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会社は畳む時のほうがたいへん

[要旨]

会社を設立することと比較して、会社を畳むときには相当の労力を要しますが、これは、ある意味、当然のことです。一方、会社の事業は、リスクをともなうことから、いつか継続できなくなってしまう可能性もあります。そこで、再起のチャンスを残しておくためにも、あらかじめ会社の畳み方を学んでおき、なるべく適切なタイミングで会社を畳むことができるように備えておくことが望ましいでしょう。

[本文]

3月28日に、AbemaTVに、スタートアップ経営者だった中山翔太さんがご出演しておられました。中山さんは、2015年に、自動車のパーツの購入・取付までをトータルサポートするオンラインプラットフォームを運営する会社を立ち上げましたが、同社は2021年に経営破綻しました。これについて、中山さんは、番組の中で、「会社を立ち上げることは簡単だが、会社を畳むことはとてもたいへんだった」と述べておられます。

これについては、ある意味当然です。会社を設立する場合は、創業者が単独で設立できるし、複数の人と設立する場合であっても、すでに合意ができている人たちであり、それほど多くない人数しかかかわらないので、そのための手間はそれほど必要ではありません。一方、会社を畳む場合は、事業が拡大しているわけですから、多くの人たちとのかかわりが発生している状態です。

すなわち、多数の仕入れ先、従業員、銀行、株主などから合意を得る必要があるわけですから、設立するときよりも多くの労力が必要になるということは誰にでも容易に理解できるでしょう。しかし、会社を設立した当事者は、これから始めようとする事業がうまく行かないことは前提としていないので、会社を畳むときのことは念頭にないでしょう。これについても、ある意味当然です。

だからといって、私は、会社を設立しようとしている人が、会社の畳み方を知らなくてもよいのかというと、そうは思いません。客観的に見てみれば、事業活動はリスクをともなうので、自社の事業も失敗してしまう可能性は皆無ではありません。もしろん、失敗しないよう全力を尽くさなければなりませんが、失敗することも想定しておくことは大切です。中山さんも、事前にもっと経営者の役割や会社の運営の仕方を学んでおくべきだったと述べておられます。

中山さんは、専門家の助力を得ることで、なんとか会社を畳むことができ、また、ご自身も再起するチャンスを残しているようです。一方、会社の畳み方をよく知らない経営者の方は、その場しのぎであらゆる人たちから融資を受け、身動きができなくなり、再起できる可能性も失ってしまうという事例も少なくありません。そうであれば、会社の畳み方も事前に理解して、撤退の見極めをできるだけ的確に判断できるようにしておくことが賢明と言えるでしょう。

2023/4/11 No.2309

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