肉の楽園

こんにちは、いとさんです。

私はアルゼンチンという国に関してほとんど知識がありませんでした。日本から遠く離れた南米の広大な地へ飛行機を乗り継いで33時間かかると分かった時、

「ほぼ一日中会社で座りっぱなしの生活やし、飛行機も大して変わらんやろ。」

と、今思えば一体どんな理屈だったのか理解できませんけれど、これっぽっちも臆することなく、さらっと航空券を購入しました。海外に行き慣れている訳でもないのに、大丈夫、いける。ただそう思って簡単にアルゼンチン行きを決めたのです。

日本〜アルゼンチンの距離の長さに驚きを覚えたのと同時に今まで経験したことのない疲労感に襲われて、二度と飛行機に乗りたくないと後悔したのは言うまでもありません。とてつもなく長い長い旅路の後、私が出会ったのは見たこともない大きなお肉を焼くバーベキュー、asadoでした。

炭をおこすのに1時間、そして肉を焼くのにさらに1時間。大きな肉の塊がじりじりゆっくり焼けていくのを赤ワインを呑みながら待つ。アルゼンチン人たちは肉が焼けるのを待っている時間も楽しみます。

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時間をかけて炭火でじっくり焼いた赤身のその美味さたるや。友人宅でasadoを頂いたのですけれど、家族全員で食卓を囲み、焼き上がったお肉をあれよあれよという間にどんどん平らげていく様子はさらに衝撃でした。

アルゼンチンは肉食文化で、年間の牛肉の消費量が世界一とも言われます。お肉を買うときには一人500gで計算するそうです。多すぎるでしょ?と言うと、asadoは骨付きだからそれくらいの計算で十分なんだ。と返されました。asadoとはバーベキューのことを指しますが、肉の部位を指す言葉でもありまして、肋骨周辺の部位をasadoと呼びます。日本だとカルビやリブといった名称が一般的でしょうか。asadoを購入する際は、骨の重さも考慮する必要があるということだそうです。

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カットの仕方が少し異なるので、確かではありませんけれど、牛フィレにあたる部分は”lomo”と呼ばれます。アルゼンチンでも良い部位であることには違いありません。

ロバートデニーロ似のおじいちゃんが、「lomoは肉で一番良い部分だ」と言った後に、「これが俺のlomoだよ。」と彼のパートナーを抱きとめてニヤッと笑った顔がとても可愛らしかったです。

asadoが大好きなアルゼンチン人。お肉を焼くparrillaと呼ばれるバーベキューグリルは各家庭に必ずあります。parrilla を備え付けているマンションもあるほど。国内旅行した際に宿泊したロッジにもparrillaが備え付けてあったらしく、氷点下の中asadoをやったよと言う笑い話をしながら美味しいお肉を堪能しました。

牛肉に限らず、鶏肉、豚肉、羊肉、お魚、なんでもasadoできます。羊肉はBarilocheのcordero(ランプ)が有名です。今年の3月に小旅行で訪れましたので、いずれその時の話もまた綴りたいと思います。

いとさん


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