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彼は株式市場に屈した(1月FOMC結果から今後の見通し)

1月のFOMCでFRBのパウエル議長はハト派の姿勢を強く見せた。

2018年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)から1カ月。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は豹変(ひょうへん)していた。市場が嫌う利上げもFRB資産圧縮も終了に近い可能性を示唆した。

利上げ、バランスシート縮小共に鈍化させる、あるいは停止させることを強調したのだ。このことをガンドラック氏は「彼は株式市場に屈服した」と結論付けた。パウエル議長本人が否定しようとも、株式市場の下落が今回のハト派姿勢に繋がったのは誰の目にも明らかである。

 さて、今回のFOMCを受けて株式市場は楽観的となり、上昇している。このことはFOMC前の投稿で予測していた通りである。また、バランスシート縮小の停止も示唆していることからこちらも予測していたドル安となっている。

しかしそれでも株式の空売り、ドル円の空売り(ショートポジション)は止める必要はないと考えている。それは何故か。

 パウエル議長は株式市場の下落によってハト派姿勢となったが、それであれば株式市場が持ち直せば再びタカ派姿勢に戻ると予測できるからである。

タカ派姿勢に戻れば結局株式市場は再び下落する。さらに、仮に金利を引き上げを止めたとしても、既に行われた利上げにより金利はもう新興国並の水準である。ここまでの水準でありながら株式市場に投資をわざわざしようとするだろうか?

 結局のところ株式市場はどう転んでも下落するという結論に至るのである。だからこそ空売りは保持するべきなのである。この結論が崩れるとすれば、株式市場が上昇しながらFRBがさらにハト派になり、金利引き上げを止めるどころか引き下げを始める(量的緩和を再び始める)場合である。

 それともう一つの可能性がある。市場が過度に楽観的になり、バブルとなる場合である。この場合は株式市場がロジックを失って上昇し、一上げを起こす。そしてその後崩壊するように急落する。この上げは「最後のひと上げ」と呼ばれレイ・ダリオ氏やジム・ロジャース氏、最近ではガンドラック氏もこの上げをそう呼んでいる。

 昨年の終盤に起きた日経平均、ナスダックやダウの過去最高値更新が典型例である。

当時多くの著名人は株式市場バブルの崩壊を警戒していた。にもかかわらず日経平均やダウ、ナスダックは過去最高値を更新した。そしてその後は皆知っての通りバブルが弾けるように崩壊した。こうした動きが市場が下げのサイクルに突入する前には起こることがあるのである。

 この動きがありうるので、株式は空売りしつつも、もしこうした動きが起こった場合は更に空売りを売り増しする現金は残しておかなければならない。

 

続いてドル円のショートポジションについてである。こちらも保持しておくことに何の問題もないと考えている。

何故ならば、仮にFRBがこのままハト派姿勢になるようであればドル売り圧力が強くなり、タカ派姿勢となれば株式市場の下落から円高になる公算が高いからである。

どちらにしてもドル円は下落傾向となるのである。証券アナリストには「ハト派姿勢となれば株式市場は上昇するからドル円も上昇する」ととんちんかんなことを言っている輩がいるが、FOMCでハト派姿勢がはっきり示されたときに瞬時にドル円が下落したことはもう忘れたのだろうか?全くちゃんと仕事をしてほしいものである。

 さて、以上であるが今年は市場のボラティリティが非常に高くなると予測される。上かと思ったら次の週には安値更新、といった具合には荒れるだろう。こんな年だからこそ、常に中長期的に市場を予測することを忘れないようにしたいものである。


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