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ビンタ 探偵事務所(テーマ:聴こえるはずのない声)

【選択テーマ】


【登場人物・第一話】

・石本大樹(主人公:34歳)→女癖が悪い、腕利きの探偵

・柏木はるか(準主人公:26歳)→謎の美人アシスタント

・海野由衣(32歳)→浮気調査を依頼する人妻

・海野芳郎(38歳)→浮気する海野由衣の夫

・浮気相手の若いOL(24歳)


【あらすじ・第一話】

渋谷で女性専門の探偵事務所を営む石本。女癖が悪く、いつも金欠。

アシスタントの柏木は美人で男に興味がない。石本に軽いお仕置きをするのが趣味。

ある日石本は、何故か屈強な女子から左頬にフルスイングビンタを喰らう。ビンタの後、異変に気付く石本。自転車やバイク、自動車から声が聴こえてくるではないか。

3日後、左頬にフルスイングビンタを喰らった後の3分間は2輪、4輪車の声が聴こえ会話まで出来ることに気付く。

そこへ、海野由衣が夫 海野芳郎の浮気調査を依頼してくる。

石本と海野由衣は浮気現場を押さえるため、ホテル街へ潜入。しかし夫の海野芳郎の行方が分からない。石本は海野由衣にビンタを懇願、ビンタが石本の左頬にクリーンヒット。石本は周囲の車や自転車の声を聴き、会話を始め、海野芳郎の浮気現場を特定する。

ホテルから出てくる浮気現場を押さえる海野由衣。修羅場。

その修羅場から一歩離れた場所で、自分の特殊能力を確信する石本だった。


◆ ◆ ◆

【第一話:ビンタ探偵は楽じゃない】


(渋谷の雑居ビルの一角。石本、右頬にビンタの跡。頬をさすりながら事務所に登場)


石本「痛ってぇ。スクランブル交差点でマジビンタするなんて、日本のオンナはどうなってんだよ。」

柏木「石本氏、また悪さしたんですか?(小さな溜息)ほんと、懲りないですね。」

石本「浮気者!って殴らたけどさ、浮気も何も全部本気なんだから、こっちは」

柏木「はいはい。」

石本「ハイは一回。お、電話だ。」

(スマホを見て苦い顔の石本)

石本「ハイ、もしもし。」

石本の母「大樹、あんた、仕送りは?もう1週間も遅いのよ」

石本「あー、明後日には振り込むから、少しまってくれよ、お袋。」

石本の母「あんたね、先月は2万円も少なかったじゃない!ちゃんと仕事しているの?」

石本「大きなお世話だよ」(メールの着信音)「ほら、仕事のメールが来たから切るぞ、明後日振り込むから。」

(電話を切りスマホ画面を見る)

石本「養育費、滞ってます。いい加減にしないと訴えます 恵美・・・がぁぁぁぁ!(スマホをソファーに投げつける)カネカネカネカネ!何で俺の周りにはカネにうるさい奴ばっかりなんだ!!」

柏木「ちゃんと払えばうるさくなくなります。」

石本「はるかちゃん、またFXで儲けたんでしょ、お金貸してよ。」

柏木「私、闇金ウシジマくんより取り立て怖いですけど。それでも良いなら。」

石本「でたよ、ガチだもんなぁ、はるかちゃんは。で、お仕事何か入ってないの?」

柏木「メール入ってます。楓さんという女性から、14時にロフトの横の通りに来てくれ、彼氏の浮気について調べて欲しいって。」

石本「14時って、あと20分後じゃん。楓さん、何歳?」

柏木「26歳ですね。」

石本「よし!ちょっと仕事いってくる!」

(意気揚々と出かける石本。不敵な笑みを浮かべて見送る柏木)


◆ ◆ ◆

(渋谷ロフトの裏路地。レスラーみたいな女子に胸倉掴まれてつるし上げを喰らっている石本。そばで泣いている楓)


レスラー「テメェ、楓をたぶらかしやがって!」

石本「誤解です、誤解、人違いだと思います!」

楓「ひどい!あんなに好きって言ってくれたのに!」

石本「知らない、マジで知らない!えぇ?何で?」

レスラー「このクソ野郎が!」

(レスラー、石本のミゾウチに一撃。うずくまり、苦し気に顔を上げる石本)

レスラー「お前みたいな女の敵は、死んでろ!!」

(顔を上げた石本の左頬にレスラー、渾身のビンタ。顔が歪み吹っ飛ぶ石本)

レスラー「行こう、楓。今日の合コンで弾けて忘れよ。」

楓「うん。」

(立ち去る二人。フラフラになって立ち上がる石本。)

「痛ってぇ…。洒落になんねぇよ。今のは……ん?」

(止めてあるバイクから声が聞こえてくる。バイクを見つめる石本)

バイクA「うわ、カッコ悪い!」

バイクB「そういえば、1週間前も他の男がここで殴られてたよな。」

バイクC「それ言ったら10日前もだ。」

石本「な、何だ?幻聴か?」

ママチャリ「幻聴だって。全く、男って駄目駄目ね。」

ロードサイクル「男がダメなんじゃない、こいつがダメなんだ、決めつけないで欲しいな。」

営業車「確かに。素敵な男性も沢山いる。」

(キョロキョロする石本。2輪、4輪のものが色々話しかけてくる。)

石本「何だよ、何なんだよ!誰だよ、お前は」

バイクA、B、C「見たまんまだ、俺たちはバイクだ。」

ママチャリ「私は自転車よ。」

ロードサイクル「俺も自転車だ。」

営業車「私は、車だよ。」

(動揺し、逃げ出す石本)

石本「うわーーーー!!!!!」


◆ ◆ ◆

(事務所の前。頬をさすりながら歩いてくる石本。ニヤニヤしながら出かけようとする柏木)


石本「おい、はるかちゃん!またやりやがったな!」

柏木「何のことやら。私、メールの文面そのまんま読んだだけです。」

石本「全く、顔は可愛いのにやることなすこと憎たらしいわ。」

柏木「誉め言葉として有難く頂戴しておきます。それにしても左頬、凄いですね、石本氏w」

石本「冗談じゃないよ、マジで…。そうだ、はるかちゃん。ちょっと、ビンタしてくれない?」

柏木「は?」

石本「ビンタ!ビンタして!」

柏木「殴られて、頭でも打ちました?おかしくなりました、石本氏?」

石本「それを確かめたいから、お願い、ビンタして。」

柏木「嫌です、私、そういう趣味じゃないし。」

石本「俺もマゾじゃないよ!そうじゃなくて、ちょっと確かめたいことがあるの、お願い、ビンタして!」

柏木「どうしてもですか?」

石本「どうしても!」

柏木「…。分かりました。(深呼吸して)おらぁ、歯ぁ食いしばれ、ワレ!」

石本「あれ?はるかちゃん、元ヤンキ…! 痛ー!!」

(柏木のフルスイングビンタが石本の左頬に炸裂。うずくまる石本。二輪、四輪車から声が聞こえてくる。)

柏木「大丈夫ですか、石本氏。」

(うずくまりながら辺りを見回す石本)

柏木「やりすぎたかな?」

石本「…あ、やっぱり!聴こえる。声が聴こえる!」

(頬に手を当てながら自転車や駐車中の車に柏木の愚痴を言う石本。不思議そう見ている柏木、暫く放置。その後、石本の肩をトントンと叩く。)

柏木「石本氏、石本氏。石本氏!」

(話に夢中の石本。キレる柏木)

柏木「…目を覚ませぇ、石本!」

(柏木、再び左頬をフルスイングビンタ。今度は倒れる石本)

石本「……い、一発でイイんだって、はるかちゃ…ん…。」

(失神する石本。立ち去る柏木。ざわつく周りのバイクや車。)


◆ ◆ ◆

3日後のテロップ。

(事務所内。それぞれPCに向かう石本と柏木。左頬だけ異様に腫れている石本、ワードに自分の覚醒した能力を打ち込んでいる)


石本「(心の声)どうやら、俺は左頬を思いっきりビンタされると、自転車やバイク、自動車の声を聴けるようになったらしい。会話もできる。時間はビンタから約3分間。この3日間、はるかちゃんに殴られ続けて確信した。」

(柏木をチラ見する石本。PCの画面をじっと見ながら話す柏木)

柏木「またビンタですか?」

石本「いや、もう充分、お腹一杯、えへへへ。」

(再びワードに自分の覚醒した能力を打ち込む石本)

石本「(心の声)右頬だと会話は始まらない。弱いビンタもダメ。グーパンチも能力は発動しない。あくまで、左頬をビンタされた後、3分だけ、自転車やバイクや自動車の声が聴こえる。俺からの質問にも、彼らは答えてくれる。ただ、この能力、どうやって説明すればいい?誰に話しても頭がイカれているとしか思われないだろう…。」

柏木「あ、仕事依頼のメール。石本氏、仕事です。」

(考え込んで柏木の声が耳に入らない石本。メールを転送する柏木)

柏木「石本氏、浮気調査の依頼が入りましたよ。依頼主は30代前半の人妻。」

石本「…え、何?」

柏木「パンチドランカーになっちゃったんですか、石本氏。大好物の人妻からの依頼ですよ、それもお得意の浮気調査。メール転送しましたから。今日、会いたいらしいですよ。」

石本「あ、ああ。有り難う。メールね。」

柏木「おかしい。いつもなら中学男子並みの勢いで飛び出して行くのに。」

石本「どれどれ。えーっと。」


◆ ◆ ◆

(場面変わって新宿・歌舞伎町にある喫茶ルノワール内。コーヒーを飲む石本。浮気されている人妻、海野由衣が泣いている。海野由衣、泣きながら写真を差し出す)


海野「これ、主人の写真です。」

石本「有り難うございます。海野さん、ご主人のお勤めは新宿ですか?」

海野「はい。新宿に本社がある生命保険会社で営業をしております。」

石本「なぜ浮気を疑っておられるんですか?」

海野「最近主人の帰りが遅くて。たまに朝帰りまでしてくるようになったんです。」

石本「え、でも、生保の営業マンのお仕事はハードで上司やお客さんとのお付き合いもあるでしょう。」

海野「昔はありました。私と夫は同じ部署で出会っての職場結婚ですので仕事がどんな感じでどれくらい時間がかかるか分かるんです。でも最近は色々お役所がうるさいので、主人の帰宅はさほど遅くならなかった。それに以前は遅くなる時は必ず遅くなる、という電話がありました。でも、ここ1ヶ月はメールだけになって、こちらから何回電話をしても繋がらなくて。」

石本「なるほど。」

海野「あと、これ…」

(自分のスマホを石本に見せる海野。スマホのメールを読む石本)

石本「あらら、これはこれは。」

海野「同期の友達が教えてくれたんです。」

石本「『金曜日、夜、歌舞伎町、ホテル、怪しい。』ですか。このメールの件、ご主人には話されたんですか?」

海野「いいえ、主人に話をしても否定するでしょうし、それにノープランで話をしてしまったら同期の友人にも迷惑がかかるから…」

石本「で、私に依頼をして下さったんですね。」

海野「ええ。石本さん、SNSで有名とういうか、お名前を何度も拝見したものですから。浮気調査のスペシャリストって。」

石本「いや、それほどでも。」

海野「あと、あの、女癖がとにかく悪いと。」

石本「全然!それほどでも!」

海野「浮気調査がお上手で、女性にモテる石本さんでしたら、主人の心理を読んで行動を予測できるんじゃないかって。浮気しているなら、その現場を押さえてくれるんじゃないかって思いまして…」

(再度、写真を見てジャケットのポケットにしまう石本)

石本「分かりました。海野さん、調査を引き受けさせて頂きます。調査費用は5万円。調査期間は最長2週間。浮気しているかどうか白黒はっきりした場合は成功報酬として10万円頂きます。結果が分からなった場合はお代は頂きません。この条件で如何ですか。」

海野「有り難うございます!お金の準備しておりますので。」

石本「それと、もう一つお願いが。」

海野「…なんでしょう。」

石本「聞いていただけますか?」

海野「お金の事ではないですよね。」

石本「ええ。いや、大したことではないんですが…」

海野「…まさか、私を、抱きたいとか?」

(コーヒーを吹き出しそうになる石本)

石本「そうそう!海野さんをこの後ホテルに連れ込んで2人であんな事いいな 出来たらいいな!…って、違います!そうじゃなくて、今週の金曜日の夜、お付き合いいただきたいんです、ある場所へ。」

海野「え?」

石本「直接確かめられたら一番早いでしょ、現場を。ね?」

海野「ええ…。」


◆ ◆ ◆

(金曜日、夜8時の歌舞伎町ホテル街に現れた石本と海野由衣)


石本「海野さん、旦那さんに今日は同窓会で遅くなるって、ちゃんとお話されました?」

海野「ハイ。3回ほど話をしました。」

石本「その時のリアクションはどうでした?」

海野「1回目、2回目は同窓会、楽しんで来いよだったんですけど…。」

石本「3回目は?」

海野「俺もその日は残業になるかもしれない、多分遅くなるって…。」

石本「なるほど。こちらの用意した餌に食いついた訳だ。」

海野「ええ。」

石本「では、一度電話してみてください。旦那さんが電話に出たら、同窓会が早く終わったと言って誤魔化して下さい。」

海野「出なかったら?」

石本「怪しいですね。で、いつものパターンで、旦那さんから遅くなるというメールが海野さんに届いたら、かなり怪しいです。なので、電話を。」

海野「分かりました。かけてみます。」

(スマホを取り出し電話をする海野夫人。呼び出し音の後、電話に出られませんのアナウンス。)

海野「主人、出ません…。」

石本「そうですか。」

(海野夫人のスマホからメールの着信音)

海野「あっ!主人からメールが。今夜は遅くなる、お前も楽しんで来い、…。」

石本「そうですか、分かりました。では、本格的な調査に入りましょう。」

(静かに泣き出す海野夫人。暫く待って海野夫人の顔を覗き込む石本)

石本「あのー。お取込み中、申し訳ございません。海野さん、大切なお願いがあるんですけど。」

海野「(泣き声で)……はい。」

石本「私の左頬、ビンタして貰えません?」

海野「は?」

石本「もう一回言いますね、私の左頬、ビンタして貰えませんか?」

海野「何故です?私、嫌です。」

石本「まぁ、そうですよね。分かります。でも、これ、今回の調査の重要なカギになるかもしれないビンタなんです。」

海野「ごめんなさい、仰ってる意味が全然分かりません。」

石本「もし、旦那さんが浮気しているかどうか本当に知りたいなら、今、私の左頬を思いっきりビンタして下さい!お願いします。」

海野「どうしたんですか、急に。」

石本「いいんですか?こうしている間に旦那さんが浮気して若い会社の女性とホテルに入っているかもしれないんですよ?」

海野「そんな!」

石本「海野さんを裏切って、今この瞬間、チチクリ合ってるかもしれないんですよ!」

海野「下品です、あなた!」

石本「下品も何も、愛する旦那様から、浮気くさいメール来ちゃったじゃないですか!」

海野「それは…。」

石本「相手は誰かな、社内の若いOLさんかな?それともパイオツカイデーなガールズバーの店員さんとかかもねー、意外と。遊んでない男は引っかかるんだよなー。」

海野「ぬぐぐぐぅ。」

(海野を挑発するかのように、顔を突き出す石本)

石本「あれ、黙っちゃいましたね。浮気を黙認するんですか?悔しかったら、この左頬にビンタすればいいじゃないですか、私をパイオツカイデーな浮気相手だと思って!さぁ!」

海野「ふざけんじゃないわよ!」

(海野のフルスイングビンタが石本の左頬に炸裂。痛嬉しい顔をしながらよろける石本)

石本「おぉ、聴こえる。おい、教えてくれ。」

(海野芳郎の写真を取り出し、ラブホテルの駐車場に停めてある車に話しかける石本。呆然と見つめる海野)

セダン「野暮なこと聞くなよ、お前」

軽自動車「こういうのは干渉しないのがルールだと思うわ。」

スポーツワゴン「お楽しみの邪魔するなよ、ダセェな。」

石本「そんなこと言わずに、なぁ、誰か教えてくれよ!」

(蕎麦の出前の自転車が石本の横で止まる。雑居ビルに入っていく蕎麦屋の店員)

出前の自転車「あれ、その人、さっき見かけたな。」

石本「マジか?どこで?」

(出前の自転車に写真を見せて話しかけている石本。カップルやホスト達が怪訝な目で石本たちを見て通り過ぎる)

ホストA「こいつ何?自転車に話しかけてんだけど。」

ホストB「やべぇ奴なんじゃねーの。クスリでもきめてんだろ。行こうぜ。」

海野「石本さん!石本さん!本当に大丈夫ですか?私、なんて事をしちゃったんだろ…。石本さん!」

(自転車との会話を終えた石本、海野の方へゆっくり振り返る)

石本「(古畑任三郎を真似て)えー、海野さん、旦那さんの居場所、多分わかりました。」

海野「えっ?」

石本「あのお城のホテルです。私の推理が正しければ、まだあのホテルの中に旦那さんは居ます。」


◆ ◆ ◆

(夜11時、お城のホテルの角で待ち構える石本と海野由衣)


石本「あいつの言う事が正しいなら、そろそろ出て来る筈…。」

海野「石本さん、あいつって誰ですか?」

石本「あ、いえいえ、独り言です、独り言。」

海野「主人は本当にこのホテルに居るんですか?」

石本「居ない方が全然良いんですけどね、海野さんの事を考えると。ま、その場合は調査続行になりますけど。」

海野「優しんですね、石本さんは。」

石本「いや、それほどでも。」

海野「石本さん、もし調査が終わっても、私と会ってくれますか?」

石本「ど、どうしたんです、海野さん?」

海野「だって、ズルいじゃない!主人ばかり浮気して。」

石本「まだ浮気と決まったわけではないですよ。」

海野「そんなのどうでもいい!私に冷たい主人より、優しい石本さんの方が私、私…。」

石本「海野さん…。」

(見つめ合い、キスしそうになる2人。石本、視界の端の人影に気付く)

石本「あ!出てきた!」

海野「え?」

(ホテルから出てくる海野芳郎と美人OL。腕を組んでいる)

石本「あれ、ご主人ですよね?」

海野「…ええ。」

石本「腕を組んでいる女性、ご存知ですか?」

海野「…(無言)」

石本「海野さん?海野さん?大丈夫ですか?あっ、海野さん!」

(ホテルの前でいちゃつく海野芳郎と美人OLのところに突撃する海野由衣。呆然と見つめる石本)

海野由衣「あなた、この女誰?ここで一体何してたの」

海野芳郎「お、お、お前、同窓会は?」

海野由衣「同窓会より、この女、誰よ!」

美人OL「ね、あなたってどういうこと?この人、誰?何なの、あんた!」

海野由衣「うるさい、この泥棒猫が!」

美人OL「いきなり何言ってんのよ、このババァ!」

海野芳郎「落ち着いて、二人とも落ち着いて!」

海野由衣・美人OL「落ち着いてなんて、いられるか!」

(ホテル前が修羅場。ホテルの角でそれを見つめる石本)

石本「うわー、派手にやらかしてんなー。もう少し遊ばせておくか。」

(左頬をさすりながら、しみじみと)

石本「それにしても、ビンタの力、凄ぇ。マジ使えるわ、コレ! おっと、盛り上がり過ぎだな、あの3人。さて、行きますか。」

(独り言がおわり、深呼吸して修羅場に向かう石本。テロップで 続く の表示。第一話、終了。)


◆ ◆ ◆

【今後の展開案】

・ペット探しは楽じゃない→いなくなったペットを探して欲しいという依頼が、実は盗まれていたというストーリー

・婚約相手探しは楽じゃない→失踪した婚約相手を探しいて欲しいという依頼。実は、相手は結婚詐欺師だったというストーリー

・二人の仲を引き裂くのは楽じゃない→ホストに恋をした娘の目を覚まして欲しいという依頼。実は、ホストが娘に惚れていて、業界から足を洗って真面目人間に成るというストーリー

家出人探しは楽じゃない→失踪した娘を探して欲しいという依頼。実は、娘はだまされて誘拐されていた。決死の救出劇に発展するストーリー(前編・後編の構成)


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