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Fusion #1

Al Di Meola - Elegant Gypsy (1977)

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 ダサくて見たくもないジャケットを堂々と出したReturn To Foreverのギタリストからソロへと転向したAl Di Meolaの「Elegant Gypsy」。1977年リリース作品のソロ二枚目だが、ここまでダサいジャケットのセンスが凄い。彼らはミュージシャンだからそんなトコロでセンスを左右されず音楽を聴いてほしいだろう。それでも購買意欲の湧くジャケットの方が好感度アップするし名盤になっても納得しやすい。

 このアルバムくらいになるとロックもフュージョンも完全に融合してます。そもそもアル・ディ・メオラにパコ・デ・ルシア共演の「地中海の舞踏」がスーパーギタートリオと同じ衝撃度、ギター二本だけでスパニッシュめいた共演を繰り広げてて、意気投合も納得するくらい両者とも白熱したプレイを披露してゾクゾクする。アルバム冒頭の曲からロックな音色で、「スペイン高速悪魔とのレース」も完全にハードロックエッセンスの作風。実際Riotがカバーしていたが、メンツがドラムにスティーブ・ガッド、鍵盤にはヤン・ハマーとロック畑でも名前の聴く方々の参加だからベックと差は無い。

 だからロック畑の連中もこのアルバムはかなり聴けて楽しめる。物足りなさはあるけど、ギター好きだとタメになるアルバム。明らかにロックに近いアプローチとプレイで聴きやすく仕上がってる。

Al Di Meola - Splendido Hotel (1980)

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 1981年にリリースされたアル・ディ・メオラのソロ作品ながらも今までのカタログに於いても1、2を争う作品。アル・ディ・メオラがやりたかった事、また出来る事を全て凝縮して入れているアルバムで、ゲスト陣もレス・ポールやヤン・ハマー、チック・コリアからスティーヴ・ガッドと多彩に渡る陣営を迎えての作品にも拘わらず自分だけの多重録音作品も入っている集大成アルバム。

 「地中海の舞踏」の超白熱したライブ作品がアル・ディ・メオラの印象なので、他の作品をそれ以上追求した事もなかったので良い機会。しかしこの「Splendido Hotel」は「Friday Night in San Francisco」の直前のアルバムと気付いた。ところが「Splendido Hotel」は全くバラエティに富んだ作品で、イージーリスニングからギタリスト的にハマる曲やラテンや地中海やアラビアンと多国籍なジャンルに跨る音楽で勉強になります。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪