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ヘンリー五世

#ヘンリー五世 #新国立劇場 done!
ここ3ヶ月 #ほぼ日の学校 でシェイクスピアを読んできた甲斐がありました。史劇がこんなにも楽しく、わけがわかる物語だったなんて!

ヘンリー四世、六世、リチャード二世が劇中に登場するのもあって、この物語の前後に想いを馳せる3時間でした。

●あらすじ:即位したばかりのヘンリー五世の宮廷にフランスからの使節が訪れる。さきごろヘンリーの曽祖父エドワード三世の権利に基づき要求した公爵領への返事を、フランス皇太子から遣わされたのだ。そこにはヘンリーの要求への拒否だけではなく、贈呈として宝箱一箱が添えられていた。中身は、一杯に詰められたテニスボール。それは、若き日のヘンリーの放埒を皮肉った、皇太子からの侮蔑だった。それを見たヘンリーは、ただちにフランスへの進軍を開始する。

ヘンリー五世という人物は、ヘンリー四世では「放蕩息子・ハル王子」、ヘンリー六世では「偉大なる王」として紹介されるため、人としての成長がわかりやすい人物ではあります。シェイクスピアは役者おもい!ということが実によくわかりました。ひとりひとりの役者に見せ場があって、比喩が素直な小田島訳だからこそ、ストーリーを展開させていく上での、演劇的な「省略」が生きている。観客を共犯者にしたてるような物語展開は史劇の真骨頂。

浦井健治@ヘンリー5世(ハル王子)。若い王として真っ白な衣装で登場。王子!といいたくなる風貌。フランスに立ち向かい、シーンが進むにつれて、血で染まる王冠と衣装。ひとりで戦闘にすさまじさを醸し出す。戦闘シーンでの旗裁きはかっこいいし、必見!

岡本健一@ピストル。市井の人物が戦場に行くと、こうなるよねえというお手本。レミゼのテナルディエと同格。風貌が明らかに兵士ではなく、武器も探検と小旗。爆撃に何度も何度も転がり、縦横無尽にかけづりまわる。まさに生き延びたけりゃ♪です

中嶋朋子@キャサリン。フランスの王女が、こんなにもコミカルに描かれていたっけ?と問いかけたくなるような場面の連続。
敵国に嫁ぐことを望んでいない素振りをしながらも、英単語を覚えていくシーンは戦闘の合間に突如としてあらわれて笑い三昧。このシーンの意図が知りたい。

田中菜生@小姓。初見。むちゃくちゃいい!長台詞がすっと入ってくる役者さん。少年役はやはりハンチング被るのねw 市井の人として戦地へ赴くのだけど、実はフランス語が話せて通訳を買って出たり、大きな荷物の番をしていたり。ガブローシュか!

横田栄司@騎士フルーエリン。戦場なのに、ニラを頭につけているおかしな人。英語がうまく話せないキャラクターを、サ行がうまくいえないことで、彼が出てくるたびに、ほっと一息。兵法の議論がしたいと何度も言うのに、戦闘シーンで無我夢中なのもおもしろいw

鵜山 仁さんの演出は、中劇場の高さと奥行を存分に使い、フランス軍が負けるシーンは、台詞1行くらいで見事な負けっぷり。気になったのは、舞台上に設置されたスクエアな台座と布使い。布がイギリスとフランスの行く末を表していくので、ふわっと場面が変わるのについていける。

前田文子さん@衣装。いやー、素敵すぎ。貴族、軍人、市井の人、メインカラーの赤と青。役柄を衣装が教えてくれるので、同じ場面にいてもすっきり。説明役に切り替わる際の舞台上での生着替えも象徴的。床にひろがる色とりどりの線(ペンキ跡っぽい)が際立つ。

2018年5月16日新国立劇場中劇場 11列(前から2列目)下手より

ネタバレ①:下手前方2列は水がっつり飛びます。
タイミングまったくわからないところです(集中してるからというよりも、え!!!そこかー!って場面です)私は顔ガードする間もなくw下手席の方はドキドキしちゃってください

ネタバレ②:浦井さん求婚シーンは下手側からだと、背中が多かった😢玉座に座るシーンは2回とも上手向き。下手は表情見えません。。

装置が左右にあるせいか、左右ブロックだと、見切れることも多いです。

公演期間:2018/5/17(木)~2018/6/3(日)
会場:新国立劇場 中劇場 (東京都)
出演者など
[作]ウィリアム・シェイクスピア [翻訳]小田島雄志 [演出]鵜山仁 [出演]浦井健治 / 岡本健一 / 中嶋朋子 / 立川三貴 / 水野龍司 / 吉村直 / 木下浩之 / 田代隆秀 / 浅野雅博 / 塩田朋子 / 横田栄司 / 那須佐代子 / 小長谷勝彦 / 下総源太朗 / 櫻井章喜 / 清原達之 / 鍛治直人 / 川辺邦弘 / 亀田佳明 / 松角洋平 / 内藤裕志 / 田中菜生 / 鈴木陽丈 / 小比類巻諒介 / 玲央バルトナー / 勝部演之 / 金内喜久夫


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