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(絵本)どろんこハリー / 目的があれば"好き"に変わる!

vol.002
今回の絵本は「どろんこハリー」
(著:ジーン・ジオン 絵:マーガレット・ブロイ・グレアム)

■あらすじ

ハリーは、黒いぶちのある白い犬です。
なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。
ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ハリーは体を洗うブラシを口にくわえて逃げだして、ブラシを裏庭に埋めました。
それから、家の外に出て行ってしまいます。
泥だらけ、すすだらけになったハリーが家に戻っても誰も分かってくれません。
がっかりしたハリーが、裏庭でブラシを見つけ出し、わんわん吠えると……。

外に出てたくさん遊ぶ 「黒いぶちのある白い犬」ハリー。
遊び疲れた頃にはすっかり 「白いぶちのある黒い犬」となって真っ黒な姿に。
ハリーが家族にわかってもらうために考えたことは大嫌いなお風呂に入ることだった、という 苦手を好きになる物語でテンポも良く面白いです。

■良かった点

<犬も見た目がほぼ9割>
どれだけハリーが家族に対してポーズをしても、真っ黒な姿になったハリーのことを誰もハリーだとは思いません。
ハリーでしか出来ないようなことをやっても、目に見えるそのものが、その人の頭の中にあるそれと一致しない限りは信じてもらうことは難しいのです。

※ちなみに「メラビアンの法則」を聞いたことのある人も多いかもしれませんが、「見た目と言動に矛盾が生じたときにどちらを重視するか」という実験であって、見た目が全て・見た目を良くすれば大丈夫、という内容ではないのですが、現在では誤解された伝わり方もされているようです。

「見た目じゃなくて中身が大事」「中身よりも見た目が大切」といった意見は人それぞれあるかと思いますが、どちらが正解ということもなく、
自分の性格や考えていることなどを正しく伝えたいときは、
見た目と言動を一致させることはある程度必要
ということをハリーから学べます。

逆を言うと、相手に与えたい印象を変えたい場合、見た目や言動の不一致を意識的に行うのも一つかもしれませんね。下手をすると不信感に繋がりますが。


<目的を持つと 好き に変わる>
外で泥まみれになって帰ってきたとき、家族の誰にも自分がハリーだとわかってもらえません。
そこで一生懸命に考えた結果、お風呂に入れば元のハリーに戻れると気づいてブラシを持ってお風呂に向かうハリー。
絵本の最後では、庭に埋めるくらい避けていたブラシをベッドにしまうほどで、
ハリーにとってお風呂は特別な意味を持つ好きなことに変わったのです。

お風呂そのものはハリーは苦手のままかもしれませんが、元のハリーに戻れるという「目的」があるからこそお風呂に進んで向かうようになります。

これはハリーだけでなく、私たちにも当てはまることだと思います。
自ら目的を見つけることができれば、そのために何ができるかを考え、
ときには苦手と思っていたことですら積極的に行う姿勢に変わる
ということ。

与えられたものではなく、"自ら"という主体性は重要で、
そのためには自分自身がたくさん行動して感じる
機会を増やさないといけません。

話は逸れますが、組織の中で働く人たちにとっては上から降りてくる目標をいかに自分ゴトとして捉えるのかは難しいことです。
その目標を違った捉え方を勝手にしてみたり、拡大解釈してみたり、
出世して家族に喜ばれるためといった目的の手段化をしてみたり……と自分から目標を再構築できると少しは楽しく感じられるかもしれませんね。
他人は変えられません。変えられるのは自分の捉え方ですから。

そんなことを教えてくれるとても素敵なお話です。
以上が、個人的に良かった点でした。

■こんなときにオススメ!

・外見で見られ方が変わることを伝えたいとき
・苦手なものの克服の仕方を教えたいとき
・主体性の大事さを教えたいとき

面白いと感じていただいたらシェアなど宜しくお願いいたします。
今後も継続的に絵本の紹介をしていきます。

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どろんこハリー
(著:ジーン・ジオン 絵:マーガレット・ブロイ・グレアム)
www.amazon.co.jp/dp/4834000206

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