宇宙人校庭
「今日はどうだった?」
「うん。楽しかったよ」
校庭に眩い光が射し込んで朝を占領した。子供たちを守るためのカーテンが引かれた。難しい課題を置いて、先生は教室から駆け出していった。長い自習時間が続いた。交渉の行方を知ることはできなかった。先生たちはみんな遠い星からやってきた船に呑み込まれてしまったのかもしれない。普段とは違って誰も無口だった。課題に没頭しているわけでもないのに、カーテンを開けようとする者はいなかった。誰かが落とした消しゴムが床を転げていく。持ち主は現れなかった。
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おやもとは鶏が先卵先
一問だけの自習教室
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先生が戻ってきたのは午後に入ってからだった。(中には戻らなかった先生もいたらしい)どこか別人のような顔をしていた。カーテンが開くと何事もなかったようにいつもの校庭がそこにあった。異星人の口数に圧倒されて先生たちは幾つもの密約を結ばされていた。その中には夏休みの解体が含まれていた。
(どうして……)
「疑問はのちに取っておきなさい」
今日のことは誰にも話さないこと。家族にも話さないことを先生と約束した。
「楽しかったよ」
家で話せることはそれ以上何もなかった。
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強がって無理解者を教師と仰ぎ
海底にある世界史を読む
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