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Fusion #2

Larry Carlton - Larry Carlton (1978)

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 Larry Carltonの1978年ヒットアルバム「Larry Carlton」は冒頭の「Room 335」がこの手のギターを弾く人達の練習曲で圧倒的だったから、マイケル・シェンカーの「Into The Arena」の終盤フレーズやDeep Purpleの「Hightway Star」と同じ扱いのようだ。言われてみれば快活でフレージングが多様で弾きたくなるギターが流れ出てくるから納得。自分はこんな長いメロディソロは覚えられないけど、ミュージシャンには簡単で弾くようだ。感性だけのアドリブならセンスで対応出来るけど、決まったフレーズや長いメロディはコード進行の流れだけでは対処できないから覚えて弾くし、実際ライブでも弾いている。それに加えて演奏の迫力もあるから覚えて弾くだけでなく、モノにしてプレイする必要もある。

 そしてこのアルバムは正にフュージョン作品で、しかもギター中心に作られているから嬉しくて、ギター中心でバンドアンサンブルが高まると好ましい展開。ただ、ギターの音色がオシャレでセンス溢れすぎてて、ロック小僧には眩しくて苦手だが、プロのミュージシャンのプロのアンサンブル作品だから当然。こういうアルバム聴くと眩しいから、ミュージシャンと凡人の違いは歴然とある。フュージョンを偏見で見ても良いアルバム。

Larry Carlton - Renegade Gentleman (1993)

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 ラリー・カールトンは非常に変化の激しい人。本人の個性もあるが、一番の変化は暴漢に銃で撃たれて重傷を負った経験だろう。それゆえ、腕と喉と精神に打撃を被り、以前の美しいジャズフュージョンギターから手を引いてブルースの世界に入り込んでいる。この事件の前からブルースに興味を抱いていたので直接的ではないけど、以降のアルバムは別人レベルで世界が変わっている。それでもこれだけのギターを弾くのだから才能豊かな人。

 1993年リリースの「Renegade Gentleman」。何も知らない頃に入手して、華麗なるフュージョンギターと思いBGM的に流したらブルースが流れてきて、途中でCDを見直した程。それくらいにイメージと異なるアルバムで驚いた。

 そういう衝撃を除くとブルースにしてはブルースらしくなく、華麗な側面が残された土臭いブルースリズムの音楽。ギターフィーリングもしっかりしてるし音も完璧だけど、ブルースのブルースらしい面は難しい。だからサラリと聴けるブルースリズムギターで大変良い。ただBGMの環境音楽的ブルースになるので勿体無い。背景知らないで聴くと好き嫌い分かれるが、背景知ると良い作品に聞こえると思う。

 スティーヴィー・レイ・ヴォーンにそっくり。接点あったのか単に影響されているだけか真似しているのか、と思ったらハマっていたらしい。ラリー・カールトンがレイ・ヴォーンにハマると似た曲調があって聞きやすい。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪