超ひとりっこごと「ダレハルを語りたい１日」

最近音楽シーンが静まり気味なものの、MVをこの世に放り出してくれる方はそれなりにいる。大変ありがたい。

そんな中で特にみんなに教えたい韓国のアーティストがいる

ダレハル(달의하루)である

名前は韓国語で「月の１日」って意味。…英訳したら「the day of the moon」とか言うのかしら…公式の表記はDareharuだけどね！

ダレハルは知っている気がするのに知らない、私の中の「こういうのがいてくれたらなぁ」を具現化したかのような存在で、日韓限らず沢山の人に聴いてほしいなぁと常日頃思っていて、最近新曲のMVがアップされたこのタイミングで無観客プレゼンテーションの如くひとしきり書いてみようと思う。

※語尾が敬語になったり馴れ馴れしくなったり知識人みたいになったりはちゃめちゃだけどオタクのしゃべり方ってこんなもんだよなって感じで読んでください…

私がダレハルをオススメする理由は大まかに５つ。
順を追って語らせておくれ

①最近一つのジャンルになりつつある「素顔を隠したアーティスト」であること

ダレハルは音楽担当のampstyle氏とボーカルのチョヒ氏の2人で構成されている。(情勢もあるだろうが)今のところチームとしての活動はSNS上の音楽発表のみであるもののじわじわと人気を集めていて、1曲目のMVは公開から約2か月で400万回再生を軽く超え、4月24日にアップされた2曲目のMVはこのnoteを書いている4月29日時点で110万回再生と人気が(秘かに)うなぎのぼり中の「顔出しなしの曲のみで勝負しているタイプのアーティスト」だ。

ボカロPをはじめ最近では ずっと真夜中でいいのに。やヨルシカ、Eveなど、自分の曲の世界観をアニメーションで表現する日本のアーティストがメジャーな存在になっていく中でのダレハルの登場は、日本の音楽好きにもなじみやすいのではないだろうか。制作チームにボカロPも関わっているしね。

ただ、MV Teaserをリリース前に公開するあたりは流石韓国ぬかりないというか…日本の音楽シーンにはあまりない文化かもしれないけど。MV Teaserは映画のトレーラー映像みたいなもので、K-POPだとメジャーな宣伝方法。新曲の世界観と公開日時を短い動画にして予告することで、発売中に流れるCDのTVCMとはまた違う、新曲に対する期待感のブースターになっていると思う。

②K-POPの様式美から離れた曲の構成、ボカロ曲を連想させる展開の複雑さ

個人的にK-POPお決まりの流れというのが存在していると思っていて、
・前奏はなし、または短め
・サビに歌詞があまり無い
・1番と2番の間奏は無いに等しい
・2番のAメロあと、またはラスサビ前に大体ラップパートがある
・ラスサビのところで歌詞とは別に声を張り上げるパートがいる(ハァー！的な)

これらの項目のすべて、もしくは2つ以上は当てはまる曲がほとんどであると言っても過言ではない。

※これはアイドルソングに限る話で、この項目に全く当て
はまらない曲もあるし、これがダメなポイントじゃないよ。
様式美だから。
日本のアイドルソングも手拍子とかMIXいれるポイントが
知らない曲でも何となくわかるのと一緒よ。

多くのK-POPアイドルはどうしてもEDM、つまり生歌でしっかり歌い上げるというよりかはゴリゴリ踊る方に重きを置いているように感じる。曲の尺が既にTVサイズになっているイメージ。間奏が長いと踊る時間も長くなって体力も削られるから１つの曲が3～3分半くらいで、それを大きく超える曲というのはなかなかに少ない。

逆にダレハルの曲は前奏・間奏が明らかにある程度の尺と意味を持ってしっかりと曲中に入っている、そしてサビでめちゃくちゃしゃべる。ダレハルのMVに韓国語でコメントしているユーザーが「これJ-POPみたいやん！日本にはこういうのたくさんあるけど韓国からこんな音楽が生まれるとは…すげぇいいやん…」「K-POPでもJ-POPでもない、ダレハルや！」的なことを書いているところをみると思うことはみな同じなのだろう

③ボーカルのチョヒ氏の優しさの中に芯のある、それでいて伸びやかな歌声

そんな色んな要素が混ざり合った音楽でも柔軟に対応しているチョヒちゃん（ついちゃん付けしてまうんよ）はすごいと思う。声質も技術も。この音楽にしてこの声あり的な。K-POPのアイドルに詳しい人じゃないと分からない例え方をすると声の感じはLovelyzのリュ・スジョンに似てる(異論は大いに認める)。落ち着いてるけど明るい凛とした声…とても耳に優しい。日本語の歌も歌ってみてほしいなぁ…アニソンもしっかり歌えそうだし…(実際ダレハル結成前にサッカーゲームアプリのテーマ曲も歌ったとのこと…すげぇ)

ここまでだいぶ書いたけどもここで一旦、
肝心の曲を聴いてください。

記念すべき初配信曲を聴いてみよう

（ダレハルの曲は日本語の字幕がついてるので親切です。）
ダレハルは閻魔(Karma)という曲で初めてyoutubeに出現しました。

タイトルの閻魔や歌詞中の阿弥陀、観音、帰依などの仏教用語と”いいね””タイムライン”などの現代のSNS社会を代表する単語が弾けて混ざる！聴けば聴くほどダレハルの表現したいものは何かと考えてしまう、嬉しい悩みの種になる曲。素晴らしい…たまにケロケロボイスになるところも韓国の方からしたら新鮮なんじゃないかな

④考察厨出動必須の世界観とキャラクター

キャラデザとアニメーションはRDR(람다람…発音はできるが文字にしづらい。ramdaramかな)という韓国のイラストレーターが作っていて、日韓外の海外ユーザーからも高く評価されているよう…カートゥーン調のイラストがすっごく可愛い！好み！！私はyoutubeのおすすめでRDR氏の謎の動画が出てきたから存在は知っていたものの、そこまで人気とは知らなんだ…日本人になじみがありそうなところでいうと、パワパフのブロッサムや東京ミュウミュウのプリンの絵を描く動画も上げてます。

私がRDR氏を初めて知った動画↓

プリンのスピードペインティング↓
東京ミュウミュウって韓国だとベリベリミュウミュウっていうんだね…

（ダレハルの話題に戻ります）
ただでさえ魅力的な閻魔の登場人物ですが、閻魔のMV公開後、公式SNSでキャラクターの名前が発表されました。

염라 MV의 캐릭터를 알려드릴게요

이미지의 왼쪽 아이부터

《하루(Haru)》, 《하양(Hayan)》, 《미타(Mita)》라고 해요

하루는 저희의 마스코트 캐릭터예요

"달의하루"의 하루는 달님의 1일이라는 뜻도 있지만, 동시에 이름이기도 해요.

좋은 노래 많이 들려드리고 싶어요. 앞으로도 잘 지내요🌙 pic.twitter.com/h0D7eEvoyC

— 달의하루 (@Dare_haru) February 21, 2020

素人ながら訳しますと、

閻魔MVのキャラクターをお知らせします。
イメージの左の子から「ハル」「ハヤン」「ミタ」といいます。
ハルは私たちのマスコットキャラクターです。
”ダレハル”のハルはお月様の１日という意味もありますが、同時に名前でもありますね。
良い歌をたくさんお聞かせしたいです。これからもよろしくです

とのことです。名前あるの？！まじで！？ってなったよね。名前を付けるということは、その時限りのコンセプトではなく、ダレハルの一貫したテーマということになる。つまりダレハルの音楽は、少女ハルの物語になるということでしょ。なかなかに新しい試みだよね。それもあってかファンアートが日に日に増えていく…いいねいいね

ハヤンは韓国語で「白」という意味があるからなるほど～髪白いもんね！と思ったりして。(自分単純かよ)ミタは男なのか女なのか明言されておらずハル／ハヤンとの関係性は謎に包まれており、その上名前は阿弥陀(韓国語読みのアミタ）からきているのではないかと推測できたり、設定を明かしすぎないところが聞き手の想像力、考察欲を掻き立てるのに一役買ってるよね。

キャラを把握した上で2曲目行ってみよう

2曲目は君で咲いて来い(Flowering)という詩的なタイトルの曲。
全体的に赤くどこか薄暗かったビジュアルから一転、マゼンタピンクが基調のたくさんの花が月夜に咲く幻想的なMVに。

前作より疾走感がある曲調になってる！かっこいい～
実際に歌ってるところ聴きたい～となってしまった…てかサビ普通に難しくない？ボカロ曲の中でも人間が歌うのむずいやつみたいになってるのに楽々歌ってない？すごいなチョヒちゃん…

ミタの顔が見えないことにどんな意味があるのか、閻魔との時系列はどうなっているのか、考えちゃうよね。MVに登場するモチーフ以外にも間奏が一瞬閻魔のメロディになるところや閻魔の歌詞の一節が使われているところは前作とのリンクが伺えてとても良い。

このノイズが入ったピンクと紫まみれのMVの中に赤と黄色のチューリップは一見異様に見えるけど、調べてみたらチューリップ全般の花言葉は「思いやり」。赤いチューリップの花言葉は「愛の告白・真実の愛」。黄色いチューリップの花言葉は「望みのない恋」とのことで…えぇ…鳥肌じゃん。途中手に持ってるマーガレット（？）は「真実の愛・秘密の恋」だったり、ちょいちょい出てくる蓮も…うぅ…花詳しくなくて名前わかんないけど他の花も全部意味あるんじゃないかって思っちゃう。なんだよ、最高かよ

次回作以降ハルはどうなっていくのか…また楽しみになるね！

⑤自国のユーザーに関心を持たれていること

検索したらすぐ出てくるようなK-POPアイドルのMVや人気のアニソン歌手のMVって、意外と出身国の言語よりも外国語（特に英語）のコメントが多いんですよ。K-POPの市場は海外に裾野を広げてるしアニメは外国人マストの人気カルチャーだからってのもあるからそれは仕方ないと思うんだけど…でもダレハルのMVのコメントは”いまのところ”圧倒的に韓国語のコメントが多くて、「おお、これが現地の生の声か！」みたいに思えてくる。難しくて全部は読めないけどポジティブなコメントをしてることはわかるから、やっぱり、同じ言語圏の人に応援されているのは見ていて気持ちがいい。あと、日本人が韓国語で応援コメントしているところに韓国ユーザーが「日本人？韓国語上手だね！」って反応して良い交流が生まれてるのも最高。音楽はやはり共通言語！世界はこうでなくちゃ！！

おわりに

Twitterのプロフィール曰く「不親切な幸福と多情な傷を歌う」ダレハルの良さを精一杯文章にしてみたけど伝えられたかしら…
日本人は「ハングルだし…」と臆せず、韓国人も「アニメだし…」と引かず一度は聴いていただきたい。そしてダレハルがもっと知られてほしい！

そう私は思いました。
4300文字を超すこんなオタクの文章をお読みいただき誠にありがとうございました！以上！！

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Dear. 달의하루 ampstyle님,초희님

당신들이 만드는 음악은 정말 멋지네요.
앞으로의 활동이랑 음악이랑 노래에 기대하고있습니다 .
파이팅 달의하루! 일본에서 응원해요.
좋은 하루 보내세요~.

From.코렌

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