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創業16周年記念企画「コピーライター事務所であるRockakuはどんな仕事をしているのか棚卸ししてみた」

はじめに


株式会社Rockakuは2023年4月をもって創業16周年、法人化11周年を迎えました。なんの節目でもない中途半端なタイミングですが、昨年8月から新たなメンバーも加わり、社内の制度やコミュニケーションの整理を進めていたりします。

その中で、「そもそも創業以来の歴史を見てきた森田と、途中から加わっていったメンバーとでは、会社や仕事に対する認識も違うし、森田がなんとなくSNSやnoteで発信している仕事の話って、あくまでも森田さん目線だよね……」という話題がよく出るようになりました。

言われてみればそれはその通りだし、さらに言うと「お付き合いの始まり方や、始まった時期によってクライアントさんやパートナーさんから見たRockaku像もかなり異なるのではないだろうか?」と気づかされたわけです。

つまり、15年以上も「コピーライター事務所」をやり続けていると、「頼めること」「できること」の認識だって変わっていってしまう。だから、一端、整理して、「実はこんなこともできる」「こんなこともやってきた」という話が、社内外で共有できるといいなあと思った次第です。

そんなわけで、今回は、Rockakuが「コピーライター事務所としてやっている仕事」について、できる限り細かく棚卸しをしてみたいと思います。下心としては、改めて「こんな仕事も頼めるんだ」と知ってもらって新しいお仕事につなげたいという気持ちもありますが、もう一方で、コピーライターを志す方たちが現場の実態を知るヒントになることとかも狙ったりはしています。

01_キャッチコピー


やはりコピーライターの仕事と言えば「キャッチコピー」というイメージを持っている方も多いと思います。実際、Rockakuにも「キャッチコピーを書いてください」というご相談は舞い込みます。

ただ、「キャッチコピー」とひとことに言っても、その種類や目的・用途はけっこう細かくあり、そこの定義が曖昧であるケースも多いため、まずはそこを掘り下げてうかがうケースがほとんどです。これも少し大まかに分類していきましょう。

・ブランドのキャッチコピー
 商品やサービス、企業等の方向性や存在意義などを表現し、
 内外に価値を伝えるキャッチコピー。
 長期的に使える言葉として設計していくケースがほとんどです。

・商品やサービスのキャッチコピー
 商品やサービスの特徴、売りを打ち出して価値を伝えるコピー。
 キャンペーンやCMを打つ際のベースになるものという位置づけ。
 
・キャンペーンや広告施策のキャッチコピー
 ブランド、商品、サービスのコンセプトをベースに置きつつも、
 特定のセリングポイントや売り方、届ける相手にフォーカスして、
 短期的に勝負をかけていくためのキャッチコピーです。

といったところが主立ったものになりますが、実際はもっと多岐にわたりますので、その辺の話もいずれ書いてみたいと思います。とりあえず、弊社の実績からいくつかの事例をご紹介しておきますね。

立ち位置としては「ブランドのキャッチコピー」に当たるお仕事。八王子出身であるRockaku森田がCD及びPM、CWを勤めました。(プロジェクトの詳細はこちら)
Rockaku森田&菅原で埼玉トップクラスの工務店、ヒロ建工様のリブランディング(ブランドコンセプト)参加。このコピーを軸にしたインタビュー記事コンテンツなども継続的にご依頼いただいています。(プロジェクトの詳細はこちら
こちらは長年Rockakuオールスタッフで臨んでいるエスエストラストさんのシリーズ看板。約8年間で100以上つくっています。ローカルに向けた話題性を生み出し、長期的な露出で広げていくコンテンツマーケティングと企業ブランディングの両側面を持ったキャッチコピーと言えます。けっこうテレビに出たりもしていました。(プロジェクトの詳細はこちら
Rockaku中尾が担当した河合塾様の広告(パンフレットや交通広告として展開)。高校卒業後、再度大学受験に挑むかどうかを問いかける広告で、掲出期間も時期も限定的。位置づけは「キャンペーンや広告施策のキャッチコピー」になります。(プロジェクトの詳細はこちら

02_取材による記事コンテンツ


「取材」というとライターさんのイメージが強そうですが、コピーライターにとっても取材は重要な仕事であり、ある意味、すべての仕事の根本にある業務なんじゃないかなと考えています。大まかに種類を分けて整理するとこんな感じになります。

・採用サイトに掲載される「社員紹介記事」
・採用サイト、企業サイトに掲載される「代表メッセージ」
・商品サイトやカタログなどに掲載される「お客様の声」
・商品やサービスを紹介するための「導入事例記事」
・企業のオウンドメディアの各種「記事コンテンツ」


このあたりの「記事制作」のお仕事は、各媒体の企画や目的に沿った訴求点を軸に、質問事項の組み立て、取材の実行、記事化、写真の選定配置くらいまで、概ね対応が可能です。また、こうした記事制作で求められる取材力、ヒアリング力、リサーチ力が、キャッチコピーやコンセプトワーク、採用メッセージや企業理念づくりなどにもつながっていたりします。

数々のブランドを有するアパレル企業、アダストリア様の自社メディア「Play fashion!」。メディア立ち上げから継続的にRockaku中尾が取材・執筆を担当しています。(プロジェクトの詳細はこちら
Rockaku菅原が担当している「mitaina」のお客様の声。資産形成視点で中古・リノベーションの紹介・販売を行う同サービスの強みや選ばれる理由を、購入体験者目線で描いています。
Rockaku森田&菅原で担当したプラハの建築家がデザインするバックパックブランド「BRAASI INDUSTRY」のクリエイターインタビュー


03_企業理念、コーポレートメッセージなど

01でご紹介したキャッチコピーの仲間とも言えますが、直接的な販促などとは違い、業界、社会、ステークホルダー、リクルーター、社内などに向けて、自社の価値や考え方、存在意義などを発信していくのが企業理念やコーポレートメッセージになります。VISION・MISSION・VALUEや、PURPOSEなどがこれに当たります。また、ワンフレーズのみではなく、それに続くステートメントやAbout Usなども同時に制作するケースが多いです。

Rockaku菅原が担当したCAKE.JP様のコーポレートメッセージ。崩れるリスクが障壁となり普及が進まなかった生菓子ECの領域を切り拓いた同社の取り組みを丁寧に取材して言語化しています。(プロジェクトの詳細はこちら


CAMPFIREコミュニティ様のVISION・MISSION・VALUE。予見整理からワークショップの設計、ファシリテーション、コピーワークまですべてRockaku森田が担当しています。(プロジェクトの詳細はこちら


04_ネーミング

続いてはネーミングです。社名、ブランド名、商品名などさまざまな「名付け」にも関わってきています。音や意味、ロゴやアイコン化したときの姿、リアルな会話やネット上のコミュニケーションでどう広がっていくか……などを考えながら考案していきます。大きくは以下のような種類があります。

・社名
・ブランド名
・商品名
・サービス名


また、同時に商標登録が可能かどうかのチェックなども行い、トラブルが起こりにくいように配慮するのも重要な業務。弁理士さんと連携を取りながらのご提案もしています。こちらは分類しないで事例でお見せした方が早そうなので、以下をご覧ください。

10年以上前にRockaku森田が担当。奈良の工務店の住宅部門のブランディングを進めるためにつけた名前です。名前と共に「This is Normal.」というメッセージを開発し、「住まいの新たな基準」を提唱。当時、奈良エリアに存在していなかったとされるハイエンドな注文住宅市場を切り拓きました。現在もRockaku中尾が継続的に記事コンテンツを制作しています。

Rockaku中尾が担当したタスク管理サービスのネーミング。こうしたオンラインサービスやアプリケーションといった物理的なかたちのないものの名前をつけるケースも少なくありません。(プロジェクトの詳細はこちら

サービスリリース期のフロントエンドチームにRockaku森田が参加。価値定義やナラティブなどをつくる中で、当初はサービス名として考案。その後、社名としても使われるようになりました。


岐阜の住宅会社、六原建設様が手がける複合施設のネーミングをRockaku森田が担当。因みにサイト周りのコンセプトやテキスト、ディレクションはRockaku菅原が担当しています。(プロジェクトの詳細はこちら


05_企画・構成・編集などなど

コピーを書く前段階に当たるパンフレットやチラシ、ウェブサイトのページ構成、大まかな企画・構成・編集・レイアウトなどから関わるケースも少なくありません。こちらもわかりやすい事例を絡めつつ、どんな感じでやっているかご紹介していきましょう。

Rockaku中尾が担当した芦葉工藝舎様の採用サイト。試作全体のコンセプトがためのために経営者へのヒアリング、社員さんへのヒアリングを実施。その中から採用課題や働く場としての価値を抽出して言語化して採用メッセージを策定。その上で社員さんへのインタビューを再度行い、記事コンテンツ化しています。

Rockaku菅原がサイトマップ、ワイヤーフレームから、ほぼ全ページのコピーまでを担当したラヤマパック様のコーポレートサイト。(プロジェクト詳細はこちら

ネーミングのところでもご紹介した「TASCROP」のパンフレット。Rockaku中尾が構成からコピーまですべてつくって、デザイナーさんにデザインしていただいています。

空間デザインとまちづくりを手がけるサンクジャパン様のコーポレートサイト。Rockaku森田がコンセプトの策定やサービス内容の言語化などもやっていますが、サイト全体の構成、ワイヤーフレームなどなども全般的に担当しました。


06_紙、WEB、映像、アプリ開発……ライティング全般

さて、最後は少し大雑把になりますが「ライティング全般」です。
どんな媒体であれ、必要な言葉をご用意するのはRockakuの大事な社業です。また、既存原稿のリライト等も、元々の文意を読解して、届ける相手を設定し、適切な表現に変えていくと言う点においては抜かりなくプロの仕事を心がけています。

諸事情でここに載せる事例がないのですが、カタログ、WEB、映像、売場のPOP、チラシ、ポスター、SNSの投稿文、アプリ内の文言(UXライティング)などなど、多岐にわたる領域で言葉に関わる仕事をしています。


まとめ

さてさて、いろいろいろいろいろいろ書いてきましたが、予想通りかなり散らかりました。ここまで棚卸しをしてみて分かったのは、Rockakuが仕事の仕方をあまり限定していないということ。

よく「上流の仕事」みたいな言い方する人がいると思うのですが、上流・下流みたいなヒエラルキーで仕事を選びたいのではなくて、必要性の中で役割を果たしていきたい気持ちが強いんだな……ということと、上流・下流どころか、源流でも支流でも、そこにまだ流れがなくても、まずは調べてやってみる。というのがこの16年間のやり方だったように思います。

また、もはや説明するまでもないかも知れませんが、Rockakuは森田一人の会社ではありません。文中でご紹介しているとおり、中尾がいて、菅原がいて、小島(入社間もないので担当事例はありませんが)がいて、今のRockakuがあるんです。

書き手の会社として、まだまだいろいろな仕事をやっていきたいので、上記の「できること」「やってきたこと」はもちろんですが、それ以外の謎に満ちたお仕事も含めて、何かあればお気軽にお声がけください


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