レジリエンス高めるためにVR教育|ちょっと言わせて
ストレス社会となるなかで、今、注目を浴びているのが「レジリエンス」。
元の形に戻ろうとする「弾力性」、変化や変動に対する反応としての「復元力」や「回復力」という意味で使われています。
ストレスフルな状態になったときは「忍耐力」で乗り越えるのではなく、「柔軟な思考」や「しなやかな発想」で環境に対応します。そうすることで、メンタル不調の予防につなげたり、早期回復を図るのです。
現在、建設業労働災害防止協会では、レジリエンスの考えを積極的に取り入れています。
ヒヤリハットを災害の疑似体験として、その撲滅を図ることで災害防止につなげていくというのが従来の手法でしたが、見方を事故・労働災害に至る前に回避できた成功体験として捉えることとしています。
一人ひとりのレジリエンスを高めることが、災害防止につながるとの考えですが、個々の性格もあり、意識を変えていくのはなかなか難しいといえるでしょう。
そこで、建災防では効果的な能力向上策の一つとしてVR(バーチャル・リアリティ)教育を挙げています。
作業者自身が状況を予測し、その変化を注視して、必要に応じて適切な対処するVR教育は、レジリエンスを高めるのにうってつけというのです。
事故に至ってしまったプロセスや回避方法を非常にリアリティある画像で教育でき、危険感受性を高めるのに有効としています。
VRによる教育は、災害の疑似体験をリアルに学ぶことができますが、慣れていない人は酔ってしまったり、体のバランスを崩して転倒しないよう支えが必要になる場合があるなど、課題がないわけではありません。
VR教育について検証した研究が行われていないことから建災防では、現場で採用されている教育事例を収集し、実態を調査して今後の教育のあり方を考察するとしています。
レジリエンスとVR、建設業の労働災害防止対策は、今後この言葉がキーワードになりそうです。
安全スタッフ編集長 高野健一
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