのテーマと概要を教えてください。
福永さん 私は、「自分のラジオ番組をつくる」ことをテーマにプロジェクトに取り組みました。私の好きなエスニック料理の良さを、自分の好きなラジオを通して発信していくというのが、このプロジェクトの内容です。
古屋 自分の好きなものと好きなものを組み合わせてプロジェクトにしたのですね。
福永さん 元々ラジオが好きでよく聞いていて、いつか自分がラジオ番組をつくることを夢見ていました。エスニック料理に関しては、新入生合宿でのワークで友人とエスニック料理を食べに行ったことがきっかけで、その魅力に引き込まれていきました。エスニック料理は和食とは違った刺激的な味のものが多く、日本にはない食材を用いていていることに興味をひかれました。世界にはいろいろな料理があることを知り、それを伝えたいと思ったので、このプロジェクトではずっと好きだったラジオでエスニック料理を紹介する番組をつくってみようと考えました。
古屋 ラジオを聞くことが好きだったのですね。
福永さん これまで”聞き専”だったので、まさか自分が発信する側になるなんて思いもしませんでした。この講義で「一歩踏み出してみよう」という話を聞き、これまで考えてもみなかったけれど、この機会に話す側になってみようかなと思いました。元々人前で話したり、自分が話してるのを誰かに聞いてもらったりすることもそこまで得意ではなかったので、「これはいい機会になるかもしれない」と思ったんです。きっとみんなも新しいことに挑戦するんだろうなと思ったので、勇気を出してチャレンジしようという思いでした。
古屋 このプロジェクトは大きなチャレンジだったのですね。挑戦のハードルも高かったのではないかと感じたのですが、頑張ってみようと思ったのには誰かの後押しがあったのでしょうか。
福永さん 人前で話すことは苦手なのですが、仲のいい友人とおしゃべりするのは好きなんです。だから、そんな雰囲気でお話をできればいいのかもしれないと思いました。また、私の聞いているラジオのパーソナリティの方は、私みたいに人前で話すのが苦手だという人や、クラスでは目立つ方ではなかったという人が多かったことも、「私もできるかもしれない」と思えた理由かもしれません。
ラジオはその人の本音が聞ける場所だと思っています。あまり進んで前に出るようなタイプではない人でも、こんなに輝ける場所がある。そういう人たちが話したことがリスナーに伝わり、共感を生んでいる...…。自分もこういうふうに本音で話したり、自分の好きなことを発信したりする中で、その思いに共感してくれる人がいたら嬉しいだろうなと思ったんです。ラジオパーソナリティたちのそうした姿を見て、背中を押されました。
古屋 ラジオへの愛が伝わってきました。自分が好きなラジオパーソナリティに背中を押してもらったことはとても素敵な体験ですね。そして憧れていたことを実際にプロジェクトとして取り組んでみたのですね。ラジオ番組をつくっていくにはどんな過程がありましたか。
福永さん まずは台本を作成しました。台本をつくるためには内容が必要です。エスニック料理の何を紹介するかを考えたときに、ペルー料理についてあまり知らないなと思い、自分も学びながら発信していくことを決めました。ペルー料理について深く知るために、ペルーの方やペルー料理を作ってる人に話を聞いてみることにしました。そして、ペルー人が経営しているペルー料理のお店に行き、インタビューを行いました。
インタビューに行く前に、ラジオで発信してみたいことを台本に書き起こし、その後実際にお店でペルー料理を食べ、インタビューしました。新たに発見したことや事前に調べた情報と異なる点などを、台本に書き直したり追加したりして完成させていきました。最後に、でき上がった台本を見ながらラジオで喋ってみました。
古屋 ラジオ発信をするのは初めてのことだったと思うのですが、台本の必要性は知っていたのですか。
福永さん 知りませんでした。私は制作会社でアルバイトをしているのですが、そこでラジオ制作に携わっている方がいます。その方にラジオのつくり方を質問して、番組で作った過去の台本を見せていただくことができました。「起承転結も大事だけれど、台本を作る上で何を伝えたいかという軸を立てて、その周りに肉付けしていくことが重要なんだよ」といったことを丁寧に教えていただいたんです。
実際の台本のコピーをもらい、お手本にしながら、書式を真似しつつ、起承転結や軸を考えながら台本を作っていきました。
古屋 ラジオ番組づくりも、ペルー料理に関しても、その道のプロに頼りながら試行錯誤してみたのですね。振り返ってみて、プロジェクトの熱量は何%でしたか。
福永さん プロジェクトへの熱量のパーセンテージは、結構高くて100%に近かったです。「いつも聞いているラジオ」を今度は自分がつくる側になる。このことが試行錯誤しながら、頑張ってみたいという想いを後押ししてくれました。好きなことに打ち込めることはとても楽しかったです。プロジェクトを進める中で、自分の理想に近づけていきたいという思いが強まり、改善していきたいポイントがどんどん見つかっていきました。
古屋 福永さんは自分の好きなものに対して、熱中できるタイプなのですね。ラジオ番組を発信するときに大事にしていたことはありますか。
福永さん ラジオの制作会社でアルバイトをしているときに、ラジオ番組の収録現場を見せていただける機会があるのですが、 大抵の場合は一発録りが多く、録り直すことがありませんでした。トークの新鮮さを大事にしたいからという理由だったので、私も発信していく上でそこを大切にしようと考えていました。
好きはチカラ! 「苦手」なことも「好き」が上回った
古屋 福永さんは主体的にプロジェクトを進めていたという印象を持っているのですが、そのためにはどんなことが大切だと思いますか。
福永さん 自分のやりたいことを軸に置くことが大切なのではないかと思います。私の取り組んだプロジェクトも、自分の好きなことを主軸として、苦手なことにも挑戦していました。やりたいことや好きなことでないと、プロジェクトに熱が入らないのではないでしょうか。
古屋 自分の苦手なことに取り組むことに、やりたくない気持ちが出てくることはありませんでしたか。
福永さん やりたくない気持ちが出てくることはありませんでした。やっぱりラジオが大好きだからだと思います。ラジオへの愛が苦手なことよりも上回っていました。
古屋 「ラジオ愛」を感じます! ラジオをつくってみた感想を教えてください。
福永さん とても楽しかったですし、自分も大好きなラジオパーソナリティの一員になれた気がして嬉しかったです。もちろん、プロの方々と比べたらまだまだだと思います。素人だし、喋りもうまくありません。それでも、自分でラジオ番組をつくったという証が残っている。「ラジオパーソナリティであった」という事実が残った、それだけでもやってよかったと思います。
古屋 その言葉を聞けて本当に嬉しいです。私はもちろん、地球市民学科の同級生も「福永さんがラジオパーソナリティであった」という証人です。マイプロジェクトに取り組む前と後で考え方や感じ方に変化はありましたか。
福永さん プロジェクトに取り組んで、メディアで発信する、伝えることは素敵なことだと改めて感じ、将来はメディアの仕事に就きたいと思うようになりました。実際に伝えるという挑戦を自分でしてみたときに、伝える楽しさももちろんあるのですが、どうしたら伝わるか考える中で伝え方の奥深さを感じました。深く学びたいと思い、メディアの勉強を学校で始めています。
古屋 プロジェクトがきっかけで就きたい仕事が見えてきたのですね。とても嬉しいです。それは、福永さんが心地の良い場所から一歩踏み出して、挑戦してきたからこそ見えてきた世界だと思います。これからも挑戦を続けてもらえるといいなと思っています。
最後に、これからマイプロジェクトに取り組む後輩に向けて伝えたいことやエールをお願いします。
福永さん マイプロジェクトは、自分で計画を立てて自分で実行すると聞いて、私も最初は「怖いな」「どうすればいいのだろう」といった戸惑いがありました。
しかし、プロジェクトのスタートを切ってみると、意外にも次々にやりたいことややるべきことが見えていきました。そのため、これからプロジェクトをスタートする人には「怖がらなくても大丈夫!」と伝えたいです。もちろん、心配しないでとか、なんとかなるよと言われても、怖いものは怖いと思います。その怖さを抱えつつやってみると、本当に意外となんとかなるものですし、やりたいことも見えてくる。とりあえずやるべし!ですね。
おわりに
今回の記事では、インタビューを通して見えてきたマイプロジェクトに取り組む大学生の変容をお伝えしました。好きはチカラですね。自分の「好き」を軸にして動くと、苦手なハードルも超えていくことができるのだということを改めて実感させてもらいました。大切なことは、自分が「取り組むことに意味がある」と感じるプロジェクトを見つけて、アクションをすること。自分が頑張ったと思える経験はこれからの挑戦を後押ししてくれます。