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【備忘録】言葉が大事


■仮説

場の情報を駆使する日本語を母国語とし、思考の道具としているからこそ、近代社会の抱える諸問題の根本的な解決へとつなげられる可能性あるのではないか。「主体によって忘れられた場所」を再度復権し、主体と場所の統一を進めていくこと、日本「らしさ」が価値になるのではないか。

■雑感

言葉とは人間が作り上げたものであり、言葉自体は音声やシンボルといった記号であって、事実そのものには成り得ません。事実とは具体的な細かい事柄が全て噛み合って引き起こされます。そして、自然言語を使っている以上、どんなに詳細に具体的に言葉を並べても事実を100%記述することはできず、自然言語の言葉には限界はあります。

人間の脳も安きに流れるサボリ癖が強いので「思考コストが低いもの」を好む傾向があります。それを助けるのが「抽象化」です。抽象化とは、「思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は無視する方法である」と言えます。モノゴトの抽象化は言語にとどまらず、人の手によって作られた全てのモノや物事の認識において重要な要素です。

モノゴトは抽象化されると、便利でわかりやすくなります。そして、高度に抽象化されたものは「わかりやすい」だけでなく「正しくわかる」こととなります。人間には抽象化(わかりやすさと利便性)が必要であり、高度に抽象化されたものに接触すると、人は「物事を正しく素早く理解でき、利用し、便益を得る」ことができます。つまり、高度に抽象化されたものは、わかりやすさと利便性となって、人間を誘導するのです。

人間の世界に対する認識、そして社会を構成する大部分は、このように言葉を使った「抽象化」が基盤になっていると考えられます。

■メモ、コピペ

・英語

・スル言語
・叙述(スル 物事を順を追って述べること。また、述べたもの)
・あるモノが他のモノへ働きかけをして変化を引き起こしたという因果律を明文化
<叙述トリック>
・小説家と登場人物が一丸となって読者をだます物語形式
・叙述トリックでは、登場人物と読者が、違う世界を見ている必要がある。でも、同じ世界を見ているかのような錯覚を起こさせないといけない。

・日本語

・ナル言語
・叙事(ナルこと。ナッタこと。事実や事件を、ありのままに述べ記すこと。また、その述べ記したもの)
・モノがあり、それを参照点としてその状況下で別のモノに何がしかの変化が起こるという事態構成。
・ほとんどの場合、名詞は単独では情報として文に取り込むことができない。また英語の前置詞(in, onなど)とは違い、助詞そのものは何の意味ももっておらず、名詞に付加されて初めて特別な機能を発揮する。
・日本語の最大の特徴は、基本的な助詞の使い方や語順が会話や文章の流れのなかで変化すること。相手の言うことを最後まで聞かなくても助詞を聞いた段階で動詞情報をある程度予測することが可能。
・「察し」を期待する文化。 思っていることを明確に言わない、言わなくても相手がこちらの真意を汲み取ってくれることを期待し、それを前提としながら会話を進める。
・日本人は、「語らぬ」民族、あるいは「語ることを重視しない」民族だと言われている。「言外の意味」や「本音と建前」という言葉があることからわかるように、はっきり言わないこと、そして相手が言葉で表していない部分まで理解することが期待される。
・普通、「ごはんができました」と言う。「ごはんを作りました」とか、「ごはんを作ってあげました」という表現は、文法的には正しいが、決して使わない。つまり、「私」が主語になる文ではなく、「ごはん」が主語になる文を用いる。
・日本語は表意文字である漢字を使うため、文字の形に意味がある言語です。表意文字を持たない英語は、文字の音に意味がある言語。
・日本語は音節をあまり意識する必要がない言語。

・場の言語

・主体と客体、主観と客観、自己と他者は本来非分離であるという見方、立場をとり「主客非分離」である。
・すべては場における相互作用によって成り立っており、個々の物質がまず存在している。それが他の物質に影響を与えていくという立場ではない。個体の働きは場のはたらきによって規定されているとも言える。

・接尾辞

・英語は音節の切り方を間違うと意味が通じなかったり異なったりする単語がある。
・漢字の偏(へん)や旁り(つくり)の様な機能(prefixes, stems, suffixes)があり、単語の構造を理解する上でも何処で音節が切れるかを理解することはとても重要。
・英語の音節とは、話す相手に言葉の意味が伝わるように音を分けるのもで、日本語でいう漢字(表意文字)の代わりの働きをしている。

・語順

・英語は語順が違うと意味が変わるか通じないことが殆ど。一方、日本語は「て」、「に」、「を」、「は」等の助詞があり、語順がばらばらでもつじつまを合わせる事が出来る。
・日本人は個々の単語の意味を重視して全体の意味を捉えようとするのに対し、英語を母国語とする人は語順を重視して意味を捉えようとし、言葉の論理構築が異なっている。
・高文脈型は全体主義的な考えを持つ文化から生まれており、非言語のコミュニケーションが多いことが特徴。
・人間関係が密接で情報が共有されるため、言葉以外の文脈や状況までコミュニケーションの前提。
・全体との協調や調和を大事にするため、主体的でない間接表現が多く、遠まわしで曖昧な言い回しが多い。
・低文脈型は個人主義的な考えを持つ文化から生まれており、個性を重視した主体的なコミュニケーションに価値をおく言語。よって、伝達される情報は言葉の中にすべて入っており、逆に語られない言葉にはメッセージが存在しない事になる。
・分りきった内容でもいちいち言葉として表現する必要があったり、複雑な文法的なルールがあったりと日本人にはストレスに感じる。

・膠着語

・日本語は典型的な膠着語である。膠着語は、主語や目的語、事柄の成立時点以外にも、使役や受け身、事柄の成立可能性などの文法的な機能を、それぞれ特別の単語によって表す言語であるため、特に動詞の後ろにこれらの文法的機能を表す単語が次々と後続することができる。多くの単語が並ぶ状態を、物が膠で接合される様子に喩えて「膠着」と呼んでいる。
 
・膠着語の場合は、文法的機能と単語が原則として一対一に対応しているため、文法的機能を表現するための単語の選択が容易であるし、機能が単語によって明示されているため、理解の過程も単純である。従って、事柄の全体的枠組みを決定する文法的機能に関しては、膠着語が最も高い効率性を示していると言える。
 
・日本語は非常に簡潔で規則性が高いものが多い。つまり、日本語はできるだけ単純な仕組みを用いて、他の言語が表すのと同じ内容を表すような方法を選択している、表現上の効率性が高い言語

・やさしい日本語

・簡易な表現を用いる、文の構造を簡単にする、漢字にふりがなを振るなどして、日本語に不慣れな外国人にもわかりやすくした日本語。
・あいまいな表現を避けて、最後まで言い切り、一文を短くする。
・はさみの法則

 っきり言う
 いごまで言う
 じかく言う

・合成性

「全体が部分の規則的組み合わせから出来上がる」という性質を合成性という。単語や形態素といった基本的な要素の組み合わせ方を変えることにより、別の様々な内容を柔軟に表すことができるようなしくみを備えている。高度な合成的複合構造を持つことにより、限られた数の要素を使って、無限とも言えるような多様な内容を表現できる。

①駐車禁止
→ 駐車 + 禁止
②一般車両駐車禁止
→ 一般 + 車両 + 駐車 + 禁止
③昼時間帯一般車両駐車禁止区域
→ 昼 + 時間帯 + 一般 + 車両 + 駐車 + 禁止 + 区域

各語はそれぞれ固有の意味を表しているため、既存の組み合わせを変えて新しいメッセージを創り出しても、その内容がすぐに理解可能。

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