16bitのアキバクライシス
「男ってチョロいですね…ウフフ。」
みなさんこんにちはこんばんは。ろひです。
先ほど放送の16bitセンセーション、見てすぐ寝るつもりがいてもたってもいられなくなってつい論考に手が伸びてしまいました。
アキバ好きを語るなら避けて通ることは許されない今期の注目アニメ「16bitセンセーション」、現代を生きる一人の少女コノハがエロゲのパッケージを開封するとそれが発売された時代にタイムスリップするというベタなSFファンタジーである本作は主に90年代の秋葉原を中心としてストーリーが展開されます。
本日の放送では以下の要素が登場しました。
・2000年問題
・エロゲのコンシューマー化に伴う18禁シーンの排除
・伝説的エロゲ「カノン」の発売
・後のコンカフェ文化の猛攻による「オタサーの姫」の男性蔑視
・美少女コンテンツ市場のマーケット規模
まず2000年問題に関してはとりわけゲーム制作に関するネタがつぎ込まれた本作ではプログラミングの都合上、過分に出てくるだろうと読んでおりましたし、コンシューマー化に伴う18禁シーンの排除も今ではプレステ作品への移植などで広く見受けられますよね。
今回の問題はそんなことよりこれですズバリ「オタサーの姫」登場!
というのもいきなりではございますが、先週の放送から本日分にかけてアキバ近辺でのガールズバー経営に本作の主人公コノハが思いを注いでいるゲームメーカー「アルコールソフト」の社長が介入してしまう事件が発生します。
結局はとある有名人に騙されて献金し、オーナーになってしまうことでそれが明らかになり、アルコールソフト自体がいきなり10億の負債を抱えてしまうというオチなのですが…問題はそこではなく彼女ですね。
おとなしそうな彼女が今回の放送分で当論考の冒頭に引用したセリフを放って見せるわけですよこれが。ついに来てしまったというか、まさしく今のアキバ…
整理すると「オタサーの姫」とは一応、「男性オタクが女性に渇望している、垂涎的な眼差しを向け丁重に扱う」という認識をあえて利用し、男性オタクのグループに帰属することで自己の有意性やアイデンティティを担保せんとする女性オタクの隠語と認識していただければ早いです。
作中ではゲーム制作を始めた冬夜が自身の手掛けるキャラクター(原画)のコスプレをして販促活動をするうちに男性の単純さ、男性のあまりの短絡的な消費方法に気づき、「汚れてしまった」わけですが、これと同じようなことが現在アキバで起こってるんですねぇ…これが。所謂コンカフェってやつです。※コンカフェについてはまた稿を改めて論じます
今でこそ池袋の乙女ロードなどを中心として女性オタクやファンによるクラスタがSNS上でも盛んになっておりますが、本作はまだゼロ年代にカスる一歩手前の1999年とかの次元の話です。そこにこの手の、もう言ってしまえば女性オタクによる男性(オタク)軽視、蔑視発言を持ってきてしまうということ自体、もうなんというか由々しき事態というか題の通り「クライシス」ですよ…
そんな本作も、今回の放送分の最後はコノハの「美少女コンテンツはすごい」、「10億円だって取り返せるすごいゲームを作れる」といった前向きな言葉で締めていました。
早くも「オタサーの姫」登場により激化する男性と女性のプライドの混交、それを取り巻くアキバの異常事態。かつてディズニーが徹底して排除した「性」と「暴力」を再注入した「おたく」が新出の「オタク」によって淘汰されかけている今、16bitレベルの進歩と危機によってアキバはどのような道に進み、必要な選択を迫られることになるのか。
それでは今回はこの辺で。
良きアキバライフを!
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