女川写真

【Vol.1 初めて気づいた「自分には何ができるのか?」~東北編~】

こんにちは。はるちゃんです。

前回の投稿では想像以上にたくさんの方から反響をいただき、私も嬉しさ以上に驚いています。
今回から現場で活動をするメンバーの姿をお伝えしていきます。

初回は東北で活動している、まこっちゃん(ロートネーム)です。
私も一緒に活動をしていたので色々なお話はできますが…あえて私のフィルターは一切かけずに等身大の姿をご覧いただければと思います。

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こんにちは、そして、はじめまして。まこっちゃんです。
僕は2015年から東北・仙台に移住し、宮城県女川町での健康のまちづくりをはじめとした地域での様々なプロジェクトに取り組んでいます。
今回はそんな僕が東北に移り住むに至る経緯や実際取り組む中で感じることをお話します。

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(女川名物、さんま収穫祭の一コマ。毎年町の方々と一緒にサンマを焼いています)

東北に来る前は人事部にて、ロートで働く仲間の働き方や環境を考える仕事をしており、その中で自分のキャリアや働き方に関しても考えることが多く、全く違う環境で今までとは異なる仕事をしてみたいなと感じていました。

そんな折に発表された地域連携室への公募。
改めて考えてみると、東北での社員向けの研修やプライベートでも現地に足を運んでおり、そこに関わる仲間たちがイキイキしてくる様子や新しいプロジェクトが生まれていく空気感を自分の肌で感じていました。
これは自分にとって新しい挑戦になるであろうと思い、迷わず応募したことが全ての始まりです。

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(女川に通うようになった頃の街並み。まだ駅前は建物などは建っていませんでした)

希望が通って異動することになり、自分が想い描いていた通り、今までとは全く異なる働き方が始まりました。
地域のことも、今後に向けて必要とされていることも全く分かっていなかった僕は、少しでも現実を理解しようと毎日のように女川町に通い、仮設住宅を訪ね歩いたり、地元の人たちとお酒を酌み交わしたり、町内のイベントに積極的に参加をしたり…。

そんな日々の中からたくさんのつながりが生まれ、異動から約1年後には女川町での健康のまちづくりの取り組みがスタート、今に至ります。

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(「健康な町、女川町」の実現向けた協定の調印式の様子)

僕は当時入社5年目。
価値観を共有する社内の仲間と仕事をすることが多く、価値観を共有しているがゆえに、真剣に向き合いながらもはっきりとした自分の想いがなかったとしても物事が進んでいきました。
会社の中で働いているうちはそんな自分でも仕事をすることができていましたが、そこから飛び出し、地域に入りこみながら何かを生み出していくときには大きな壁にぶつかったのです。

それは、それまで深く考えてこなかった、自分が「誰のために」「何をしたいのか」をしっかりと伝え、周りの人を巻き込んでいくということ。

女川で事業立ち上げに向け準備される方のお手伝いをしていた際に、本気で取り組む姿勢を横で見ながら「ところで、まこっちゃんは何をするために女川に来たの?」と聞かれた時に、自分で何かを企ててないことに気づきました。

-町の復興が進む中でも、そこで働く人・住む人の健康状態は改善できる余地はある。

たまたまある出来事をきっかけに「健康の取り組み」に興味を持った方が増えたことで一気に話が進みましたが、町の方々の健康に対する意識はまだまだ。
だからこそ、一人ひとりと健康の意識に関してディスカッションを重ねたり、ワークショップをする等協力者集めに奔走したりしました。

のちに県外からも有識者を招いて勉強会をして意識を高めながら、女川町内の会社や団体対抗でそれぞれが定めた健康に関する目標に向け100日間で競いあう健康100日プロジェクトを実施。
実施しながらも一人ひとりへの声掛けなど働きかけをすることで、少しずつチャレンジしてくださる方も増え、次の取り組みを後押しして下さるようになっていきました。

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(女川では町の未来について考えるフューチャーセッションを行っていました)

対話し、巻き込んでいける「距離感の近さ」は地域で働くことの魅力でもあります。
被災をした地域から新たな挑戦を続けている方々の想いや挑戦を近くで見るなかで、何度も自分の想いを問われ、本気度を試されていたように感じます。

相手の想いや考えを聞いて理解をし、自分のことを知ってもらえる。
そうすると思いもよらぬところからヒントが出てきたり、自分がやっていることへの後押しをもらえたりと、支えてもらう機会にも恵まれます。自分がやったことへの反応が見え、取り組み内容はもちろん、自分の仕事への向き合い方を考えるきっかけにもなります。
その関係性が自分を強くし、自分が頑張る原動力にもなっています。

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(お忙しい仕事終わりに集まっていただくこともあります)

女川町での健康なまちづくりはまだまだ道半ば。
日々取り組みを進めながら、うまくいかないこともたくさんで、自分の無力さを感じることが多いのですが、この素敵な町が、いつまでも元気に続いて行けばと願っています。

そのために自分には何ができるのか?
毎日自問自答しながらも、一歩一歩前に進めていければと思っています。