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the others 00s Rocks

Anamor - Za Witrazem (2018) : Polish

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 ポーランドのロックでも当然多種多様なサウンドがあるし、そこから世界レベルで知られているバンドは更に絞られていく。もっともポーランドの言葉で歌われているバージョンは明らかに世界レベルでもないけど、サウンドが世界レベルで人気出る時もあるし、その逆もある。ただ、バンド側は最初からそこまで狙ってないから結果論世界レベルの到達に繋がった方が多い。それも先人たちが作り上げた道筋の成せる業で世界の反対側に近い日本で楽しめるからありがたい。

 Anamorの2018年リリースのセカンド・アルバム「Za Witrazem」。2003年にアルバムを一枚リリースしてその後沈黙、そして15年ぶりにこの作品を発表したバンドで、15年間の空白も不思議だが、思うように情報収集が出来ないのも辺境の地の話。単純に作品を楽しむしかない事はある意味雑念に惑わされずに音に集中できるから良い。ポーランド的陰鬱且つエモーショナルな女流ボーカルによる切なく儚いサウンドが中心に作られていてツボにハマります。美しくも儚い出来映えで、作風は15年前のファーストと近しく冒頭から素晴らしき音。

 要所にピンク・フロイド的エッセンスもありながら、ボーカルが女性だからそのイメージに囚われる事なくちょいとヘヴィネスに聴き応えもある感触で楽しめる。決して明るくないけど、暗黒でもなく雰囲気を作り込んで、変拍子的も多いから技巧派的なバンドの側面はひっそりと出てくるし、ギターはロングトーンを上手く活かした雰囲気づくりのソロプレイ。このギターソロのタメ具合は簡単ではないが、堪能できる作品で、ジャケットの悲壮さを味わえるムードのアルバム。

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