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独マックス・プランク知能システム研究所、中国の2大学、管状構造物を効率的に移動できる小型ワイヤレスロボットを開発

2024年3月13日、独マックス・プランク知能システム研究所、中国ハルビン工業大学、香港科技大学の共同研究グループは、外部電源なしで管状構造物を移動できるように設計された、インフラの維持・補修に有用なワイヤレス小型ロボットを「Science Robotics」誌に発表した。
 
このロボットは、外部電源に依存し、機能が限定された既存のロボットの限界に対処するもので、管状構造内の流体の流れを利用して機械エネルギーを発生させ、より長い距離のナビゲーションとメンテナンス作業のための長時間の稼働を実現した。複雑なチューブ内に適応して移動するために、内部動力源、二重出力の小型ギアボックス、切り紙ソフトホイールが組み込まれている。
 
内部動力源は、流体の流れを機械的エネルギーに変換するインペラーによるもので、外部磁気を加えるだけで移動方向を制御できるため、このロボットはさまざまな環境に適応できる。将来的には、流動抵抗を減らすためにロボット本体をスリム化したり、車輪の摩擦を増やすために微細構造を追加したりして、さまざまな条件下で安定した運動ができるように改良される可能性がある。この技術は、原子力、産業、医療用途のような厳しい環境における効果的なメンテナンス・ソリューションへの足掛かりになると期待される。
 
出典:
2024年3月13日発行 Science Robotics(英語)
https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.adi5155 
2024年5月1日付 TechXplore(英語)
https://techxplore.com/news/2024-04-miniature-wireless-robot-effectively-tubular.html