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入荷するのが楽しみで仕方がなかったJordanaのレコードを紹介します

こんにちは、Rodentia Collectiveです。

私自身が楽しみで仕方がなかったレコードが入荷しました。ニューヨークを拠点に活動をしているSSW、Jordanaの2022年リリースアルバム『Face The Wall』です。Indie Exclusiveのクリアカラーで入荷。とはいえ全て理由があって入荷してくるので全て楽しみなのですが特に待ちに待ってたのがこのレコード。

新作アルバムを紹介する前に大事なデビュー作について話しましょう。私がJordanaを初めて知ったのは『Classical Notions Of Happiness』のレコードから。この作品は2019年に自主リリースしたものを翌年Grand Juryという現所属レーベルが新たにリマスター。1曲目から10曲は弾き語りによる作品、つまり。最後の3曲は新曲としてボートラ的に加わった曲となっています。

DIYで全て行い、ひとつの部屋で全てが完成していく。メジャーな音楽に比べたら、荒くて雑でチープ。だがそれこそがBed room popの醍醐味である。どちらかといえばショートトラックが多く、まるでビートテープのような印象だった。彼女は10代の頃、Death Cab for CutieやColdplayを聴き、その後、インディー方面ではFloristやFrankie Cosmosまで聴いていたそうでバックグラウンドには様々な音楽性がある。 インストを挟んだり、敢えてギターソロだけのアウトロにしたり、そういうところに玄人さを感じてしまう。だが、最後の新曲3曲に、未知なる可能性を感じた。

その3曲のうちのこの曲。シンプルなビートがループする「Sway」ではカナダのベッドルーム・アーティストHomeshakeのような力の抜けた気怠さもあり、耳心地がとても良い。この先、彼女はどんな音楽を作っていくのだろう?と楽しみで仕方がなかった。

その後、2021年にはデジタルリリースをしていたEPをまとめた編集盤、『Something To Say To You』をリリース。1stではギターをかき鳴らしていたサウンドとは変わり、打ち込みによるインディーポップな作風となっている。加えて、どう転んで行くか分からない縦横無尽さとエクスペリメンタルさがあり聴いていてワクワクしてしまうのだ。

そして極めつけはMag BayことMagdalena Bayとfeat.した 「Push Me Away (feat. Magdalena Bay)」。ギャグっぽいことを真面目に全力でやっているのが最高。しかも真顔でね。もちろん音もかっこいいけど、ビデオが狂ってて良い!サムネイルは目からビームでちゃってるし。好きです。この曲はフィジカル化しっていないようなのでフィジカル化して欲しいな。

そしてその後2022年に遂に最新作『Face the Wall』をリリース。一連の流れを見ていると、このような流れがとても自然だったのかもしれないがまさかここまで強いのをぶちかましてくるとは…!

人生における不安”と”ドラッグで得られる夢のような高揚”の間。想像しただけでも悶えてしまうようなこのカタルシス。このレコードのサウンドはその間をいったりきたりしているかのように思う。ユニークさとシリアスさが同居すると表現すればいいのだろうか。ただただ悲観しているだけではなく、すこし皮肉を込めてユニークに表現している。私は彼女のそういうところが大好き。かといって、全てがガツガツと流れてくるレコードではなくギターのイントロで思わず初期Jordanaを思い返してしまう「Go Slow」のような心地よく流れていくトラックもしっかり入っていてお気に入りだ。

また、全ての曲において、ヴォーカルが一貫して力強くクリアになっている。これは自信の表れとか、なんというか決意みたいなものを感じる。インタビューでJordana本人が「自身の最高傑作かもしれない」と話すのは嘘なんかじゃなくて本当だと私は思う。

どんなものの手を借りてでもサバイヴしなければ行けない時がある。そう、今がその時である。人生は常にハードモード。でも、このレコードはそんな時ににこそ、こんな時だからこそ聴いて欲しい。最初から最後まで、1曲たりとも飛ばさず全て聴く尽くして欲しいレコードだ。

Classical Notions Of Happiness / Jordana (LP)の商品ページはこちら
Face The Wall / Jordana (LP: Clear)の商品ページはこちら。


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