徒然草をひもといて 5章㉗188段ある者子を法師になして・・・
ある親が、子どもを法師にしたのはいいが、”学問して因果律のことも知り、説経などをして世を渡るたつきとせよ”と教えさとした。
子はその教えの通り説経師になろうと、まず馬の稽古をした、というのも、車も馬も持たない身で、導師として呼ばれ馬を迎えによこされたとき、下手な乗り方をして落馬したらみっともない、また、仏事のあと、酒などすすめられても、無下に能のないのも施主は興ざめであろうと、近ごろ流行している早歌というものを習った。
こうして、この二つの技と芸がようやくできるようにな