レイプドラッグでの強姦(2回目)ー急に記憶がなくなるー
2002年、私は、バリ島を後にしてオーストラリアに向かった。パースに行き、バリ島で日本人同僚から教えてもらったドミトリー安宿(確かマレーホステルというような名前だった)に泊まっていた。そこには日本人が何人か滞在しており、時々話をしたが、ワーホリを満喫している彼女たちと、日本での生活が辛くて逃げてきた私とでは、あまり話が噛み合わなかった。
ある日の昼下がり、安宿の庭でたまたま話をした男性(アボリジニと他の人種のミックスっぽい外見だった)が、自分は彫刻を作っていると言った。興味を示すと、見に来ないかと言われた。その人は大工で、今工事している住宅の中で、暇を見つけては彫刻をつくっているそうだ。
その人に案内され、その工事中の住宅に行った。とても広い家だった。住宅内には、様々な彫刻が点在し、木材や工具が散らばっていた。彼は、その住宅泊まり込んで作業しているらしく、ベッドやシャワーなど必要な設備が揃っている簡易な部屋があった。私達はその部屋に入り、世間話をした。私はベッドに腰かけ、彼は向かいの椅子に座った。私は差し出されたビールを飲んだ。その部屋には、警察の帽子を被りセクシーな衣装を着た女性のポスターが貼ってあった。彼は、「このポスターの子みたいに、君も髪を伸ばせばいい」と言ってきた。今思えば、女性の身体をモノ化しているポスターが貼ってあるのは気持ち悪いし、彼の発言は私の身体の自治権を侵害するものだ。しかし、当時は父からの性虐待の影響で、自分の感情に気づく能力が著しく低かった。 自分がその時その時に何を感じているか、うまく認識することができなかった。 なので、(ポスターや彼の発言への)不快感や違和感が部屋を去る動機にはならず、そのまま部屋でビールを飲みながら話を続けた。部屋にはマリファナの匂いがした。彼がくわえていたのは、巻きたばこではなく、多分マリファナだったのだろう。
気がついたら、私はベッドの中に彼と裸で寝ていた。翌朝になっており、なぜそのような状態になっているのか全く記憶がなかった。その時はレイプドラッグの存在を知らなかったので、混乱した。ベッドの中にいると、彼の友人が部屋の入口にやってきて彼に声をかけた。彼が返事をすると、すぐに去った。
その後、滞在していた安宿でそのレイプ犯を見かけることはなかった。
私は今でもこの出来事に対し、「混乱」という感情しかない。彼は私のことを何も知らないし、たまたま顔見知りになった外国人に彫刻を見せて、それで終わりにすればよい話なのに、わざわざレイプしてきた。レイプドラッグでの性行為の最中は、相手からの反応も言葉も何もなく、彼は空っぽの虚無の中で、一人で腰を動かし続ける。その行動の意味が今も分からない。
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