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【日記】笑顔の向こう側

 今日はモスバーガーに行きました。広い歩道を歩いて行きました。番号札を持って奥の方へ向かうと既に多くの席が埋まっていました。残念でした。気を取り直して手前の方に行きました。そちらはつい数年前までは喫煙サイドでもくもくとした煙たい場所だったが、今ではそうした垣根は一切なく右も左もなくのんびりとすることができるのでした。よかったです。広いテーブルにかけてコーヒーが届くのを待ちました。コーヒーを待つ間、視線を外に向けると硝子の向こうにバス停が見える。そう思って視線を向けてみるとすぐ目の前の硝子には大きなポスターが貼ってあります。(なんてことだ)これでは外のバス停を見ることなどできません。もしも本気でバス停を見たいとするなら、席を立って見なければなりませんでした。勿論、そんな必要はどこにもありません。「お待たせしました」コーヒーが届きました。うれしかったです。


 美味しいコーヒーをいただきながら、日記を書く心の準備をしました。pomeraを取り出し、pomeraを開き、pomeraの上に指を置いたら、準備はOK! さあ今日は何を書こう。夜道を歩いたこと、モスバーガーに行ったこと、コーヒーを頼んだこと、コーヒーが届いたこと、コーヒーを飲んだこと。そんな何気ない日常に触れていくことになりそうだ。きっと前にもこんなことを書いた……。それも日常というものでした。さあ、書き出したら忙しくなるぞ。身が引き締まる思いがしました。


 一段落したところで逃げ場を求め目の前のpomeraから目を逸らしました。(バス停には誰かいるだろうか)しかし目の前の硝子には巨大なポスターが貼ってあるため、バス停を見通すことはできませんでした。もしかしたら、おばあさんが腰を下ろし読書に耽っているのかもしれませんでした。もうすぐバスがやってきたら本を閉じなければならない。(もう少しこのままでいいのに)おばあさんはそんな風なことを思っているのかもしれませんでした。夢中になれるっていいな。そうして少しずつコーヒーが冷めていき、店の終わりも近づいてくるようでした。


 日記を書くのも一段落し、pomeraを閉じました。pomeraの上に手を置き、視線を7人のスタッフに向けました。みんな陽気に笑っています。新しく生まれた巨大なバーガーを祝福するように手を広げて。笑っている人はみんな楽しそうに見えます。楽しくなくても、笑っている内に楽しくなってくる場合もあるのです。ポスターの向こうにバスがやってきました。乗り込む人は誰もいません。一人のおばあさんが降りてモスバーガーにやってきます。閉店時間はまもなくです。

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