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【News】トヨタ財団の研究助成プログラム2023に採択されました!

rokuyouは2023年度トヨタ財団の研究助成プログラムに採択されました。rokuyouは沖縄県うるま市と、3年間の間、複数の事業でご一緒し、全28校にSEL導入の伴走を続けてきました。教育委員会では教育長をはじめ、指導主事の皆様が熱心に推進を図り、さまざまな学校で変革の芽が出ています。そこで、今回の採択は、SEL導入を一層促進し、よりそれぞれの子どもたちの育ちを支えていく取り組みへとつなげていきたいと考えています。
本記事では、採択された研究内容を紹介します。こちらの研究成果は、オープンソース化し、今後随時ご報告していきます!

トヨタ財団は、「人間のより一層の幸せを目指し、将来の福祉社会の発展に資する」という理念の下にトヨタ自動車工業株式会社とトヨタ自動車販売株式会社(のちに両社は合併してトヨタ自動車株式会社)によって設立された民間助成財団です。

トヨタ財団の研究助成プログラムのテーマは、「つながりがデザインする未来の社会システム」です。このテーマでは、既存の社会システムや人間と自然環境、モノや技術とのかかわり方を根本から問い直し、様々な関係性(つながり)に着目した課題に取り組み、新たな未来をデザインする研究が求められています。
混迷を極める困難な時代に立ち向かうために、既存の価値に縛られず、社会システムの変革を促す研究を募集しています。

【プログラム概要】

テーマ:子どもおよび地域社会のウェルビーイングの向上を実現するための、学校を中心とした「システミックな変革方法」の確立
(Establishing a School-Centered "Systemic Change Approach" to Improve Children's and Community Well-being)

OECDの調査によると、日本の子どもたちの生活満足度と自殺率を指標とする「精神的幸福度」は38か国中37位です。「自分、他者、社会とのつながり・信頼関係の希薄さを起因としたウェルビーイングの低さ」という課題は、コロナ禍を経た現在、一層深刻さを増しています。

本研究では、この課題解決に向けて、多様な背景を有する沖縄県うるま市をフィールドに「システミックな変革方法」を確立します。社会を構成する全ての人の土壌であり、地域の中心的存在である「学校」を発信基地として、児童生徒と教員、学校組織、そして学校を取り巻く地域のそれぞれにアプローチしていきます。子どものウェルビーイングを高め、そこからつながる社会に波及させていくための方法を見出すことを目指します。

この目的を達成するために、SEL(Social Emotional Learning)を用いた学校内での多面的アプローチの実践、学校組織改革の実施、学校と社会を接続するサードプレイスの検討を進めていきます。そして、学校を中心としたアプローチが地域社会のウェルビーイングにどのような影響を与えたのか、効果検証を行います。

【研究目的と研究概要】

(サブ研究1)効果的で多面的なアプローチを確立していく

  • 成果評価指標の確立

    • アンケートや評価表に落とし込み、全校に向けて実施・測定し、結果の分析を行う。

    • この結果を個別最適の学習アプローチに活かす仕組みづくり

  • 検証結果を参考に、モデル校数校(教育委員会選定)にて実践

    • SELを推進する空間づくり

    • 生徒間、生徒教員間の日々のコミュニケーション/学習活動の中でSELを実践するための教材およびツール開発

    • 教員研修と模擬授業へのフィードバック

(サブ研究1)教員の負担軽減のための学校組織改革

  • 学校へのヒアリング(教育委員会主導)

    • 学校組織のタスクや仕組みの中で、不要・代替可能・短縮可能、必要なものの現状把握を把握する。

  • 先行研究調査

    • 国内外の組織変革/働き方改革の先行事例を研究調査

  • 学校組織変革ロードマップを作成

    • 上記2つをベースに作成し、モデル校で実施する

(サブ研究3)サードプレイスのあり方の検討

  • 先行事例調査

    • 国内外の先進地事例

  • 試験的運用

    • うるま市内における該当箇所の検討と数カ所にて試験的運用

  • 必要な機能・あり方の検討

    • うるま市においてサードプレイスにどのような機能/役割が必要なのかを明らかにする

※サードプレイス…学校でもない家庭でもない、第3の居場所という意味で、子どもたちが決まった役割やあり方を求められることがない。ありのままの姿でいられることによって心理的安全が確保されるだけでなく、自分自身の興味関心や強みを活かした挑戦ができる機会を作ることを機能として有すると考えている。

(サブ研究4)学校の変化に伴う地域への波及調査

  • 地域住民へのヒアリング

    • モデル校の校区に住む地域住民に向けたウェルビーイングに関するヒアリング、アンケートなどの調査を実施

    • 街の雰囲気、安全に対する意識、地域社会・将来に対する期待感、学校をサポートする意欲などを指標に盛り込むことを検討している。


今後も、rokuyouではSELを通じた実証的な研究事業を積極的に進めていきます。ご興味を持っていただいた学校や自治体の皆様、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ : info@roku-you.co
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