老いて思いだす”健脚”という文字
アメリカの友人が熊野古道、伊勢路を旅したいので手伝ってくれとメールが届いた。どうもブログ(Ise-ji:Walk With Me)を読んで自分も歩きたいと思ったようだ。ロベルトは行ったことがないし長距離を歩くのは苦手だが、ブログを読みながら、自分で仮想の旅をしながら情報を整理した。
Ise-ji: Walk With Me
Notes on the coastal pilgrimage route in Mie Prefecture, Japan
ブログは8日間170kmの旅を綴っている。(全編英語)
Day 1 — Iseshi-Kawazoe
Day 2 — Kawazoe-Ise kashiwazaki
Day 3 — Ise-Kashiwazaki ーFurusato onsen
Day 4 —Furusato onsen-Owase
Day 5 — Rest
Day 6 —Owase-Mikisato
Day 7 —Mikisato-Kumano City
Day 8 — Kumano City-Shingu
英語のブログであったせいか、これほど丁寧な旅ブログを見たことがない。山あり海あり、温泉ありそれに美味いも旅の楽しみが続く。これを見たら友達も歩きたいと思うはずだ。伊勢路でこんな旅をしている人がいる。8日間170Kmの”健脚の旅”だ。
宿は民宿を探してほしいと希望するので地図を見ながら電話する。旅路には民宿が多くある。ただ、cash only が原則のようだ。
ロベルトは、長い距離を歩くこと、歩きまわったたことがない。
”健脚”とは足が丈夫で長い距離を歩けることや、その足自体を“健脚”と呼ぶようだ。ロベルトには健脚がない。電車と車社会のせいで健脚づくりをしなかったせいか、健脚をづくりはあきらめよう。無理はしまい。
昔々の話になるがパリのモンマルトルとモンパルナスの間を何度、何度も徒歩で往復していたことを思い出した。それでも、やく7㎞の距離、寄り道をしなけれな2時間でたどり着く距離だ。ニューヨーク5番街のバスターミナルから、ハドソン川沿いに自由の女神がみえる公園まで何度も歩いた。5㎞の距離、足腰を鍛えたことにはならない。ゴルフ場では歩いた。6,200ヤードは約6㎞の距離だが、右へ左にボールが曲がるロベルトには10㎞は歩いていたようだ。一日20km歩くということはゴルフを2ラウンドすることになる。ゴルフはできそうだが(今は無理)重いバックを背をった健脚の旅はできない。パリやニューヨーク、歩くたびに変わる異国の風景、往来する人の姿もファッションも季節とともに移り変わる。見飽きることのない街を歩くのは楽しかった。地下鉄に乗る金は十分ポケットにあった。ただ歩き始めると、鼻歌が自然と出てくるそんな旅をしていたのかもしれない。
170kmの歩きも彼にとっては鼻歌交じりの楽しい健脚の旅に違いない
伊勢路まで行かなくても、故郷にも健脚を競える場所がある。国東半島、六郷満山、愛着はあるが、小ぶりすぎるかな。
六郷は両子山を中心とした山稜の間に開かれた6つの郷をさし、満山はそこに築かれた寺院群を指す。古くから独特の山岳宗教文化が栄えており、見どころは熊野古道に見劣りしない。
歴史だけの散歩道では遠く欧米から来てもらえまい。海と山、森と花、宿と村の生活、美味い食べ物と地方のグルメ、釣りと温泉、それに村あげてのホスピタリティ。健脚を持つ旅人は貪欲でもあることを知った旅でした。ボンボヤージュ!
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